本日は日本国憲法が施行されてから60年になる記念すべき日です。
この60年、憲法は多くの人びとによって支持され、社会に定着してきました。とりわけ前文と第9条に代表される平和憲法の理念は、この21世紀の世界においてますます輝きを増し、国内だけでなく、世界中の平和を求める人びとに注目され、支持されています。まさに「憲法9条いまこそ旬」なのです。
しかし日本政府と与党はこの流れに逆行し、米国の要求に従ってこの国を「戦争のできる国」にするため「集団的自衛権の行使」への道を開こうと、とりわけ第9条を目の敵(かたき)のように扱い、改憲をめざしています。
この通常国会の冒頭、安倍首相は自らの「任期中の改憲」を公言し、そのために改憲手続き法の制定を推進することを表明しました。そして法案に反対する声や、慎重審議を要求する世論に逆行して、衆議院では4月に与党単独で採決を強行しました。そしていま、参議院でも与党は連日のように駆け足審議を押し進め、何としてもこの国会で強行成立させようとしています。これはまさに民主主義を踏みにじる安倍内閣の暴走です。
私たちは憲法9条改悪をめざす改憲手続き法の強行を許すことはできません。
安倍内閣はまた、先の国会での教育基本法の改悪に加えて、この国会では米軍基地再編特措法、イラク派兵特措法の延長、教育関連3法改悪、少年法の改悪などを強行しようとしています。
私たちは「戦後レジームからの脱却」とか「美しい国」などと称して進められる安倍内閣のこうした危険な動きに怒りをこめて反対します。
4月6日の「読売新聞」の世論調査、4月10日のNHKの世論調査、4月17日の共同通信の世論調査などの緒果は、この国で「憲法9条を変えない」との声が、「9条改憲」一の声を大きく引き離していることを示しています。そしてこうした傾向がこの数年、ますます強まっていることもあきらかにされました。これは全国各地で日夜奮闘してきた多くの人びとの運動の反映であり、9条改憲をして「米国の戦賂に従って海外で戦争をする国」を作り上げようとする安倍内閣に対抗するカ強いエネルギーの反映にほかなりません。
「5・3憲法集会実行委員会」はこの6年余にわたって、憲法改悪を許さないという共通の繰題で共同行動をつみ重ね、今国会期間においても改憲手続き法案に反対する行動をくり返し提起し、闘ってきました。
私たちは本日の集会&パレードの成功を機に、恩想、信条、政治的・社会的立場などの違いを超えた共同の運動をいっそう大きく発展させ、改憲手続き法案の廃案と、憲法、とりわけ第9条の改悪に反対して全カをあげて闘いぬくことを、憲法60周牢の記念すべきこの日に、改めて決意します。
2007年5月3日
2007年5・3憲法集会参加者一同