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衆議院: 2013年5月アーカイブ
衆院憲法審査会幹事懇談会が異例の運営
- 2013年5月30日 17:35
- 衆議院
次回の衆議院憲法審査会の日程が決まりました。
今日30日、幹事懇でいわゆる「3つの宿題」について政府ヒアリングと議論を3時間程したそうです(これはどういうことでしょう。主権者をシャットアウトして議論の粗ごなしをしたということでしょうか)が、来週は審査会の場で改めてヒアリングと討議をするという流れです。
日時:6月6日(木)08:50幹事会 09:00審査会(所要3h)
場所:18委員室
議題:「3つの宿題」について説明聴取及び自由討議(対政府自由質疑含む)
?選挙権年齢・成年年齢の18歳への引き下げ(衆法制局、内閣官房、総務、法務、文科)
?公務員の政治的行為の制限と国民投票運動(衆法制局、人事院、総務)
?国民投票の対象拡大(衆法制局)
以下、ツイッターで書いたものを貼り付けます。
●憲法審査会の始動自体が「改憲手続き法」違反だとの我々の指摘は、「蛙の顔に××」で、各党に全く届かない。 こういう法律違反を同法を決めた各党自身がやっている。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130531-00000104-san-pol ... 3つの宿題、議論開始 「18歳以上」は成年? 各党隔たり
●改憲手続き法の「3つの宿題」について、メディアが真剣に分析しているとは思われない。批判が皆無なのは、残念だ。わかりにくいことだが、同法によれば、審査会の現状自体が違法だということがほとんど問題にされない。国会の多数派の強引な運営がまかり通っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130531-00000104-san-pol
産経新聞 5月31日(金)7時55分配信
3つの宿題、議論開始 「18歳以上」は成年? 各党隔たり
国民投票法付則にある3つの宿題(写真:産経新聞)
衆院憲法審査会(保利耕輔会長)は30日、幹事懇談会を開き、改憲に必要な国民投票法が結論を出すよう求めている「3つの宿題」に関する議論を開始した。最大の焦点は国民投票の対象年齢を「18歳以上」にすることだ。成年年齢や投票権を「20歳以上」としてきた日本の仕組みの見直しにもつながり、「18歳以上」の対象範囲をめぐり各党さまざまな主張が噴出した。
国民投票法は、憲法改正発議後の国民投票の対象について、3条で「日本国民で年齢満18年以上」としている。ただ付則で、公職選挙法や民法を改正するまでの経過措置として「20歳以上」に据え置くとしている。
懇談会では、改憲に反対する共産党を除く各党が早期に「宿題」を解決する方向性で一致した。
このうち、自民党の船田元氏は「18歳以上」は国民投票の投票年齢だけにとどめ、公選法や民法の改正は先送りすべきだとの考えを示した。
自民党憲法改正推進本部は昨年夏の時点で「18歳以上」は国民投票だけにすることを決定、残る2つの宿題についても解決を先送りにする方針を確認している。これには「憲法改正の障壁を一気に取り払い、すぐにでも国民投票法を動かすことのできる環境を整える」(政調幹部)という狙いがある。
日本維新の会の馬場伸幸氏も、国民投票の投票年齢だけを18歳以上とするための国民投票法改正案を今月半ばに単独で提出していることを紹介した。
これに対し、公明党は「公選法の投票年齢も成年年齢も一緒に18歳以上にした方がよい」との立場だ。民主、みんな、生活の各党は具体的な見解を示さなかった。
公務員の政治的行為の制限に関しては「緩和」の方向で各党がほぼ一致した。国民投票を憲法改正以外の用途にも活用するかどうかについては、自民党などは「対象を過度に広げるべきではない」とし、民主、みんな両党は原発設置・稼働や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など国政の重要課題にも活用すべきだと表明した。
安倍晋三首相は5月1日、「国民投票法の宿題をまずやりたい」と記者団に強調した。自民党は公明党や維新などと調整した上で同法改正案を秋召集予定の臨時国会に提出、早期成立を目指す考えだ。
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誤解を招きやすい記事?産経
- 2013年5月30日 12:09
- 衆議院
本日(30日)は衆院憲法審査会は開かれなかった。たしかに記事は「30日に幹事懇談会」を開くと書いているから、間違いではないが、この見出しだと、審査会が開かれると読める。実際の所、私たちは本日、傍聴の準備をしていたが、昨日、笠井亮事務所(共産党)から、「明日は審査会は開かれない」との連絡があり、急きょ、傍聴の中止の案内を出したところだ。先般、読売新聞も30日から審議に入るという記事を出した。まぎらわしいですね。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130529/plc13052923130023-n1.htm
【衆院憲法審査会】30日から「3つの宿題」議論
2013.5.29 23:12
衆院憲法審査会(保利耕輔会長)は30日に幹事懇談会を開き、国民投票法が結論を出すよう定めている成年年齢の18歳以上への引き下げなど「3つの宿題」に関する議論を始める。安倍晋三首相は憲法改正の妨げとなる「宿題」の解決を最優先課題としている。
「3つの宿題」は、(1)公職選挙法の投票年齢や民法の成年年齢などを国民投票と同じ18歳以上へ引き下げる(2)公務員の政治的行為の制限緩和(3)国民投票の対象を憲法改正以外に拡大?の3点の是非に結論を出すよう求めている。
自民党は3つの宿題をクリアするため、秋の臨時国会に国民投票法改正案を提出する方針で、公明党も同調する意向だ。民主党は対応が定まっていない。日本維新の会は今月、付則により20歳以上に据え置かれている国民投票の投票年齢を18歳以上とする同法改正案を単独で提出している。
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5月29日、参議院憲法審査会は「新しい人権」の議論
この日は市民連絡会の傍聴申し込みは13人。衆参と毎週では傍聴も疲れ、十分に対応しきれない。
5月29日(水)午後、参議院憲法審査会。テーマは「新しい人権について」、参考人を招いて、質疑。参考人は高橋和之(明治大学法科大学院教授)、土井真一(京都大学大学院法学研究科教授)。
冒頭に参議院憲法審査会の清野事務局長が、参議院憲法調査会での「新しい人権についての調査報告書のまとめ」を報告し、その後、2人の参考人から各15分ずつの報告(高橋氏「人権総論の基本的考え方」、土井氏「新しい人権(基本的人権全般)」)の後、各委員から10人ほどの自由質疑があった。
清野事務局長の報告は、憲法調査会では「新しい人権については、憲法の保障を及ぼすべき」という点でおおむね共通認識があった。趨勢としては自公民3党の共通意見では新しい人権(プライバシー権、環境権)を憲法上、明記すべきという意見だったが、他の党からは13条、25条などの包括的規定から読み取るべきで、改憲の必要なしという意見があった。知る権利、自己決定権、生命倫理、知的財産権、犯罪被害者の権利などは憲法に明記すべきと言う意見があったが、趨勢とはならなかった、という報告があった。
2人の参考人からは立憲主義について説明があり、とくに「個人の尊重」規定の重要性が強調された。新しい人権については、憲法に書くかどうかの話は、徹底して立法措置で対応努力した後の話であり、そのうえで「書き込むべき新しい人権はないだろう」(高橋)、「書き加えることがでてくるなら検討すべき」(土井)という意見だった。なんとなく、憲法審査会の改憲派の立場を考えた遠慮がちな発言に聞こえたのは、筆者の深読みしすぎだろうか。
委員の質疑では井上哲士委員(共産)が安倍首相や自民党などにある「立憲主義は古い時代のもの」についての批判がだされ、参考人からは「権力制限規範の点に於いてはかつても、今も同じ」という指摘があった。福島瑞穂委員(社民)からは自民党改憲草案の「99条に国民の憲法尊重擁護義務をいれたり、基本的人権の制限にはしる動き」への批判があり、高橋氏からは「現行99条は立憲主義にかなったものだ」との意見があった。桝添要一委員(改革)からは「自分が関わった自民党の2005年草案では『個人』としていたのに、2012年案では『人』となっているのは正しくない。感情論で『人』としているのではないか」と当時自民党改憲案作成の事務局長を務めていた桝添氏ならではの批判があった。高橋委員は欧州では「人間の尊厳」と書くが、日本は「全体と個人の歴史問題がある。個人という表現には意味がある」と指摘した。
これらに片山さつき委員(自民)が「自民案は前文に基本的人権の保障をいれたように、人権を尊重している。また『公の秩序』をいれたことは反社会的行為を取り締まろうとする意図など持っていない」と反論した。
高橋氏は「表現を変えた意味がはっきりしないと議論にならない」と指摘した。
次回は6月5日に小林節慶応大学教授らを招いて、96条などの議論がある。
明日の衆院憲法審査会は幹事懇談会のみ。読売の報道で流れているように自民党は「3つの宿題」をやりたい意向。
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東京新聞報道: 「3つの宿題」ようやく議論 衆院憲法審
- 2013年5月28日 10:22
- 衆議院
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013052802000123.html
「3つの宿題」ようやく議論 衆院憲法審
2013年5月28日 朝刊
?
衆院の憲法審査会は近く、改憲に必要な国民投票法で積み残しとなっている、選挙権年齢の見直しなど「三つの宿題」の議論に入る。改憲を政治日程に載せたい自民党は、参院選後の秋の臨時国会を見据え、法改正に向けた環境整備を進めようとしている。 (岩崎健太朗)
三つの宿題は、(1)国民投票年齢(十八歳)に合わせた選挙権年齢などの引き下げ(2)改憲の賛否などをめぐる公務員の意見表明の容認(3)予備的国民投票の是非?の検討課題。法律の制定時に与野党で結論が出ず、法律の付則に盛り込まれた。
安倍晋三首相も「宿題を埋めないと(改憲発議要件を緩和する)九六条を改正するための国民投票自体ができない」と強調する。
最大の焦点は、現在「二十歳」の成人年齢や選挙権年齢の引き下げだ。二○○七年に成立した国民投票法では、それぞれの年齢要件を一致させるべきだとして付則に「二〇一〇年五月の法施行までに必要な法制上の措置を講じる」としたが、手つかずのままで、事実上の違法状態だ。
とはいえ「十八歳」への引き下げは、関連法令が三百以上に上り、社会的混乱を避けるための準備期間も必要。自民党は「宿題」に取り組んでいては「改憲論議の足かせとなる」(閣僚経験者)として、国民投票の投票年齢を「十八歳以上」で確定させた上で、選挙権年齢などはさらに棚上げする法改正を検討している。
ほかの二つの宿題も先送りする方針だが、連立を組む公明党も「改憲の本質的な問題ではない」と足並みをそろえる考えだ。
一方、日本維新の会は十六日に単独で提出した改正案で、投票年齢を「十八歳以上」で確定させるとともに、「公務員の政治的行為の緩和」も盛り込んだ。民主党は明確な対応を決めてないが、法案審議の過程で「三つの宿題」の解決を求めてきた経緯があり、自民党の改正案そのままでは受け入れがたい事情がある。
自民党としては参院選の結果、衆参両院ともに与党で過半数を占めることができれば、改正案の成立は確実。ただ、党憲法改正推進本部長代行の船田元氏は「無理をすれば現実の改憲が動かなくなる。焦らず各党と議論すればいい」と慎重だ。
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東京新聞のまとめ/自公の溝 くっきり 衆院憲法審 検証ひと区切り
- 2013年5月27日 11:42
- 衆議院
東京新聞によるこの間のまとめです。
だいたい良くできていると思います。(高田)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013052702000118.html
自公の溝 くっきり 衆院憲法審 検証ひと区切り
2013年5月27日 朝刊
?
衆院憲法審査会は今年三月から始めた現行憲法の章ごとの検証をひと通り終えた。論点整理を通じ、連立政権を組む自民、公明両党の距離や、日本維新の会、みんなの党など改憲勢力の中の方向性の違いが浮き彫りになった。 (岩崎健太朗)
「党の改憲草案を用意したことで議論が活発になり、雰囲気が以前とだいぶ変わってきた。(改憲の発議に必要な)三分の二以上も見えてきたと思う」
自民党憲法改正推進本部長代行の船田元氏はこう議論の手応えを強調した。公明党の斉藤鉄夫氏も「党内で加憲の具体案を詰める上で、大いに参考になった」と述べた。
しかし、こうした評価とは裏腹に、審査会の議論を通じ、自公両党の憲法に対する「立ち位置」の違いが鮮明になった。自民党が重視する九条改憲の中身に、公明党は「(党内では)集団的自衛権の行使は認めるべきではないとの意見が大勢だ」と反対する姿勢を強めた。
斉藤氏は、自民党が改憲案で外国人への地方参政権付与を禁じていることにも「公明党は(相手国と同じ権利を与える)相互主義の立場だ。外国ではほとんど地方レベルの選挙権が付与されており、選挙権の付与には一定の論拠がある」と反論した。
安倍晋三首相が九六条改憲に向け「多数派を形成する上で協力を求めたい」と呼び掛けた日本維新の会、みんなの党とも、改憲の優先順位が異なることが明らかになった。
両党は統治機構改革に向け「一院制」「首相公選制」「道州制」を改憲項目に掲げるが、自民党の改憲草案には盛り込まれていない。逆に、与党が前向きな環境権の新設には、維新の一部から「中身がまだよく見えない」という声が漏れる。
みんなの党に至っては「改憲の前に政治、官僚制度改革などやるべきことがある」と、拙速な改憲に待ったをかけてきた。「美しい国、強い日本といった見た目のよい衣の陰に、国防軍などのやいばを隠した戦時下の国家体制を賛美する勢力とは根本的に異なる」(畠中光成氏)と、自民党が目指す改憲との違いを際立たせ始めた。
審査会は委員五十人のうち、自民党の委員が三十一人を占めるが、空席が目立った。二十三日の審査会で共産党の笠井亮氏は「議論が必要だと言っておきながら委員が出ない。こちらは真剣だ」と自民党を批判した。
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5月23日、衆院憲法審査会、緊急事態条項など議論
- 2013年5月23日 13:36
- 衆議院
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130523/plc13052311280006-n1.htm
【衆院憲法審査会】
緊急事態条項に自民など5党賛成、共産反対、公明は賛否示せず
2013.5.23 11:26
衆院憲法審査会(保利耕輔会長)は23日午前、大規模自然災害やテロ、武力攻撃などへの対応を定める緊急事態条項について審議し、7党が見解を表明した。公明党は緊急事態条項の創設について賛否を明確にせず、共産党は反対した。自民党などその他の政党は創設に賛同した。
自民党の中谷元氏は「緊急事態に関しては章を起こして付け加えるべきだと考える。国民の生命、身体、財産の保護は国家のもっとも重要な役割だ」と表明した。民主党の山口壮氏は「(規定を)あらかじめ設けることで(緊急事態における)基本的人権の制限に歯止めをかける」と述べた。
また、日本維新の会の小熊慎司氏は「緊急事態の態勢を強化する方向で統治機構改革を推進すべきだ」と強調。みんなの党の畠中光成氏と生活の党の鈴木克昌氏も緊急事態条項の創設に賛成の立場を表明した。
一方、公明党の斉藤鉄夫氏は「党の中に両論がある。より踏み込んだ議論が必要だ」と述べるにとどまった。共産党の笠井亮氏は「外部から攻撃されない日本を作るのが憲法の要請だ」と述べ、反対論を展開した。
社民党は衆院憲法審査会に委員を出していない。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052301001227.html
緊急事態条項新設、自民が主張 衆院憲法審査会
2013年5月23日 12時06分
衆院憲法審査会が23日午前開かれ、日本有事や大規模災害など緊急事態に対処するための権限を政府に付与する条項新設の是非について、各党が意見表明した。自民党は緊急事態宣言に基づく首相の権限強化や国民の一部権利の制限を行う規定が必要だと主張。民主党、日本維新の会、みんなの党、生活の党が大筋で同調したが、公明党は慎重な議論を求めた。共産党は反対した。
自民党は「国家の危機管理は超法規で対応するのではなく、平素から権限と義務(の規定)を整備しておくべきだ」と強調。日本維新の会は想定される緊急事態として原発事故やテロ、新型インフルエンザの世界的大流行を挙げた。
(共同)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013052300677
緊急事態条項、5党が賛成=私権制限に懸念も?衆院憲法審
衆院憲法審査会は23日、大規模な自然災害やテロなど突発的事態に対処するため、一時的に首相の権限を強化する「緊急事態条項」を新たに憲法に設けるべきかどうかをめぐり討議した。自民、民主、日本維新の会、みんな、生活の5党が同条項の創設に賛成を表明。公明党は党内で賛否が分かれていることを説明し、共産党は反対した。護憲を掲げる社民党は委員を出していない。
自民党の中谷元氏は「党憲法改正草案では、緊急事態に対処する仕組みを憲法上明確にした」と表明。首相が国会の承認を得て緊急事態を宣言できるとし、法律と同じ効力を持つ政令の制定や緊急の財政措置を可能とすることを明記した同党の草案の内容を説明した。
民主党の山口壮氏も「事態に機動的に対処できない場合に備え、緊急事態に関する規定を置く」と同調。維新の小熊慎司氏は「緊急事態体制を強化する方向で統治機構改革を推進すべきだ」と述べ、みんなの畠中光成氏も「有事や大災害では平常時の法制の限界を超える」と足並みをそろえた。
ただ、緊急事態条項で想定される国民の私的権利制限には懸念も出された。中谷氏が「必要な範囲で制限もあり得る」と指摘したのに対し、山口氏は「基本的人権の制限に歯止めをかけ、行政権の乱用に対し国会による民主的統制を確保する」と主張。畠中氏も「システムが暴走しないよう、事前・事後の国会承認制度や国会による取り消し規定も設けるべきだ」と注文を付けた。
一方、公明党の斉藤鉄夫氏は緊急事態条項について、党内が「新たに盛り込むべきではないか」との賛成論と、「憲法には必要なく、法律上の措置で済む」との反対論に分かれていることを紹介するにとどめた。共産党の笠井亮氏は「憲法に緊急事態の規定を設ければ大規模災害に対処できるというのは、問題のすり替えだ」と反対する姿勢を示した。(2013/05/23-15:55)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130523/k10014792791000.html
憲法審査会 「緊急事態」で7党が意見表明
5月23日 16時23分
衆議院の憲法審査会で、今の憲法で規定されていない「緊急事態」を巡って、与野党7党が意見を表明し、自民党や民主党、日本維新の会などが大規模災害などに備えるために憲法で規定すべきだと主張したのに対し、公明党は慎重な検討を求め、共産党は反対しました。
衆議院の憲法審査会は23日、今の憲法に外国からの武力攻撃や大規模災害などを想定した「緊急事態」についての規定がないことを巡って、審査会に委員がいる与野党7党が意見を表明しました。
このうち、自民党は「わが党の憲法改正草案では、東日本大震災の反省を踏まえて、緊急事態に対処する仕組みを独立の章として規定した。いざというときに、超法規で対応するのではなく、平素から権限と義務を整備しておくべきで、国民の生命・身体・財産という大きな人権を守るために、やむなく他の人権が制限されることもありうる」と述べました。
民主党は「党としては、通常の体制では機動的に対処できない場合に備え、緊急事態に関する規定を置く方向だが、国民主権や基本的人権の尊重といった憲法の原理は維持すべきだ。非常事態であっても、基本的人権の制限に歯止めをかけて立憲主義を貫くべきだ」と述べました。
日本維新の会は「政府には緊急事態の対応を平素から検討する組織がなく、緊急事態のたびに各省庁の寄り合いの対策本部が設置されている。その背景には、緊急事態に関する規定が欠落しているという憲法上の欠陥があるので、規定をしっかりと憲法に明記すべきだ」と述べました。
公明党は「党内には両論がある。ミサイルやテロなどに対処するための規定を新たに盛り込むべきだという意見がある一方で、憲法に緊急事態の規定を入れてしまうと、ギリギリの段階まで通常の法律にのっとって対応する努力を放棄してしまうのではないかと危惧する意見もある」と述べました。
みんなの党は「憲法は自由と人権を守る最後のとりでとして機能しなければならず、緊急事態の規定を追加するのはそれを機能させるためだ。人権を制限する規定の追加は本来は望ましくないので、いかに抑制的なものにするかを第一に考えるべきだ」と述べました。
共産党は「外部からの武力攻撃に対処するために緊急事態の規定が必要だという主張もあるが、そうした事態を起こさせないために憲法があるのであり、憲法を生かす政治こそ求められている。大規模災害にあたっても緊急事態の規定ではなく、今の憲法を文字どおり生かすべきだ」と述べました。
生活の党は「時代の要請を踏まえ、国連の平和活動や緊急事態に関する条文を『加憲』することが基本的な考えだ。従来の法制度では、大規模テロなどで総理大臣を含むすべての大臣が欠けた場合も想定しておらず、そうした場合の臨時代理について憲法上の根拠規定を置くべきだ」と述べました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013052402000141.html
緊急事態条項 5党、新設に前向き
2013年5月24日 朝刊
?
衆院の憲法審査会は二十三日、緊急時に首相の権限強化などを定めた「緊急事態条項」を新たに憲法に設ける是非を議論した。自民、民主、日本維新の会、みんな、生活の五党は憲法に明文化すべきだとの考えを表明。公明党は「党内に両論ある」と説明し、共産党は新設に反対した。 (岩崎健太朗)
自民党の中谷元氏は、党改憲草案に緊急事態に関する章を新たに設け、武力攻撃や大規模災害などに際して、首相が緊急事態を宣言し、一定の人権を制限できると規定していることを説明。「非常時に超法規的な対応をするのでなく、平素から権限や義務を整備しておくべきだ」と訴えた。
中谷氏はその理由として「災害現場で車や家屋が散乱していても所有者を確認しないと動かせず、人命を救う時間的ロスになる」と指摘。「飛行機でも、乗務員や乗客の命を守るため、緊急時は機長の指示に従う」と主張した。
公明党の斉藤鉄夫氏は党内で賛否両論があるとし、「憲法に明文規定を入れると、法規にのっとって対応する努力を放棄する恐れがある」という慎重意見を紹介した。
共産党の笠井亮氏は「首相への権限集中で大規模災害に対処できるというのは、(震災以来)二年余り国会で議論してきた方向と違う。武力攻撃のような事態を起こさせないためにこそ、憲法を生かす政治が求められている」と、反対論を展開した。
東日本大震災の経験を根拠にして緊急事態条項の必要性を訴える発言には、条項の新設に前向きな自民、民主両党からも異論が相次いだ。
民主党の辻元清美氏は「現行憲法でできなかったことを突き詰めて考える必要がある。それまで原発事故を想定していなかった政治はどうだったのか」と指摘した。
自民党の葉梨康弘氏も「復興が遅れたのは政治の問題か、憲法の問題か。憲法に緊急事態条項があれば、今回の震災復興の助けになったのか精査する必要がある」と述べた。
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5月9日、衆議院憲法審、96条について議論
本日の憲法審査会、各紙報道を下段に貼り付けます。各紙報道はいつになく素早く、詳細です。96条だからでしょう。
市民連絡会は36人で傍聴。傍聴者は全部で50人近くになり、入れ替え方式になりそうだったが、結局、立ち席で、入れ替えはなかった。
会議室に入って驚いたことに、いつも空席ばかりの自民党委員席が27人(欠席は4人くらい)ほどでかなり埋まっている。この間、メディアなどでたたかれて、執行部がネジを巻いたに違いない。「やればできるじゃん!」と言ってやりたいほどでした。(^_^;)。 まっ、相変わらず、アホ口を開けてお眠りになっていた上杉センセイのような人もいましたが。
さて、本日の議論は問題の第96条。衆議院法制局からの説明の後の各党代表の発言では、自民、維新が先行改憲を主張、みんなの党は「安倍首相にみんなの党は賛成していると言われたが、誤解だ。96条改憲の前に政府機構改革をやるべきで、そうでないなら賛成できない」と表明。民主、公明は慎重論、共産と生活(改憲には反対しないが96条先行改憲には反対)は反対論だった。
自民党の船田一幹事は「改正手続きで国会の3分のとしている国の多くは国民投票がない。最低投票率を設けるとボイコット運動の危険がある。東京の過半数にすると、無効投票が反対に数えられて不当」などなどが目立った意見だが、以下のような発言も重要だ。「現行憲法を全面破棄して新憲法を制定することができないなど、改正の限界というのは明らかに存在している」「今後の憲法改正の道筋を考えますと、変えるべき条項を1回で全て改正するということは不可能であり、改正手続を何度か繰り返す必要があると考えています。そのためには、あらかじめハードルを下げておく必要があり、先行改正の合理性はあると考えております。しかし、国民の多くは改正のための改正と受けとめる嫌いがあり、改正の方向性に対する懸念から、投票率が低くなったり、過半数をとれなくなったりする可能性も否定できないと思っております。理想を言えば、96条の改正要件の緩和と同時に、各党間で合意の得られやすい項目、例えば環境権を加えるなど、幾つかの改正項目をセットにして発議するということが望ましいと私個人は思っておりますが、それが無理であるならば、せめて、各政党が考える憲法改正の方向性を示す、あるいは改正しない方向を示して、国民の不安を払拭しておく、こういう努力をすることは私は必要であると思っております。」ここには、憲法改正発議を何回かに分けてやる構想、96条と環境権などをセットで発議する構想などが語られている。
民主党の武正幹事は「憲法は権力制限規範だというのが民主党の基本的立場だ。最近の安倍首相の改憲発言は、第一次安倍内閣当時の国民投票法の強行採決を彷彿とさせる。」と述べた点に注目した。
維新の会の坂本委員は「3分の2規定があるため、国民投票にならない」などというもの。
公明党の斎藤幹事は「96条先行論は賛成できない、内容と主に議論すべきだ」などといいつつ、加憲論と、3分の2は条項によって緩和もあり得るという同党の意見の表明。
みんなの党の畠中委員は「96条要件緩和は閉塞感の克服につながる。96条改憲の前にやるべき琴がある。安倍発言は誤認だ。統治機構の改革の約束なしに96条改憲に同調しない。国防軍などの立場は違う」
共産党の笠井委員は「権力制限規範だ。石破氏は9条改憲を念頭に置けと言っている、国民を愚弄するものだ。日本の憲法だけが特別に難しいわけではない。最近、米国の法学者たちの研究が日本の憲法の先進性を高く評価したことは注目に値する。日弁連の声明や小林節氏らが96条改憲に反対している」、この一部を少し詳しく紹介すると、「今、憲法改定の第一歩として、この96条を改定し、改憲の発議要件を各議院の総議員の過半数に引き下げようとする動きがありますが、これは単なる手続論や形式論ではありません。時の権力者が自由勝手にやれるように一般法律並みにハードルを下げるというのは、憲法の根本精神を否定するものです。憲法が憲法でなくなるという禁じ手であり、断じて許されません。まして安倍首相のように、時の政権がこれを求めるなど本末転倒だと言わなければなりません。なぜ今96条改定か。自民党の石破幹事長も、96条改正の是非を問う国民投票が行われる場合、国民は9条改正を念頭に置いて投票していただきたいと明言しているように、その狙いが9条改憲にあることは明白であります。それに向けてハードルを低くする、あるいは国民に改憲の体験を積ませることで改憲になれさせる、このようなこそくなやり方は国民を欺くものと言わなければなりません」
生活の鈴木委員は「96条先行改憲論に反対。国民の合意があれば改憲は当然だが」等などの議論があった。総じて、自民党の委員が3分の2条項があるために、国民投票で国民の意見が聞けないのは問題だなどという委員が多かったのは滑稽だった。
終わりに、次回は16日と会長が宣告した。次は、第10章、11章と前文を一括して1回でやるという。前文はそんなに簡単にできるものではないでしょうに。
http://mainichi.jp/select/news/20130509k0000e010189000c.html
96条:3党が改正賛成 衆院憲法審、初討議
毎日新聞 2013年05月09日 11時47分
衆院憲法審査会は9日午前、憲法改正の発議要件を定めた96条について討議した。発議要件を緩和する改正について自民党、日本維新の会、みんなの党の3党が賛成を表明。民主党は「両論がある」とし、公明党は「先行改正には慎重であるべきだ」と主張した。共産と生活の両党は改正に反対した。今国会で主要政党が正式の場でそろって96条についての意見表明をするのは初めて。
憲法96条は改正手続きについて、衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で発議され、国民投票で過半数の賛成が必要と定めている。
安倍晋三首相や日本維新の会の橋下徹共同代表らが、発議要件を3分の2以上から「過半数」に引き下げるよう主張し、夏の参院選の争点として浮上しつつある。
自民党の船田元氏は「憲法をすべて改正することは不可能であり、あらかじめハードルを下げておく必要がある」と主張。民主党の武正公一氏は「改正規定には両論がある。96条のみの改正には慎重な立場だ」と96条についての同党の立場を初めて国会で表明した。
維新の坂本祐之輔氏は「96条を改正し、統治機構を規定している憲法のゆがみを正していく」と述べ、みんなの畠中光成氏は「(改憲)要件の緩和を主張している」と語った。
一方、公明党の斉藤鉄夫氏は「先行改正には慎重であるべきだ。(改正要件が厳しい)硬性は維持すべきだが、一定程度緩和するのは議論の余地がある」と説明し、時間をかけ議論すべきだとの姿勢を示した。
共産党の笠井亮氏は「要件緩和は憲法の根本精神に反し禁じ手だ」と主張し、生活の鈴木克昌氏も「最高法規の性質が失われるため、要件緩和には反対だ」と述べた。【仙石恭、木下訓明】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013050900050
時事通信、民主、96条先行改正に反対=衆院憲法審が初討議
憲法改正の発議要件を定めた96条について初めて討議した衆院憲法審査会=9日午前、国会内
衆院憲法審査会は9日午前、憲法改正の発議要件を定めた96条について初めて討議した。自民、日本維新の会、みんなの3党は要件の緩和に賛成する考えを表明。一方、民主党は改憲の中身の議論も併せて行うべきだとの立場から、96条の先行改正には反対する考えを示した。公明党も「(憲法の)全体観に立った論議が必要」として、慎重な見解を打ち出した。
自民党の船田元氏は、96条を改正し、改憲発議要件を衆参両院の「3分の2以上」から「過半数」の賛成に改めることを主張。「わが国の発議要件はハードルが高すぎる」と訴えた。
維新とみんなも改正に賛成する考えを示したが、みんなの畠中光成氏は「統治機構改革を同時に進める約束がなければ、おいそれと(先行改正に)賛同することはできかねる」と条件を付けた。具体的には、道州制や首相公選制の導入などを挙げた。
党内に護憲、改憲の両論を抱える民主党の武正公一氏は、「96条のみの憲法改正には慎重な立場だ」と表明。「憲法の中身の議論が欠かせない」とも指摘し、96条の先行改正に意欲を示す安倍晋三首相の姿勢に疑問を呈した。
公明党の斉藤鉄夫氏は「先行改正論には慎重であるべきだ」と述べた。ただ、基本的人権の尊重など憲法三原則に関わる条項を除いては、発議要件緩和を容認する意見が党内にあることも紹介した。
共産、生活の両党は「96条改正は憲法の根本精神を否定するもの」(共産・笠井亮氏)などとして、反対した。 (2013/05/09-12:27)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130509-OYT1T00722.htm
読売新聞、衆院憲法審査会で96条見直し議論、7党が見解
衆院憲法審査会は9日午前、憲法の改正要件を定めた96条(第9章)の見直しについて議論し、7党が見解を表明した。
衆参の憲法審査会で96条がテーマとなるのは初めて。
民主党と公明党は、96条をほかの条項に先行して改正することに慎重な立場を示した。自民党、日本維新の会、みんなの党は改正に前向きな立場を表明した。ただ、みんなの党は改正の前に選挙制度などを見直すことを条件にあげた。共産党と生活の党は反対した。
96条は憲法改正の手続きについて、〈1〉衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で発議(国民に提案)〈2〉国民投票で過半数の賛成が必要――と定めている。
審査会で民主党の武正公一氏は「(党内には)両論がある。議論を深め、党としての考え方を明確にしたい」と述べた。その上で、「96条のみの改正には慎重な立場だ。どこを変え、どこを変えないのか、中身の議論が欠かせない」と語った。
(2013年5月9日12時57分? 読売新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050901001020.html
共同通信、96条改正で対立鮮明 自維み、緩和を主張
2013年5月9日 12時33分
改憲の発議要件を規定する96条について、各党が意見を表明した衆院憲法審査会=9日午前、国会
衆院憲法審査会は9日午前、改憲の発議要件を規定する96条について議論した。自民党、日本維新の会、みんなの党が要件緩和を主張したのに対し、民主党、公明党、生活の党は96条先行改正に慎重な立場を表明した。共産党は改正自体に反対した。与野党の枠組みを超えて意見対立が鮮明になった。安倍晋三首相は先行改正に強い意欲を見せており、夏の参院選で争点となる見通しだ。今国会で主要政党がそろって96条に対する見解を示すのは初めて。
96条は、国会が改正案を国民に発議するためには衆参両院それぞれ総員の「3分の2以上」の賛成が必要だと規定。発議を受けた国民投票で過半数の賛成を得れば改正が成立。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/plc13050911390008-n1.htm
産経新聞、【96条改正】初の論戦「推進」自・維・み、「慎重」公・民、「反対」生・共 衆院憲法審査会
2013.5.9 11:35
衆院憲法審査会で各党が意見を述べた=9日午前、国会・衆院第18委員室(酒巻俊介撮影)
衆院憲法審査会で各党が意見を述べた=9日午前、国会・衆院第18委員室(酒巻俊介撮影)
衆院憲法審査会(保利耕輔会長)は9日午前の会議で、憲法改正案の発議要件を定める96条について論戦を行った。審査会で主要政党がそろって96条改正をめぐる意見を表明したのは初めてで、各党の見解の違いが浮き彫りになった。
自民党の船田元氏は「発議要件を過半数にすることが妥当だ」と主張。日本維新の会の坂本祐之輔氏も「過半数に引き下げ、国民にジャッジしていただきたい」と同調した。みんなの党の畠中光成氏は「改正して軟性憲法にすることを主張している」と述べ、改正要件の緩和に賛意を示したが「改憲の前に政治改革をやるべきだ」とも語った。
民主党の武正公一氏は「96条改正には党内で両論あるが(民主党は)96条のみの改正には慎重な立場だ」と言明、96条改正先行に反対した。公明党の斉藤鉄夫氏は「96条を緩和する先行改正論には慎重な立場」に言及する一方、「一定程度の緩和は議論の余地がある」と含みも持たせた。
共産党の笠井亮氏は「(96条改正は)禁じ手で、断じて許されない」と強調。生活の党の鈴木克昌氏も「96条は維持すべきだ。先行改正論には明確に反対だ」と表明した。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130509/k10014451761000.html
NHK、衆院憲法審 96条改正巡り議論
5月9日 12時28分
衆議院の憲法審査会で、国会が憲法改正を発議する要件などを定めた96条の改正を巡って7党が意見を表明し、自民党と日本維新の会が、ほかの条文より先行して改正することに積極的な姿勢を示した一方、民主党と公明党などは、憲法のほかのどの部分を改正するのかと併せて議論すべきだと主張しました。
衆議院の憲法審査会は9日、国会が憲法改正を発議するためには、衆参両院それぞれで、すべての議員の「3分の2以上の賛成」が必要だなどと定めている憲法96条を巡って、憲法審査会に委員がいる7党が意見を表明しました。
自民党
このうち、自民党は「衆参両院のどちらかの3分の1以上の議員が反対することで発議が行われず、国民の意思が最高法規に反映されないので、要件を過半数とすることが妥当だ。政権を取った勢力によって憲法が簡単に変えられるという懸念も出されているが、国民投票のチェックもあり、心配には及ばない。今後、改正手続きを繰り返すためには、あらかじめハードルを下げておく必要がある」と述べました。
民主党
民主党は「『憲法とは、公権力の行使を制限するために主権者が定める根本規範である』という近代立憲主義に立つことが基本的な考え方だ。決して、1つの内閣が目指すべき社会像をうたったり、国民に道徳や義務を課す規範ではない。憲法の中身の議論が欠かせず、わが党は96条のみの改正には慎重な立場だ」と述べました。
日本維新の会
日本維新の会は「96条をまず改正し、統治機構を規定している憲法のゆがみを正す方針だ。発議要件が3分の2以上とされている現状では、発議することはほとんどなく、憲法について国民に判断を仰ぐことは困難だ。発議要件を過半数に引き下げ、国民が憲法をジャッジする機会を作りたい」と述べました。
公明党
公明党は「96条を先行して改正することには慎重であるべきだ。憲法の内容をどう改正するのかという中身の議論が行われる前に、手続きだけ改正するのは、国民から見て不透明になる。硬性憲法の性格は維持すべきだが、わが国を取り巻く状況も大きく変わってきたので、憲法に新たな理念を加える『加憲』が最も現実的だ」と述べました。
みんなの党
みんなの党は「96条の改正を主張しているが、統治機構の改革を同時に進める明確な意志がないと、安倍総理大臣が目指す改正に、おいそれと賛同することはできかねる。憲法改正の前に選挙制度改革や官僚制度改革をすべきで、われわれは『美しい国』や『強い日本』という衣の陰に、戦時下の国家体制を賛美するような勢力とは根本的に異なる」と述べました。
共産党
共産党は「国民を縛るのが憲法ではなく、国民が権力を縛るのが憲法だ。発議要件を過半数に引き下げ、一般の法律並みにハードルを下げるのは、憲法の根本精神を否定し、憲法が憲法でなくなる禁じ手であり、断じて許されない。ましてや安倍総理大臣のように、時の政権がこれを求めるのは本末転倒だ」と述べました。
生活の党
生活の党は「まず96条を改正すべきという意見には、明確に反対だ。憲法を改正しようとする場合は、中身の改正についての検討を先行すべきで、国会の発議要件を引き下げれば、政権や内閣が変わるたびに、時々の多数派の意思で憲法改正が行われることにつながり、あまりに乱暴な議論だ。憲法の最高法規たる性質が失われてしまうことにもなる」と述べました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013050902000219.html
東京:96条見解 自民内にも先行懸念 民公共生は反対・慎重
2013年5月9日 夕刊
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衆院憲法審査会は九日午前、改憲手続きを定めた九六条をテーマに議論した。自民党、日本維新の会、みんなの党が改憲の発議要件緩和に賛成する方針を示した。ただ、自民党の船田元氏は安倍晋三首相が意欲を示す九六条の先行改正に懸念を示し、党内でも異論が強いことが浮き彫りになった。民主、公明、共産、生活の四党は慎重、反対論を展開した。衆参両院の総議員の三分の二以上の賛成が必要な発議要件を過半数に緩和する改憲が夏の参院選の争点となる見通しの中、主な七つの政党が九六条に関し、国会で初めて意見を表明した。
船田氏は「議会の三分の二の賛成と国民投票の両方を求めるのはハードルとして高すぎる」と要件緩和の必要性を強調。しかし、九六条の先行改正については「国民の多くは改正のための改正と受けとめるきらいがある。各党間で合意を得られやすい環境権などとセットで発議することが望ましい」と指摘した。
民主党の武正公一氏は「九六条のみの改正には慎重な立場だ。改正のハードルを下げるのみでなく、憲法のどこを変え、どこを変えないのかの中身の議論が欠かせない」と述べた。
維新の坂本祐之輔氏は「九六条をまず改正し、統治機構を規定する憲法のゆがみを正す」と、先行実施に賛同した。
公明党の斉藤鉄夫氏は「中身の議論が行われる前に、憲法改正手続きだけを改正しようとするのは、国民からはどこを、なぜ、どう変えるか不透明で、改正の内容とともに議論すべきだ」と先行改正に反対する姿勢を明らかにした。
みんなの畠中光成氏は九六条改正に賛成する考えを示す一方、「改正後の真の目的が九条改正であるなら明確に国民に示すべきだ。後出しじゃんけんで国民を欺くことは許されない」と自民党をけん制した。
共産党の笠井亮氏は「改憲しないのはハードルが高いからではなく、国民が変えたいと思ってこなかったからだ。断固反対だ」と九六条の改正自体に反対を表明した。
生活の鈴木克昌氏も「発議要件が引き下げられれば、政権交代がおこるたびに、その時々の多数派の意思で憲法改正が行われることにつながる」と改憲に反対した。
<憲法96条> 憲法第9章の改憲手続きに関する規定。衆参両院とも総員の3分の2以上の賛成により国会が改憲を発議し、承認には国民投票で過半数の賛成が必要としている。両院それぞれの過半数を要件とする通常の法改正より高いハードルを設けており、日本国憲法は「硬性憲法」とされる。自民党など改憲派は発議要件が厳しすぎると主張。両院それぞれの「過半数」に緩和する96条改正を先行実施した後、より抜本的な改憲を目指している。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5327680.html
TBSTV: 憲法96条改正、米国から懸念の声も
国会では、衆議院の憲法審査会で96条の改正について各党の議論が行われました。安倍総理が強い意欲を示す96条の改正ですが、具体的には、憲法改正を発議する要件を衆参両院の「3分の2以上の賛成」から「2分の1以上の賛成」に緩めて改正しやすくするというものです。
かつてないほど憲法議論が盛んとなる中、憲法改正のルールを定めたこの96条の改正に、思わぬところからも懸念の声が上がっています。
衆議院の憲法審査会で初めて行われた96条についての議論。自民党は、憲法改正が頻繁に行われる諸外国と比べ、衆参3分の2の賛成と国民投票を要件とする日本はハードルが高すぎると主張しました。
「あらかじめハードルを下げておく必要があり、(96条の)先行改正の合理性はあると考えております」(自民党 船田元衆院議員)
日本維新の会やみんなの党も改正に賛成の立場を表明しましたが、連立を組む公明党は「なぜ変えるのか不透明だ」として慎重な立場を示しました。一方、憲法改正をめぐり、党内にさまざまな意見がある民主党は・・・。
「96条だけを先行して改正すべきではない」(民主党 三日月大造衆院議員)
民主党は、改正に積極的な長島前防衛副大臣を党の憲法調査会に迎え入れて議論。96条を先行して改正することには反対する考えで一致したといいます。ただ、憲法改正自体への意見が今後、党内でまとまるのか、見通しは立っていません。
一方、アメリカの議会関係者らが安倍政権側に対し、96条改正に対する懸念を間接的に伝えていたことが明らかになりました。複数の日米関係筋によりますと、連休中に訪米した自民党議員などを通じて、「アメリカは憲法改正について9条よりも96条の改正を一番問題視している」と伝えてきたということです。
背景には、安倍総理の歴史認識をめぐって中国や韓国が反発する中、憲法改正の要件を安易に引き下げることへの警戒感があるものと見られます。こうした懸念を受け、政府内でも空気が変わりつつあります。
「憲法は急がなくていい。政権の最後の切り札として温めておいて最後にやる感じでいい」(日本政府関係者)
「国民的理解をですね、96条についてまだ得られている段階ではない」(菅義偉官房長官)
安倍総理にとって悲願ともいえる憲法改正に向け、どのような手順を踏んでいくのか、難しい舵取りが迫られそうです。(09日16:56)
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9日の審査会を注目するメディア
- 2013年5月 6日 11:57
- 衆議院
9日の憲法審査会が注目されている。
憲法96条、9日に初討議=0増5減も焦点?後半国会
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013050500156
憲法96条、9日に初討議=0増5減も焦点?後半国会
国会は連休明けから、6月26日の会期末に向けた後半戦に入る。憲法を各章ごとに議論している衆院憲法審査会は9日、改憲発議要件を定めた第9章 の96条を取り上げ、見直しの是非を初めて討議する。衆院小選挙区を「0増5減」して区割りを変更する公職選挙法改正案の扱いも焦点で、夏の参院選をにら み、与野党の対決ムードが高まりそうだ。
自民党は参院選公約に、改憲発議要件を衆参両院の3分の2以上から「過半数」の賛成に緩和する96条改正を明記する方針。衆院憲法審査会では見直しの必要性を訴え、日本維新の会やみんなの党も足並みをそろえるとみられる。
安倍晋三首相は5日、96条改正について「まだ十分に国民的世論が深まっているとは言えないし、理解が十分とも言えない」と記者団に述べ、参院選での多数派形成を目指し、丁寧に議論していく考えを示した。
これに対し、公明党は憲法問題で自民党とは一線を画しており、審査会では「96条先行改正論は慎重に扱うべきだ。条文のどこを変えるかの議論が不可欠だ」 と主張する構え。参院選での争点化にも否定的で、与党内の溝は埋まっていない。民主党は先行改正反対を唱え、自民党に対抗していく考えだ。
一 方、4月23日に衆院を通過した区割り法案について、与党は野党多数の参院で否決されても、衆院での再可決により会期内成立を図る方針。野党各党は、衆院 本会議での採決には維新を除き出席したことから、参院での審議に応じるとしている。ただ、民主党は定数削減を盛り込んだ対案を維新と作成することも模索し ており、7日に野党参院国対委員長会談を開き、区割り法案への対応を協議する。
この会談で民主党は、参院環境委員会の川口順子委員長(自民)が 中国への出張から予定通り帰国せず、委員会が取りやめになったのは問題だとして、委員長解任決議案の提出を呼び掛ける。決議案が提出されれば、野党の賛成 多数で可決される可能性が出ている。(2013/05/05-17:53)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130505-OYT1T00165.htm
衆院憲法審査会、各党が96条への立場表明へ
衆院憲法審査会は、憲法の全11章について、章ごとに改正の必要性の議論を進めている。
9日には憲法改正要件を定めた96条について、各党が立場を表明する。これまでの審査会の議論では、環境権などを明記することについて多くの党が前向きな 考えを示した。一方で、「戦争の放棄」を定めた9条については、改正を明確に主張する自民党、日本維新の会、みんなの党と慎重な他党の違いが際立ってい る。
「9日に96条の議論があるが、国民的な論議をするために、安倍首相が問題提起をしている。ただ手続きを先行するということではなく、ぜひ総合的な議論につなげたい」
衆院憲法審査会幹事で自民党の中谷元・元防衛長官は3日、都内で開かれたシンポジウムで、審査会の議論を通じて、憲法改正の必要性を国民に訴える考えを強調した。
9日の審査会では、自民、維新の会、みんなの3党が96条を改正し、発議に必要な両院の国会議員の賛成を3分の2から過半数へ下げることで足並みをそろえ る見通しだ。これに対し、公明党は96条改正に慎重な姿勢を示しつつ、明確な改正反対は表明しないものとみられる。96条の改正は、参院選の争点にも浮上 しているだけに各党の議論が注目される。
審査会は、3月14日に7か月ぶりに再開され、自民党が党の憲法改正草案をベースに具体的に改 正すべき点を提示したほか、他党も論点についての考えを表明してきた。ただ、民主党は2005年にまとめた憲法提言の内容を示すのみで、明確な態度表明を 避けることも少なくない。章ごとの議論は8章まで終わっており、今月中に全章を終える見通しだ。
(2013年5月5日10時16分? 読売新聞)
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