第159通常国会は残すところひと月足らずとなった。本日、衆院の武力攻撃事態対処特別委員会では、民主党の修正案を与党が受け入れることを前提に有事関連7法案・3条約協定の審議が行われている。与党と民主党は明後日にも衆院本会議で採択し、参議院に回す手はずだ。
年金法案問題はその弱者いじめの改定という悪法の本質問題が、マスコミや与野党国対レベルでは事実上回避され、年金未納というの「政局問題」にすり替えられている。与野党が激突しているかに見えるこの年金問題に隠れて、与党と野党第一党が、日本を「戦争のできる国」にするための有事関連法案を共同で国会を通過させようとしている。
そして憲法改悪の問題でもマスコミや雑誌などでの改憲論議がかまびすしく、与野党が改憲の合唱をしているかのようだ。国の進路を大きくねじ曲げるような、こうした政治の動きが、一般社会の関心を得られないままに急速に進行しているのはきわめて不幸な事態だ。情勢は見えない巨大な力でベルトコンベアにのせられて、引っ張られているように、戦争へ、戦争へ、改憲へ、改憲へと流れていくようだ。
私たちの「市民連絡会」が加盟する「戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動」は19日昼、宗教者ネット、キリスト者ネット、陸海空港湾労組20団体のみなさんと共に、国会前で有事法制に反対し、廃案をめざす集会を開いた。平日の昼間のため、100人あまりの集会だったが、参加した団体はこうした集会ではいつになく多かった。挨拶は日本山妙法寺の木津博允上人、キリスト者平和ネットの木邨健三さん、陸海空港湾20労組の村中哲也さん、原水爆被爆者団体協議会の田中事務局長、日本青年団協議会の市村参与、被団協東友会の上田紘治さん、明大駿台文学会の樋口さん、CHANCEpono2の広瀬さん、新聞労連の山根書記長、市民緊急行動の国富建治さん、及び共産党の佐々木憲昭衆議院議員、社民党の福島みずほ党首などが挨拶した。近くで年金問題などの集会を開いていた全労連の西川副議長も連帯挨拶に駆けつけた。
当面、有事法制に反対する市民や労働組合の行動は、5月21日の明治公園での集会(市民緊急行動、宗教者ネット、キリスト者ネット、陸海空港湾労組20団体など)、28日の日比谷野外音楽堂での集会(平和フォーラム、市民緊急行動など)、6月4日の行動(市民緊急行動、宗教者ネット、キリスト者ネット、陸海空港湾労組20団体)など目白押しで予定されている。国会の力関係はきわめて不利だが、私たちはあきらめずにこれらの行動を貫徹し、法案の廃案を求めていきたい。あわせてこれらの行動のなかで、力を蓄え、たとえ有事法制が成立したとしてもそれを「発動させない」運動、「戦争協力を拒否する運動」へとつないでいきたい。22日の小泉首相の2回目の平壌訪問で事態は大きく流動する。私たちは北東アジアの平和を求めて、戦争責任や拉致問題などを含む過去精算問題を解決し、日朝国交正常化をなし遂げるため努力しなければならない。憲法の改悪を阻止するという戦後最大の政治闘争は、これら一つひとつの当面する課題を闘っていく中でこそ、勝利を実現する力がつくられる。その意味で本格的な改憲阻止闘争はすでに始まっている。反戦平和の課題を広範な人びとと共に取り組みながら、私たちはかならず憲法改悪を阻止するための広範な結集体制を作り上げなくてはならない。(高田 健 5月19日記)
今年の東京での「2004年5・3憲法集会」は時おり降る小雨模様の天候のなか、会場の日比谷野外大音楽堂の通路まで埋め尽くす5,000人のみなさんの参加と、その熱気で大きく盛り上がりました。早くから入場を待って門前に並んでいる方々のために、予定の開場時間を30分繰り上げました。午後1時30分からのプレコンサートは「うたごえ合唱団」のみなさんの迫力ある大合唱。司会の大原穣子さん(女優・方言指導者)の進行で、主催者挨拶は市民連絡会の高田健さん、シンガー・ソングライターの横井久美子さんの元気の出る音楽と、小泉純一郎に扮したザ・ニュース・ペーパーのコントがあり、爆笑を誘いました。
続いて各界からの発言は、中学生の菱山さん、日本キリスト教協議会の鈴木さん、東京地婦連の水野さん、航空労組連絡会の内田さん、杉並の教育を考えるみんなの会の丸浜さん、東京北部地域の中尾さんが、それぞれ挨拶しました。リレートークはイタリアと韓国の平和団体からのゲストと、社民党の福島さん、共産党の志位さんです。
そのほかノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュー・トゥムさん、オスカー・アリアスさんらのメッセージが紹介されました。ポスター・ロゴマークの審査発表もあり、集会アピールも採択しました。
集会後のパレードは「生田卍とSOSO」のみなさんの演奏のなか出発、子どもたちや中学生らが手にした大ピース旗(虹旗)を先頭にして銀座を歩きました。 以下は、当日の主な発言要旨です。