声明・論評

安倍首相の辞任表明についての「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の声明

安倍晋三首相が辞任した。
すでに先の参院選の結果、民意は明らかにされており、安倍首相の辞任は遅きに失した感がある。
わたしたち「許すな!憲法改悪・市民連絡会」はこの第168臨時国会に先立って全国260以上の市民・民主団体とともに「テロ特措法延長反対!廃止を! 武力で平和はつくれない!アフガンに平和を! イラクに平和を! 自衛隊はすぐもどれ!」の共同声明を発表し、国会議員のみなさんに働きかけを行った。また国会開会日の10日には「5・3憲法集会実行委員会」の皆さんと共に、「民意に従い安倍内閣は退陣を! 9・10緊急院内集会」を開き、共産党、社民党、無所属など多くの国会議員と市民の参加で成功させた。つづいて昨日は「9・11」からまる6年の日にあたり、私たちもその一翼をになう「WORLD PEACE NOW」がテロ特措法延長反対! 武力で平和はつくれない! アフガンに平和を! イラクに平和を! 自衛隊をすぐもどせ!などの主張のもとに「9・11WORLD PEACE NOW 衆院議面集会&官邸前行動」を民主、社民、共産、無所属などの国会議員と多数の市民の参加で行った。

安倍首相の引責辞任はこの間、私たちがこれらの行動のなかで一貫して要求してきたところではある。しかし、168臨時国会の開会を強行し、所信表明演説をした翌々日に職務を投げ出すことは無責任の極みであるといわねばならない。

首相は参院選で敗北したにもかかわらず「基本路線は多くの国民に理解されている。約束した改革を進め、実行する責任がある」と強弁し、APEC首脳会議に出席したさいに「テロ特措法の延長に職責を賭ける」などと表明し、また第168臨時国会冒頭の所信表明演説では従来の安倍路線の継続の決意を表明した。

しかし、世論と、それを背景にした野党などの厳しい批判を前に、安倍路線の実行は抜き差しならない局面に至り、完全に行き詰まって政権を投げ出さざるを得なくなった。

辞任したとはいえ、この1年、安倍内閣の果たした役割は極めて反動的で、その責任は歴史的に問われなくてはならない。とりわけ「戦後レジームからの脱却」「美しい国づくり」などを標榜して、憲法の明文改悪と解釈改憲による集団的自衛権の行使、すなわちグローバルな規模で米国と共に「戦争のできる国」づくりをめざす安倍首相のもとで強行された教育基本法の改悪、防衛庁の省昇格、改憲手続き法の制定は重大な誤りであり、まさに政治反動そのものであった。

だが問題の責任は安倍晋三首相個人の範囲にとどまらない。この首相と内閣を支えた自民党・公明党の与党の責任は重大である。この事態は与党の政治路線の破綻をしめすものであり、政治の転換こそが不可欠である。自公与党はこの臨時国会でめざしたテロ対策特別措置法の延長(ないし同趣旨の新法制定)や憲法改悪推進のための憲法審査会の始動などをきっぱりと断念しなければならない。そして、さきの参院選での民意に従い、内閣を総辞職し、暫定内閣(選挙管理内閣)を組織する全責任を野党に委ね、そのもとで総選挙を行い、民意を問うべきである。

私たちは、当面、以下の課題で広範な共同行動を組織し、全力で闘う決意を表明する。

憲法改悪反対!
憲法9条改悪反対!
集団的自衛権の行使反対!
憲法審査会の始動反対!
テロ特措法を廃止せよ!
自衛隊をインド洋から、イラクからただちに引き上げよ!

2007年9月12日
許すな!憲法改悪・市民連絡会

このページのトップに戻る
「声明・論評」のトップページに戻る