声明・論評

イラク派兵の2年間延長法案に反対します 自衛隊はただちにイラクから撤退を

WORLD PEACE NOW

2007年4月4日

3月30日、安倍内閣はイラク特措法を2年間延長する改悪案を閣議決定し、国会に提出しました。イラク侵略戦争と占領に反対し、自衛隊の派兵にも反対してきた私たちは、安倍内閣のこうした暴挙に強く反対します。

米国では連邦議会の上下両院ともイラク撤兵法案を可決しています。ブッシュ大統領のお膝元の議会でさえ、占領を終わらせる意思を表明している時、安倍内閣は、こともあろうに国内外で孤立し、追い詰められたブッシュ米大統領をあくまで支えるために自衛隊のイラク派兵を継続しようというのです。なんということでしょうか。

ブッシュ政権は3万人の米軍を増派しましたが、それはイラクの内戦状況に火に油を注ぐだけでした。すでに四百万人にのぼるイラク市民は難民・避難民はイラク内外で苦境に陥っています。殺された市民の数は十数万人とも数十万人とも言われています。こうした中で、イラクに送られる航空自衛隊の任務は、決して「復興支援」のためではありません。米軍を中心とするイラク占領軍の作戦を支援するためです。

愛知県の自衛隊イラク派兵違憲訴訟の仲間たちが請求した資料によれば、クウェートの基地からイラク各地に飛ぶ航空自衛隊のC130 輸送機が運ぶ物資と人員のうち、復興支援物資や復興のための要員はごく 一部で、あとは「墨塗り」になっています。つまり「公開」できないのです。これは空自の主要任務が米軍兵士や軍事物資の輸送であることを物語っています。

人殺しのための自衛隊の派遣はもう沢山です。ブッシュ政権は、いまイランへの軍事攻撃を仕掛ける機会を窺っています。航空自衛隊のイラク派兵2年間延長は、イラク復興支援に名を借りた破壊と殺戮への加担にとどまらず、米国がイラン攻撃に踏み切った際には戦闘行為に協力させられ、イランへの破壊と殺傷に手を貸すことにもなりかねない危険性をもはらんでいるのです。

イラクと中東に平和をもたらすためには、すべての占領軍が撤退することが先決です。自衛隊もただちに戻ってこなければなりません。不法な占領をやめることによってこそ、イラクと中東の人びとの平和と復興のための努力を支援することができるのです。

私たちはイラク派兵特措法を2年間延長する改悪法案に反対し、廃案を求めます。自衛隊をイラクからも、インド洋からもすぐ戻すことを安倍内閣に求めます。

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