5月24日衆院憲法審査会

衆議院憲法審査会(2012年5月24日)
衆議院の憲法審査会は午前9時から始まる。傍聴者は遠方の人でも朝、8時40分には衆院の議面に集まる。皆さん、熱心に駆けつけてくる。この日は市民連絡会は20人近くの仲間と共に傍聴した。
憲法の各条章ごとの検討の第1回目。傍聴者には委員にも配布された「憲法に関する主な論点(論点表)」のうち、「第1章天皇」という部分の資料が配られる。実は委員には「未定稿」の注釈付きで、事務局が作った憲法全章の論点表が配布されていることをあとで知った。
 冒頭に衆議院法制局の橘幸信部長が10分にわたって論点の説明をしたあと、各党代表の委員が5分づつ発言し、そのあと、自由討議という3時間コースで始まった。この論点説明もくせ者だ。実直そうな橘さんの説明でも、従来の憲法調査会の報告書のおさらいで、どうしても議論の多数が改憲派だという説明になりがちだ。
 民主党の山花郁夫委員は「憲法改正には3分の2が必要なのだから、各党が自己の改憲案を主張するのでなく、前段階で協議し各党が改憲が必要だとなったときに文案を作るべきだ」と持論を展開。自民党の中谷元委員は4月28日に発表した新しい改憲草案の天皇条項について説明。元首化を主張した。天皇の国事行為については、内閣が助言し承認するというのは「いささか礼を失する」などと表現した。公明党の赤松政雄委員はこの各条章検討は「改憲を前提にするのではなく、ニュートラルな立場で現行憲法を点検するのが主眼」とやんわりと中谷氏に抗議した。共産党の笠井亮委員は配布された論点整理が「改憲をベースにまとめられている」ことに抗議、恣意的な論点設定だと指摘。第一条は主権在民原則を明確に定めていることが重要だ。この原則は歴史の反省から来ている。公的行為を広げることは国民主権原則に反する。世襲で象徴になるのは民主主義と平等原則にあわず、当面の問題ではないが、将来は共和制が目指されなくてはならない、と主張。社民党の照屋寛徳委員は、天皇を元首とする明文改憲に反対だ。天皇は統治権の総覧者でも、元首でも、君主でもない。天皇を政治的に利用することに反対だと表明。さらに、過去、沖縄は日本ではなく、天皇制からみると遅れてきた臣民で、化外の民、まつろわぬ民だった。その皇民化政策が戦後の米軍の沖縄占領につながる。沖縄は歴代政権の構造的差別にさらされたと考える、と表明した。みんなの党の柿沢未途委員は、120人の議員による一院制改憲案が受理されていないことに抗議。「天皇陛下は日本国の元首と明記すべき」と主張した。あわせて96条改憲も主張した。
自由討議では自民党の保利耕輔委員が「元首の問題を議論することはおそれおおいことで、慎重にやるべき」などと主張。自民党の他の委員も天皇元首制導入を主張した。民主党の辻恵委員と辻元清美委員が、憲法審査会の役割は改憲論議をすることではなく、東北の大震災とか大きな憲法問題があり、まず現状をきちんと知ることから始めるべきだと主張した。辻元委員は96条改正の見解を批判した。これらへの中谷委員の反論は「タブーがあってはよくない。オープンに議論すべきだ」というものだった。笠井委員や、照屋委員、辻委員などが再度発言したが、それ以上、他の委員からは発言もなく、時間が1時間近く早く終了した。
終わって、拍子抜けの感がした。第1章の議論はもうこれで終わりなの、憲法論議はこんなことでいいの、という感じだ。笠井委員や、照屋委員はがんばって2度発言していたが、とりたてて反論がされるでもなく、そうそう一人で何度も何度も発言しているわけにも行かないだろう。今後、どのように運営するつもりなのか、先が案じられる。(高田健)

産経記事:衆院憲法審査会で各章の検討作業開始 「天皇」について各党が意見表明

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120524/plc12052411240007-n1.htm
衆院憲法審査会で各章の検討作業開始 「天皇」について各党が意見表明
2012.5.24 11:21 [憲法改正]

 衆院憲法審査会(会長・大畠章宏元経済産業相)は24日、現行憲法を各章ごとに論点整理し、改憲の必要性などを検討する作業を開始した。昨年11月の審査会始動以降、条文について本格的な審査が行われるのは初めて。

 同日は第1章「天皇」について与野党7党の代表者が意見を表明した。第1章は天皇の地位や皇位継承、国事行為などを定めた計8条で構成する。民主 党の山花郁夫氏が「党として個別の条項について現時点でまとまったものはない」と明言を避けたのに対し、自民党の中谷元氏は「4月に公表した党の憲法改正 草案で天皇は『元首』と明記した」と主張した。

 審査会は原則毎週開かれ、全11章と前文を検証し、各党が明文改憲の必要の是非を表明する。

 この作業は公明党が発案し、護憲を掲げる共産、社民両党も改正を前提としないことを条件に審議入りに同意した。

 大畠氏は17日の幹事懇談会終了後、記者団に「(作業は)改憲を前提としていない」と説明したが、審査会での議論が深まることで、改憲に向けての気運が高まる可能性もある。