5月30日、参議院憲法審査会 「火事場泥棒的改憲論」発言でチョイ紛糾

5月30日(水)午後1時から3時、参議院憲法審査会、市民連絡会は15人の仲間で傍聴。

<前川清成委員(民主)の「(非常事態条項導入改憲論は)火事場泥棒的議論だ」の発言で、チョイ紛糾>

この日のテーマは「東日本大震災と憲法」(参考人質疑の概要報告及び討議)で、この間、3回にわたって「東日本大震災と憲法」について参考人を招いての質疑が行われたことの総括的な審議だった。

会議の冒頭、事務局から経過報告があった。各党の発言の最初の江田五月委員(民主)は「改憲の必要性一般を否定するつもりはないが、今回の震災対応で改憲の必要ある問題はなかった。国家緊急権的措置は必要ない」と述べた。磯崎陽輔委員(自民)はGHQによる翻訳憲法の改憲の必要性を強調。「自民党は新憲法草案を発表したが、96条があるので、そのまま改憲原案になるとは思っていない」などと発言。白浜一良委員(公明)は「緊急事態に対する法整備は必要だが、憲法改正するほどのことではない」と。江口克彦委員(みんなの党)は国家緊急権条項を導入すべきだ。立憲主義を守るために、立憲主義を一時停止するのは矛盾だが、必要だ、と。井上哲士委員(共産)は震災に憲法が生かされていないことこそ問題だ。震災便乗的改憲論がある。審査会の小委員会方式に反対だ。福島みずほ委員(社民)は被災地が憲法に守られていないことが問題だ。憲法は非常事態を想定していたという参考人の発言は重要だ。3つの小委員会で審議する方式に反対。桝添要一委員(改革)はもう少しこのテーマでやりたい。国家緊急権の問題は歴史的に検討したい、など。その後の自由討議では、今野東委員(民主)や前川委員から「緊急事態導入論は便乗的議論だ」との指摘があったが、冒頭の見出しに書いた前川発言では自民党の川口順子筆頭幹事らが「侮辱的発言だ」と反発、後日幹事会で取り扱いを相談することとなった。私にはそんなに問題ある発言とは思えなかった。自由討議では自民党の委員らが次々にテロや戦争などにも触れながら緊急事態条項導入論を述べた。まいどおなじみの「困ったちゃん」の西田昌司委員(自民)は「まず政権担当能力の問題だった。法整備は必要だが」などとのべた。丸山和也委員(自民)は「収束宣言などトンでもない。福島第一の4号機の問題は深刻だ。使用済み燃料タンクをもう一度地震が直撃したら、3000万人が被災するという危機をどう見るのか」などと発言していたが、「おお、よく言うわ」、ならば脱原発・原発廃炉の立場に賛成するのかと問いただしたかった。

今後の運営のあり方で、自民と民主の幹事で合意したと言われる3小委員会方式(参院の憲法審査会に3つの小委員会を設置することで、民主、自民両党が合意した。大規模災害など非常事態の際に 政府に強力な権限を与える「国家緊急権」をはじめ、「人権保障」、「統治機構」を小委のそれぞれのテーマとすることを想定している)は共産・社民が反対を表明したが、幹事会は強行するつもりなのか。これでは小会派にきわめて不利で、改憲派に有利になる。民主主義が保障されない。(高田健)