臨時国会 自民改憲案急ぐ 体制一新で強引審議も

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201810/CK2018102002000145.html

臨時国会 自民改憲案急ぐ 体制一新で強引審議も

2018年10月20日 朝刊

改憲推進へ体制を一新した自民党が、二十四日召集の臨時国会で党の改憲条文案を提示する目標に向けて本格的に動き始めた。これまで衆参両院の憲法審査会では野党との協調を比較的重視してきたが、路線転換して強引に議論を進める可能性もある。安倍政権による改憲に反対する野党は、国民投票法改正の議論を優先するよう求め、対抗する構えだ。 (清水俊介)

「憲法審査会を定期的に開けるよう、協力をいただきたい」

自民党憲法改正推進本部の下村博文本部長は十九日、公明党の北側一雄憲法調査会長と国会内で会い、改憲条文案を臨時国会で憲法審に提示したい意向を伝えた上で、憲法審の開催に協力を求めた。

衆院憲法審の自民党幹事らも同日、初顔合わせし、臨時国会で条文案提示を目指す方針を確認した。

自民党は先の通常国会で条文案提示を目指したが、野党が反発。衆院憲法審の与党筆頭幹事だった中谷元氏らは野党との協調を重視し、強引に審議を進めることはしなかった。

これを踏まえ、安倍晋三首相(自民党総裁)は先の党人事で、側近の下村氏を同本部長に起用。衆院憲法審の与党筆頭幹事も中谷氏から首相に近い新藤義孝氏に替わり、「改憲推進シフト」と受け止められた。仕切り直しの場となる臨時国会で、憲法審の自由討議で条文案提示を目指す。

立憲民主党などの野党側は、自民党の体制一新に警戒を強めている。共通投票所の導入などを柱とした国民投票法改正案が衆院で継続審議となっていることから、自由討議の前に、この議論を求める立場だ。

さらに、国民投票のテレビCM規制も優先議題としている。国政選挙ほど規制がない現行の国民投票制度は資金力のある政党が有利とされ、野党側は「欠陥を埋めなければ国民投票はできない」(立民の枝野幸男代表)と訴える。

自民党内には、安倍色が強い陣容に反発して野党が憲法審の審議に応じないとの見方もある。下村氏は今のところ「協調路線を図る」としているが、最終的に与党や改憲に前向きな野党とだけの審議に踏み切り、条文案を提示する可能性も否定できない。

沖縄タイムス社説[臨時国会と改憲]急ぐ理由どこにもない

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/328169

沖縄タイムス社説[臨時国会と改憲]急ぐ理由どこにもない
2018年10月11日 10:25

内閣改造後初めての臨時国会が今月下旬、召集される。 政府は、西日本豪雨や北海道地震などに対応するため、補正予算案を提出し、早期成立をめざす方針だ。

自民党総裁選で憲法改正への意欲を繰り返し明らかにしてきた安倍晋三首相が執着しているのは、自民党がまとめた憲法改正案の提出である。

首相本人が前のめりになればなるほど野党は反発し、国民は警戒する。与党の中でさえ合意形成は進んでいない。

自民党総裁選では、石破茂・元幹事長との考え方の違いが表面化した。衆院憲法調査会の幹事を務める船田元氏は首相の姿勢に「同調できない」として総裁選で白票を投じた。

自民党は当初、公明党と事前調整を進める意向だったが、山口那津男代表は「憲法審査会での議論が基本」だと主張し、与党協議を否定した。

創価学会の中には9条改憲に対する警戒心が強い。沖縄県知事選で問われたのも「平和の党」としての存在意義だった。

各種世論調査でも憲法改正の優先度は極めて低い。共同通信社が9月に実施した世論調査では、臨時国会への党改憲案提出に51%が「反対」と回答した。

安倍首相の姿勢が改憲の「私物化」だと批判されるのは、こうした状況を無視して強引に改憲を進めようとしているからである。

改憲を発議するのは国会であって首相ではない。首相が気負って旗を振れば振るほど「安倍改憲」への疑問と懸念は深まるばかりだ。

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一体、どのような深謀遠慮が働いているのか。

安倍首相は、臨時国会に自民党の憲法改正案を提出し、来夏の参院選前に国会発議するスケジュールを描いていたといわれる。

党役員人事で安倍首相は、側近の下村博文・元文部科学相を党改憲本部長に起用するなど改憲シフトを敷いた。

だが、憲法改正原案を臨時国会に提出するのは現状では不可能である。

首相が考えているのは、衆参両院の憲法審査会に4項目の自民党改憲案を提示し、その中で与野党が協議し、必要があれば一部修正をした上で、憲法改正原案を策定する、という流れだ。だが、立憲民主党などの野党は、こうした手順にも反対している。

間違っても、来年の参院選前に発議したり、参院選と同時に国民投票を実施するというような、強引な改憲が行われてはならない。

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臨時国会では、憲法改正の手続きを定めた国民投票法改正案をめぐっても、激しい議論が展開されそうだ。

現行法は、投票日の2週間前まではテレビやラジオの広告・宣伝のためにいくら金を使っても構わない仕組みになっている。資金量を誇る改憲派が有利なのは明らかだ。

憲法9条の1項、2項を維持した上で新たに自衛隊を明記する改憲案は、成立したあと、憲法解釈がとめどなく広がっていく可能性が高い。

改憲をめぐる問題はあまりにも多く、首相の意向で改憲を急ぐのは極めて危うい。

小泉元首相「憲法改正なんか、できるわけない」

まっ、そうおもいますがね。
https://www.asahi.com/articles/ASLB86309LB8UTFK11G.html

小泉元首相「憲法改正なんか、できるわけない」

2018年10月8日18時47分

総理が「原発をゼロにしよう」と言えば、野党も協力できる、国民も支持する。自然エネルギーを活用して日本を発展させる方針を立てるべきなのに、なんで立てないのか。できることをやらない。

憲法改正なんかできるわけない。(安倍晋三首相は)自民党案をまとめて、来年の通常国会に出そうと言う。憲法改正というものは与党、野党が協力してやらなきゃ。憲法改正は選挙の争点にしてはいけない。野党第1党と協力してね。できないことをやろうとしている。(BS朝日の番組収録で)