声明・論評

2022年参議院議員選挙公示に際し  平和と生活の保障か、破壊かの分岐点に立って(2022年6月22日)

今回の参議院議員選挙は日本社会の明日を決定づける分岐点となります。

この選挙は長年にわたる自公連立(安倍・菅)政権を継承し、東アジアの軍事的緊張の増大とコロナ禍対策の失敗、経済政策の破綻によるインフレなどの悪政を人々に押し付け、人々の安全と生活を破壊する「翼賛国会」の道をすすむのか、それともこの悪政を転換する希望の政治への契機をつくるのかの分岐点です。

今年の通常国会では、3年以上も続いてなお出口が見えないコロナ禍に加えて、生活破壊の物価高騰が人々の生活を直撃し、社会の貧困と格差が猛烈な勢いで拡大しました。長年続いた「アベノミクス」のもとでの異次元金融緩和政策は破綻し、岸田首相がいう「新しい資本主義」とか「所得倍増」などは大企業と大金持ちは富ませても、庶民の生活の苦境と困難が急速に進行しています。いったいこの国の政治はどこの、誰に向いているのでしょうか。いまこそ、長年続いた自公政権に断を下し、有権者の一票で厳しいお灸を据えなければなりません。

折から勃発したロシアによるウクライナ侵攻に便乗し、改憲と軍備増強の合唱が繰り返されています。声高にさけばれる憲法9条の改憲や緊急事態条項の導入などの声の下で、軍事費の倍増、敵基地攻撃能力保有、核兵器の共有、「台湾有事は日本有事」などなど、従来の日本政府がとってきた「専守防衛」「平和主義」「非核3原則」など「国是」とされてきた政治の原則が相次いで壊される議論が言論界やマスメディアを覆っています。

昨年の総選挙で自公など与党が圧倒的な多数をしめた国会では、こうした議論に日本維新の会や国民民主党までが加わって、人々が切実に望んでもいない「改憲」を緊急の課題として騒ぎ立て、国会の憲法審査会の議論を強引に進める一方で、経済安全保障法など危うい法律が十分な議論がないままに強行されました。

圧倒的多数の与党とその追随勢力、翼賛的なメディアの報道のもとで、内閣提出法案成立100%という異常な事態です。民主主義が危機にさらされています。

ふりかえってみれば前回2019年の参院選の投票率は48.80%で、これは1995年の44.52%に次ぐ低投票率でした。こうして有権者の4分の1程度の支持しか得ていないような政権のもとで、政治が重大な岐路に立たされていることは深刻です。いまこそ私たちはこの国の主権者としての自覚と責任をもって声をあげ、この選挙に参加していかねばなりません。

さる5月9日、私たち「市民連合」は、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、碧水会、沖縄の風の3党2会派との間で平和、くらし、環境、差別など4つの項目から成る「政策要望書」に合意しました。これらの立憲野党が共同して大きく前進し、明日の政治の変革への希望を切り拓くことができるかどうかは、この参議院選挙の最大の焦点になります。

7月10日、ここが歴史の分岐点です。

2022年6月22日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

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