国民投票法の改正案 初の実質審議 衆議院憲法審査会

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国民投票法の改正案 初の実質審議 衆議院憲法審査会

2020年11月26日 16時30分

憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案は、衆議院憲法審査会で、初めての実質的な審議が行われ、自民党が、速やかな採決を求めたのに対し、立憲民主党は、広告規制なども含め、さらなる議論が必要だと主張しました。

憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案は、投票の利便性を高めるため、おととしの通常国会に提出されましたが、実質的な審議が行われないまま、継続審議となっています。

26日開かれた衆議院憲法審査会では、与野党による自由討議のあと、改正案に関する初めての実質的な審議が行われました。

この中で、自民党の新藤 元総務大臣は、「ようやく審議に入ることができ歓迎したい。内容にほぼ異論のないものが、8国会を経て、まだ採決に至らない状況は憂うべきことだ。与野党合意の中で、可及的速やかに採決をお願いしたい」と訴えました。

このあと、日本維新の会が、改正案の速やかな採決を求める動議を提出し、与野党で取り扱いを話し合うことになりました。

また、審査会の次の定例日となる来月3日を含め、今後の審議の日程についても、与野党で協議が行われる見通しです。

これに対し、立憲民主党の奥野総一郎氏は、「国民投票法は、CM規制などとあわせた改正が必要だ。インターネットの広告規制も検討すべきで、腰を落ち着けて抜本改革を目指すべきだ」と主張しました。

改正案をめぐって、自民・公明両党と日本維新の会は、速やかな採決を求めていて、国民民主党も採決に応じる構えをみせていますが、立憲民主党と共産党は、さらなる議論が必要だと主張していて、与党内では、12月5日までの今の国会での成立は困難だという見方が出ています。

国民投票法のこれまでの経緯

平成19年に成立した国民投票法は、憲法改正の際に行う国民投票の仕組みや手続きなどを規定しています。

その後、平成26年には、国民投票の投票年齢を18歳以上に引き下げることなどを定めた改正法が成立しました。

そして、おととし、平成30年6月に、自民・公明両党や日本維新の会などが、投票の利便性を高めるため、さらなる改正案を提出しました。

改正案は、公職選挙法に合わせて、国民投票も、事前に決められた投票所以外でも投票可能な「共通投票所」を、駅の構内やショッピングセンターなどに設置できるようにするほか、船の上での「洋上投票」の対象を、遠洋航海中の水産高校などの実習生にも拡大することなどが盛り込まれています。

改正案は、提出後、衆議院憲法審査会で趣旨説明が行われましたが、野党側からは、投票を公正に実施するため、政党などによるテレビ広告の規制も議論すべきだという意見が出されました。

また、自民党が、「自衛隊の明記」など4項目の改正案を審査会に提示する姿勢を示したことに野党側が反発するなど、与野党の協議が整わず、実質的な審議が行われないまま、継続審議となっていました。