声明・論評

防衛省は辺野古新基地建設のための「事前調査」に自衛艦の派遣をただちに中止するよう求めます

内閣総理大臣 安倍晋三様
防衛大臣   久間章生様

WORLD PEACE NOW

沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設のために、防衛省と那覇防衛施設局は、環境現況調査(事前調査)と称して調査機器の設置を始めようとしています。辺野古への米軍新基地建設は、新たな「沖縄の負担軽減」といううたい文句とは裏腹に、基地の重圧を沖縄の人びとにさらに押しつけようとするものであり、私たちは沖縄の人びと、とりわけ現地の住民とともに、これに強く反対します。

もともと「事前調査」そのものが、環境アセスメント法を逸脱した行為であり、この調査によってジュゴンが泳ぐ、貴重なサンゴの海が破壊される危険性も指摘されています。

その上、驚くべきことに、この「事前調査」のために海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が派遣される、というニュースを聞きました。これは前代未聞の暴挙です。掃海母艦に乗り込んだ海自の潜水士は海底への調査機器設置を支援するとされていますが、これにどのような法的根拠があるのでしょうか。

政府は辺野古への掃海母艦の派遣について公式のコメントを出していませんが、辺野古では新基地建設反対のために非暴力の海上阻止行動や座り込みを続けている住民を暴力で威嚇する意図は明らかです。住民たちの運動を威嚇するために自衛艦が派遣されるのは「治安出動」以外のなにものでもありません。

「事前調査」を承認した仲井間弘多知事も、「何のために自衛艦がやってくるのか分からない」と憤りを隠していません。

沖縄戦で住民の4分の1が殺され、味方と思っていた日本軍からも殺されたり、「集団自決」を強制された苦痛に満ちた経験を持つ沖縄の人びとは、再び自衛艦が住民に銃を向ける行為を絶対に許さないでしょう。

私たちは、掃海母艦「ぶんご」の辺野古近海への派遣と「調査支援」をただちに中止し、米軍新基地建設計画を撤回することを要求します。

2007年5月19日

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