声明・論評

緊急声明
改憲をめざす安倍・自民党に、きたる参院選で、市民の審判を!

この度、自民党が参院選むけに発表した選挙公約「155の重点政策」は、第1パートが「美しい国の礎を築く」となっており、そのトップが<新憲法制定を推進する>となっている。公約全体で155項目あるが、その「1」は「新憲法制定の推進」とあり、「次期国会から衆参両院に設置される『憲法審査会』の議論を主導しつつ、平成22年の国会において憲法改正案の発議をめざし国民投票による承認を得るべく、新憲法制定推進の国民運動を展開する」と書いてある。

選挙公約に改憲を掲げたことも異例であるが、それをトップにおくことで、安倍内閣の公約である「任期中に改憲に着手する」ことの実現への構えと決意を確認している。

そして先の自民党の新憲法草案策定を受け継いで、「改憲」ではなく、「新憲法制定」としたこと、および「平成22年(2010年)の国会での発議をめざす」という具体的な期限を書き込んだこと、そのために「新憲法制定推進の国民運動」を展開するとしたことに重大な特徴がある。

私たちはこの間、各所で指摘してきたが、日本国憲法第96条は、「改正」は「この憲法と一体をなすものとして」公布すると規定しているように、部分的改正を想定しているのみであり、全面改正、新憲法策定は想定していない。憲法99条に規定される憲法尊重擁護義務のある安倍首相が率いる自民党が新憲法策定を主張することは憲法違反である。

166国会で改憲手続き法が成立したとはいえ、この法律自体が18項目の付帯決議を付けて採決されたように、重大な欠陥法案である。まず国会は改憲手続き法の抜本的再検討が必要である。その上で改憲案作成には最低限3年の凍結期間があるのであって、166国会にみられたような強行採決と暴走を特徴とするような国会運営ではなく、憲法問題をまじめに考えるなら2010年の国会での発議などはいかように計算しても、あってはならないことである。

一部報道では、今回の「選挙公約」が具体的な改憲の中身に触れていないことから、それが連立与党の公明党の「加憲論」への配慮であるかのような論評があるが、そうであるとすれば公明党もなめられたものであるか、公明党がずるいかのどちらかであろう。なぜなら、「公約」は明確に「新憲法制定」と書いているのであり、9条を含む全面改憲を主張しているのであるから、公明党のいう「加憲」(部分改憲)とはまったく異なるものである。その意味で公明党の「加憲論」は自民党にハナから無視されているのであり、あるいは公明党はそれを承知の上で、「知らぬ顔」で黙認しているかであるからである。

私利私略、党利党略で憲法をもてあそぶ安倍・自民党に抗議を!
  安倍・自民党の改憲の企てを必ずうち砕こう!
  「戦争のできる国づくり」の道を急ぐ安倍自民党に、きたる参議院選挙  で市民の審判を!

2007年6月7日
許すな!憲法改悪・市民連絡会

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