2004年5月3日憲法集会

2004年5・3憲法集会へのメッセージ(リゴベルタ・メンチュー・トゥムさん)

世界中すべての国の憲法が、好戦主義の悲惨な結末を体験した日本で制定されている戦争放棄、平和維持の条文を取り入れるべきです。それは世界の宝なのです。日本政府は第2次世界大戦後、同じような悲劇を繰り返さないために戦争犠牲者を追悼し、平和で調和のある生活を国民に保障する集団的資産として、憲法第9条を定めました。

しかし、非道徳的で不法・非合理なイラク侵略への日本政府の支援は、日本と世界の宝である憲法第9条の精神を脅かしています。軍事力を盾に、日本政府は憲法に違反しているだけでなく、アジアの愛すべき国、日本を再び暴力の狂気の渦に巻き込む危険な道筋をたどっています。

憲法記念日にあたり、私は日本社会に住むすべての人びとに対し、憲法第9条を守るよう呼びかけます。日本の将来は、戦争放棄という重大な原則を守るか否かによって大きく左右されるでしょう。

この第9条を守ることは、テロリストと呼ばれる人びとの思惑に追従するものではなく、人類の基本的価値を守り、平和を求める多くの人びとの声を代弁するものです。平和は兵器により達成されるのではなく、尊重、平和的共存、合法性、社会正義を根拠としています。

イラクや他国での暴力がエスカレートする現在、憲法第9条改悪により日本は、犠牲者のほとんどが市民となる攻撃に身をさらすことになるでしょう。

勇気ある日本国民は何度も戦争に反対してきました。こうした姿勢が今後も続き、政府がその声に耳を傾け、憲法をすべて尊重するよう、私は願っています。

Rigoberta Menchu Tum
リゴベルタ・メンチュー・トゥム
グァテマラの人権擁護活動家
先住民族の人権・文化の尊重を訴える
1981年メキシコに亡命
1992年ノーベル平和賞受賞

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