4月25日は第8章「地方自治」で議論 空席ばかりが目立つ自民党委員席

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本日は、市民連絡会からは19名の仲間で傍聴した。始まる前に委員会室に入ってきた共産党の笠井さんに「2日は、やりそうですか?」ときいたら、「いやいや、やはり2日は開催できませんよ」という話だった。連休中であり、また参院選も次第に迫っているので、議員たちとしてはやりたくないのがホンネだろう。従来、自民党は来週2日に、9章、10章、11章を一括でやりたいと言っていたが、問題の96条を含む9章を、それでなくとも後述するように、自民党の出席率が悪いのに、より悪くなると予想される連休中に、強行することは多くの反対でできなかったのですね。

25日、衆院憲法審査会は第8章「地方自治」のレビュー。いつものように冒頭に説明聴取を受けた衆院法制局の橘幸信企画調整部長は最初に明治憲法では軽視された地方自治が現行憲法では重視されたことの確認をしたことは大事なことであった。この意義を、後にみんなの党の畠中光成委員、共産党の笠井亮委員も発言冒頭で確認したのは良かった。橘氏は「道州制」問題を第8章最大の論点と言って過言でない、と発言したが、私はちょっと勇み足で、まさに「過言」のような気がするがどうだろう。

この日の議論は、憲法問題の議論でいつも焦点となる「地方自治の本旨」にかかわる論点、道州制、条例制定権、地方財政、定住外国人の参政権、特別法の住民投票など、論ずべき点は少なくなかったが、各党代表の一通りの意見表明の後は全体として論議は低調で、12時終了の予定が11時頃には議論が「尽きて」はやばやと終了した。

いつも書くことだが、自民党席の空きはひどく、開始1時間にもなると15人(委員数31名)ほどになり、75分頃には13人くらいになってしまった。共産党の笠井委員が「きょうの審査会も、設定についてはいろいろ日程の調整の議論があった。いま、ほかの委員会とダブっている状況ではない。一番開催しようと言われている自民党が相当空席がある、自民党の幹事の方もお二人(自民党の幹事は6名)しか座っていらっしゃらない。こういう状況で毎回この大事な憲法の問題について議論をやるというのがいいのか。無理に日程設定するのをやめた方がいいと思う」と指摘した。会長の保利氏と自民党の船田筆頭幹事は顔を見合わせて、苦笑いした。傍聴席からはブーイングも出たとか、出なかったとか。

この間、改憲派からは繰り返し語られてきたことだが、この日も自民党の土屋正忠委員や船田元幹事、維新の会の松浪健太委員、公明党の大口善徳委員、生活の党の畑浩治委員などが相次いで「第8章は4条しかなく簡素すぎる」「地方自治の本旨とはわかりにくい」などなどと主張した。しかし、こういうのを「ためにする意見」というのではないか。92条から95条にいたるこの章をあれこれいうが、「地方自治の本旨」とは非常に重要な概念であって、「住民自治と団体自治を車の両輪とした意味」であり、その内容は従来から明確にされており、改憲の口実にはならない。共産党の笠井委員が「規定が抽象的だから地方自治がうまくいかないという声は地方の現場から聞いたことがない」と反論したのは全く同感だ。地方自治と関連して、明文改憲による道州制導入を維新の会やみんなの党が主張し、自民党や公明党は改憲なしの道州制導入を主張したが、これは地方自治を充実することにはつながらず、議論が必要だ。笠井委員だけが指摘したことだが、今回の東日本大震災と東電福島第一原発の事故の中で、合併による地方自治体の広域化と、新自由主義的な人員削減の結果、現場で被災者救済に重大な支障がでた経験を顧みても、単純に道州制を賛美することなどはできないはずだ。

また定住外国人の地方参政権問題では、自民、維新、みんなの党が反対した。この日の審査会の最後に自民党の衛藤征志郎委員がトンデモ発言をして、危機感を煽ろうとしたので紹介しておく。「例えば、与那国島。ここは議員の数はたしか6人か7人で、150票ぐらいで当選と。そして、先般私が行ったときには、自衛隊のいわゆるレーダー移動基地をつくる問題が微妙になっている。国境の嶋で、日本国籍を持っていない者が150人でも200人でも移住して、そうしたら議会の、いわゆる賛成、反対はひっくり返っちゃう。こういうことがちょっとあります」などなど。(高田健)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=20130425003
維・み、道州制憲法明記を=自公も導入に前向き

 衆院憲法審査会は25日午前、憲法第8章の「地方自治」をめぐって討議した。現行の都道府県を道や州に再編する道州制について、日本維新の会とみんなの党は憲法に明記すべきだと主張。自民、公明両党は導入の必要性を認めつつ、憲法改正は不要との認識を示した。
 日本維新の会の松浪健太氏は、現行憲法でも道州制導入は可能としながらも、「道州制を憲法にも規定して、明確に国の形を打ち出していく」と表明。みんなの党の畠中光成氏も同調した。
 自民党の土屋正忠氏は「憲法改正を行わず導入する法案を検討している」と指摘。公明党の大口善徳氏も「現行憲法下での立法措置で可能だ」と述べた。 
 民主党の大島敦氏は、2012年衆院選のマニフェスト(政権公約)で打ち出した「中長期的な観点で検討」との立場を説明するにとどめ、共産党の笠井亮氏は「福祉や暮らしに対するサービスの大幅低下となる」と反対した。生活の党の畑浩治氏は「道州制は否定するものではない」とした。(2013/04/25-12:24)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130425/plc13042513180016-n1.htm

「道州制」明記か否かで見解割れる 衆院憲法審査会
2013.4.25 13:16
憲法第8章「地方自治」を審議する衆院憲法審査会=25日午前
 衆院憲法審査会が25日午前開かれ、憲法第8章「地方自治」を審議した。道州制導入の是非や憲法への明記をめぐり、各党が意見を交わした。定住外国人の地方参政権には多くの党が反対した。

 自民、公明両党は「住民本位の地方自治を実現できる」と道州制導入の意義を説明。憲法改正は不要として、法整備を目指す意向を表明した。生活の党も、法律により導入可能との立場で、憲法96条の先行改正と関連させる動きを「冷静さを欠く」と牽制(けんせい)した。

 道州制導入に積極姿勢を示した日本維新の会は「憲法に規定し、新しい国の形を明確に打ち出すべき」と主張。みんなの党も憲法への明記が望ましいとした。民主党は「地方や国民の声を十分に聞きながら中長期的な観点で検討する」と述べるにとどめた。共産党は道州制導入に反対した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013042602000117.html

道州制 改憲で隔たり 衆院憲法審「地方自治」議論

2013年4月26日 朝刊
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 衆院の憲法審査会は25日、第8章「地方自治」をテーマに、各党が議論した。道州制の導入をめぐっては、日本維新の会やみんなの党が「憲法に明記すべきだ」と改憲論を展開したのに対して、自民、公明両党は「改憲は不要」と主張し、見解が分かれた。 (岩崎健太朗)

 維新の松浪健太氏は「現行憲法での導入も可能だが、より強力に国のかたちを変えることを憲法に規定すべきだ」と主張。みんなの党の畠中光成氏も「道州制を実現し、中央集権打破、地方活性化を目指す」と憲法への明記を求めた。

 これに対して、自民党の土屋正忠氏は「改憲を行わないで導入する法案を検討している」と説明。公明党の大口善徳氏も「道州制への移行は国会だけで議論できるテーマではない。国民会議で三年議論し、二年をめどに法的措置を講じたい」と、改憲よりも道州制基本法の早期制定を提案した。両党は道州制基本法案の提出を目指している。

 一方、民主党の大島敦氏は「中長期的な観点で検討」と述べるにとどめ、共産党の笠井亮氏は「道州制は本来の地方自治とは逆。福祉や教育などの責任を国が放棄し、サービス低下につながる」と反対。

 生活の党の畑浩治氏は、改憲手続きを緩和する九六条の先行改正と道州制を絡める議論を「冷静さを欠く」と批判した。

 定住外国人への地方参政権付与には、自民、維新、みんなの三党がそれぞれ反対し、公明、共産両党が賛成した。


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130425-OYT1T01184.htm
維新の会、憲法改正素案に道州制を明記

 衆院憲法審査会(保利耕輔会長)は25日、憲法の第8章「地方自治」について討議した。

 日本維新の会は、地方自治について規定した憲法第8章の改正素案を示した。素案は、地方自治の枠組みを「広域自治体たる道州と基礎的自治体の二層制」とし、国と道州の権限の関係を憲法に明記するとしている。

 維新の会は、道州制のための憲法改正を夏の参院選で争点とする方針だ。道州の財政基盤強化のため、課税自主権を認める内容の条文追加も今後、検討する。

 素案では、地方自治体の首長や議員の選挙権について「国民固有のものであることを確認する」として、永住外国人への地方選挙権付与を否定する条項を設けるとした。

 また、一つの自治体のみに適用される特別法の成立に、住民投票による過半数の同意を条件としている第8章の95条については、「死文化している」として削除するとした。
(2013年4月26日01時28分? 読売新聞)

http://mainichi.jp/select/news/20130426k0000m010082000c.html

衆院憲法審査会:道州制について議論

毎日新聞 2013年04月25日 20時43分(最終更新 04月25日 22時35分)

 衆院憲法審査会は25日、第8章の「地方自治」を取り上げ、道州制について議論した。

 自民党は前向きな姿勢を示したものの党内協議が続いていることから明確な賛否は留保。民主党、生活の党も「検討中」などとして姿勢を明確にしなかった。日本維新の会と公明党、みんなの党は導入に賛成、共産党は反対した。

 道州制を導入する際に憲法改正が必要かについては、維新、みんなの両党のみが必要と主張した。

 自民の土屋正忠氏は「憲法改正を行わないで道州制を導入する法案を検討している」と表明。維新の松浪健太氏は「憲法にしっかり規定して明確に国の形を打ち出すことを求める」と主張。みんなの畠中光成氏も「現行憲法でも導入は可能と考えるが、憲法に明確に位置付けられるべき最重要事項だ」と訴えた。【仙石恭】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-29/2013042904_01_1.html
道州制導入に反対/笠井氏「地方自治徹底を」/衆院憲法審

 衆院憲法審査会は25日、憲法第8章「地方自治」について検証を行いました。

 笠井亮議員は、憲法が「住民が主人公」の地方自治を明確に位置づけ、「住民の福祉の増進」という地方自治の目的を果たすために法律、制度が整備されてきたと指摘。(1)市町村合併と自治体職員の定数削減が住民サービスの低下をもたらし、その弊害が東日本大震災で現れた(2)1990年代の公共事業や「三位一体改革」で地方財政の危機が生み出された(3)「地方分権」「道州制」の名で進められるナショナルミニマム(全国共通の最低基準)放棄がある―と批判し、地方自治の原則に反する政治こそただすべきだと強調しました。

 道州制について、自民の土屋正忠氏は「憲法改正を行わないで導入を検討する」、公明の大口善徳氏は「導入は立法措置で可能」、維新の松浪健太氏は「憲法に道州制を規定し、明確に新しい国の形を打ち出す」と述べました。

 笠井氏は「道州制は本来の地方自治に逆行し、福祉・教育・暮らしに対するサービスが大幅低下し、国際競争力を題目にした巨大開発がやりやすくなる」と指摘。道州制導入に反対を表明し、自治機能の回復・強化こそ必要と主張しました。