声明・論評

自衛隊による違法な監視活動に抗議する市民団体共同声明

■共同発表団体
日本消費者連盟
ふぇみん婦人民主クラブ
反住基ネット連絡会
許すな!憲法改悪・市民連絡会
ピープルズ・プラン研究所
盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)
ユーゴネット
憲法を生かす会
アジア平和連合(APA)ジャパン
長野ピースサイクル実行委員会
反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)

2007年6月7日、陸上自衛隊情報保全隊が、自衛隊イラク派遣問題などに取り組む広範な団体・個人の活動を監視し、その詳細な報告書を作成していたことが、報道等で明らかになりました。また、その後の報道では、防衛省事務次官もこうした監視活動を知っていたことを認め、これが一部隊員の「行き過ぎた行為」などではなく、防衛省・自衛隊を通じて組織的に行われていたことも明らかになっています。

今回の市民活動に対する監視活動が、憲法第19条で保障された思想・良心の自由及び第21条で保障された表現の自由、第13条で保障されたプライバシー権を侵害していることは疑う余地もありません。当然、自衛隊法にも防衛省設置法にも、監視活動の根拠となるような条項はまったく見あたりません。法令の定めによらない個人情報の収集は、行政機関個人情報保護法にも違反します。

このような幾多の法律に違反する行為が政府機関、それも武装集団である自衛隊によってなされたことの意味を、けっして過小評価してはなりません。このことを見逃すのであれば、日本はもう法治国家とは呼べません。最近、政府における教育改革の議論などで「国民の規範意識の低下」がさかんに言われていますが、いま問われるべきはむしろ「政府機関の遵法意識」ではないでしょうか。

また、こうした自衛隊の違法な監視活動は、今回がはじめてではありません。2002年5月には、当時の防衛庁が情報開示請求者の身元を違法に調査し、リストを作成していたことが明らかになっています。さらに、政府による違法な監視活動という意味では、2000年1月にも、公安調査庁が100を超える広範な市民団体の活動を監視していたことが内部文書により明らかになっています。つまり、わずか7年の間に、政府による違法かつ大規模な市民活動への監視が3度も露呈したわけです。

私たちは、最大限の怒りを表明します。もう我慢なりません。
今回の防衛省・自衛隊による市民活動に対する監視と情報収集に強く抗議するとともに、一切の事実関係の調査・公表と、しかるべき現場責任者に対する厳正な処分、そして担当閣僚である久間章生防衛大臣と自衛隊最高司令官である安倍晋三内閣総理大臣の辞任を要求します。

以上

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