国民投票法改正案 野党側 採決前提の審議には応じず
2020年5月20日 14時58分
与党側が今の国会での成立を目指す国民投票法改正案について、立憲民主党など野党側は、新型コロナウイルスの対応に集中するべきで、採決を前提とした審議には応じない方針を確認しました。 衆議院憲法審査会で継続審議となっている国民投票法改正案について、自民・公明両党は19日、幹事長と国会対策委員長らが会談し、「結論を出すべきだ」として今の国会で成立を目指す方針を確認しました。
これを受けて、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党などは、20日午前、国会対策委員長が会談し対応を協議しました。
そして、改正案の議論は全く深まっておらず、審議時間も不十分で、新型コロナウイルスへの対応に集中するべきだという認識で一致し、採決を前提とした審議には応じない方針を確認しました。
このあと、立憲民主党の安住国会対策委員長は自民党の森山国会対策委員長と会談し、こうした考えを伝えました。
安住氏は、記者団に対し「国民投票法を充実させる議論には喜んで臨むが、憲法改正の一里塚の国民投票法を急いで採決することは非常識極まる話だ。検察庁法を諦めたら今度は憲法と、国民が望んでいないものを押しつけてくることに憤っている」と述べました。
自民 森山国対委員長「審議進めば採決するのは当然」
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「審議が進んでいけば採決するのは当然のことだが、安住氏は、採決を前提とした話には反対だということだった。憲法審査会を開いて、国民投票法改正案の審議をすることには異論はないのだろうと思う」と述べ、審議を進め、今の国会で成立を目指す考えを示しました。
国民 玉木代表「対案のめば議論応じる」
国民民主党の玉木代表は、記者会見で「そもそも不要不急だ。政党によるテレビ広告の規制などを盛り込んだ、わが党の対案を無視した、ご都合主義の憲法審査会の開催ならば納得できない。対案を丸のみするなら、いくらでも議論に応じるので、そ上に載せてもらいたい」と述べました。
共産 穀田国対委員長「新型コロナに乗じ火事場泥棒」
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「新型コロナウイルスに乗じた火事場泥棒だ。ウイルスの感染拡大による『緊急事態』にひっかけて、『緊急事態条項』の新設について議論するのはいいかげん極まりない。憲法審査会を動かすわけにはいかない」と述べました。
社民 福島党首「審議する必要ない」
社民党の福島党首は記者会見で「新型コロナウイルスの感染拡大で、国民がせっぱ詰まっている中、憲法改正の発議をいつでもできるように、国民投票法の改正案を成立させようというのは、国民の命や暮らしを考えていない。自分たちのやりたい政治だけをする政府・与党はおかしく、審議する必要はない」と述べました。