衆院憲法審査会、国民投票法改正案など議論 菅政権発足後初の自由討議

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衆院憲法審査会、国民投票法改正案など議論 菅政権発足後初の自由討議
2020年11月19日 20時14分
 衆院憲法審査会は19日、菅政権発足後初めての実質的な憲法論議となる自由討議を行った。継続審議となっている国民投票法改正案を巡っては、与党が早期成立を主張。立憲民主党などは反対したが、国民民主党は条件付きで採決を容認した。日本学術会議の新会員任命拒否問題を受け、学問の自由を保障するよう求める発言もあった。

 自民党の新藤義孝氏と公明党の北側一雄氏は、駅や商業施設に「共通投票所」の設置を認めるなど7項目を見直す国民投票法改正案について、主な野党にも異論はないなどと指摘し、採決に理解を求めた。
 これに対し、立民の辻元清美氏らは今月1日に実施された大阪都構想の住民投票を踏まえて、国民投票運動の期間中に放送されるテレビCMなどの規制も並行して議論すべきだと主張。投票日当日の運動の制限や、国民投票で否決された改憲案を再び発議するまで一定期間空けることの是非も検討課題になるという認識を示した。
 一方、この臨時国会から野党統一会派を離脱した国民の山尾志桜里氏は、CM規制などの議論を速やかに行うことを条件に与党の採決提案に応じる姿勢を示し、野党の対応が分かれた。
 共産党の赤嶺政賢氏は、自民党が自衛隊明記など改憲4項目の条文化作業を進めていることに強く反発。日本学術会議問題に触れ、菅政権を「憲法で保障された基本的人権を蹂躙する政治」と断じた。
 衆院憲法審は26日も自由討議を行う。(川田篤志)
◆衆院憲法審査会の自由討議の要旨
 新藤義孝氏(自民) 投票環境の整備を行う国民投票法改正案はCM規制など別の論点を議論するためにも速やかに(審議の)手続きを進めるべきだ。憲法改正の議論を国会で深めてほしいという国民の声に応えるため、与野党を超え憲法論議を深めていくべきだ。
 山花郁夫氏(立憲民主) 大阪(都構想)の住民投票でCMの量は公平だったと言えるか。法的規制は不要と考えるのは難しい。同一テーマの国民投票に一定のインターバルを定める議論があってもよい。
 北側一雄氏(公明) 商業施設などに共通投票所を設けるなど国民投票法改正案の7項目について各党に異論はない。速やかに成立を図るべきだ。成立したから一気に憲法改正に進むわけではない。
 赤嶺政賢氏(共産) 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人を任命拒否したこの違憲なやり方に対する批判は広がっている。任命拒否を撤回すべきだ。憲法で保障された基本的人権を蹂躙(じゅうりん)する政治を正し、現実に生かすための憲法議論こそ必要だ。
 足立康史氏(維新) 国民投票で過半数の賛成を得ることは容易ではないことを大阪都構想の住民投票を通じて痛感した。大阪で何が起こったか明らかにすることは憲法改正の国民投票の公正な実施にも資する。国会で検証すべきだ。
 山尾志桜里氏(国民民主) 国民民主党は年内にも新憲法改正草案の要綱で論点や具体策を示し、議論の活性化に役立てたい。CMやネット広告の規制、外国人の寄付規制など必要な議論の場を確保し、必要な改正が行われるなら、7項目の先行採決に応じる。
 石破茂氏(自民) 憲法審を頻繁に開催し、北海道から沖縄まで全国各地で行うことが必要。可能な限り多くの党の賛成が得られるものは何かを考えるべきだ。
 大串博志氏(立民) 社会の分断があおられがちな時代背景を踏まえれば、憲法審でも融和をより意識した運営が必要になってきている。国民投票法にはCM規制などの問題があると新藤氏も認めている中で7項目だけ先に(改正する)というのは理屈に合わない。
 船田元氏(自民) CMを法的に規制することは表現、報道の自由に抵触する可能性もある。憲法改正の発議と同時に国会に置かれるはずの広報協議会に監視してもらい、公平性、公正性を担保することが現実的ではないか。
 中川正春氏(立民) 憲法の何を論じるか、改正が必要だとすればどの項目から論じるかという各党の合意を作っていかなければ次のステップには行けない。与野党の信頼関係が崩れている限り、前には進まない。
 鬼木誠氏(自民) 憲法審を動かすべきでないとの発言も一部あったが、民主主義は議論することから始まる。議論すら否定するのは国民の代表、立法府として責任を果たしているとは思えない。
 辻元清美氏(立民) 国論を二分するような問題は国民投票になじまない。議会のコンセンサスが取れなかったから国民に決着させようというのは、国民を戦わせることになり、社会の分断を招く。