声明・論評

【声明】安倍元首相殺害事件に関連して 2022年7月9日(参議院選の投票日を前にして)

許すな!憲法改悪・市民連絡会 事務局長 菱山南帆子

安倍元首相が銃撃によって殺害された。容疑者は元海上自衛官の41歳の男だった。
選挙演説中の安倍元首相に対するこのような暴力は決して許されてはならない。
しかし、今回安倍元首相が亡くなったことによってこれまでの数々の悪政の責任が消えるわけではない。
日本の憲政史上最長の首相となり、「安倍一強政治」ともいわれるような状況をつくりだし、その間、行政を歪め歴史修正、民主主義破壊、軍拡、解釈改憲、自衛隊の戦地派兵、多くの悪法の強行成立、沖縄の民意を何度も踏みにじり県民を苦しめてきた。

全く違うデータを持ち出し、自身が進める経済政策が上手くいっているかのような演出をし、コロナ禍では経済優先で命と暮らしを守る対策が後手後手になり、突如政権を投げ出す事態となった。
「アベ政治」により、路上や自宅での孤独死や、安倍元首相の無責任な発言によって自死に追い込まれる方もいた。
そのような多くの犠牲者を無視し、疑惑には固く口を閉ざし、時には「自己責任論」を押し付けてきた。
殴り癖、差別癖のある政治的土壌を安倍政権が作ってきたと言っても過言ではない。
事件を起こした容疑者が元自衛官であったということから、銃など武器を使いこなせる技術の持ち主だったということが分かった。
自衛隊では人を助ける訓練だけではなく人を殺す訓練も受けているということだ。
このような訓練や教育の中から気に食わないものには武力を用いるという発想に繋がってしまったのではないだろうか。
言うことを聞かないものには武器をもって従わせる。これが軍事だ。
気に入らないものがあったらいじめる。これが戦争だ。
私たちは長年、そのような考えや外交に反対をしてきた。しかし、それに対して安倍政権は一貫として「非現実的・お花畑理論」と一蹴してきた。
武力では何も解決できず、憎しみしか生まないことは今回の事件でより一層現実的となった。
私たちは、今までの安倍元首相の悪政を絶対に忘れてはならないし、なかったことにしてはならな
い。
ましてや、安倍元首相の死を最大限利用した形での改憲は許されない。改憲は誰かの夢を叶えるものではない。
軍事ではなく対話を。改憲ではなく憲法を活かす政治を。大資本優先ではなく命と暮らしを守る政治を。戦後レジームからの脱却ではなく差別排外主義からの脱却を。
この後、なりふり構わず改憲を進めてくるであろう勢力と対決しよう。
今こそ私たちは恐れることなく声を大にして、改憲と軍拡、戦争準備に反対の声をあげよう

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