ロシアがウクライナに侵攻してから間もなく2カ月半になる。
ウクライナでは500万におよぶひとびとが難民となって国をのがれ、それに倍する人びとが国内で戦火に追われて住む家を失って難民となり、数えきれない人々が殺され傷ついている。学校や病院、民間アパート、鉄道駅など非軍事の施設まで爆撃され、無差別に砲撃されている。原子力発電所も制圧された。ウクライナの肥沃で広大な畑や野原や林も焼け野原になった。これらはすべて「戦争」のなせる業だ。
いま人々の「戦争やめろ」の声が、ウクライナから、プーチンのロシアから、東西ヨーロッパから、アジアから、アフリカから、中南米から、全世界から地鳴りのように聞こえてくる。「戦争反対」「侵略やめろ」「直ちに停戦!」の声が世界各地から上がっている。
爆弾と砲撃の轟音(ごうおん)の中で、日に日に高まるこの声こそが希望だ。平和を願う全世界の人々の切実な声こそが希望だ。この声は非道な戦争を進めるものの手をやがて縛りあげ、戦争を止めるだろう。
この度のロシアのウクライナ侵攻は2度にわたる世界大戦を経て人類が獲得した国連憲章の「国際紛争を平和的に解決する原則」に反し、「武力による威嚇または武力の行使を禁止する国連憲章第1章2条4項に明白に反するものだ。
いかなる理由があれ、ロシアの今回の蛮行は許されない。ロシアはただちに軍事行動を停止し、撤退しなければならない。
しかし、わたしたちはこの侵略戦争のさなかに、日本で惨事に便乗するがごとく、まことしやかに語られている暴論の数々を見逃すことはできない。「憲法9条は役に立たない」「日本も非核3原則を放棄して米国と核兵器を共有すべきだ」「軍事費を倍加しよう」「台湾有事に備えよう」「敵基地攻撃能力をもとう」「基地だけではなく敵の中枢も攻撃しよう」などなどの言説だ。
憲法9条にもとづいた外交努力で近隣諸国との友好共存関係の積み上げを怠り、列強との軍事同盟や軍事協力を強化し、軍事力を強化して緊張を煽り立て、いたずらに他国を誹謗し、戦争の危機をあおり立てるこの道は、日本を際限のない軍拡競争にひきづりこみ、やがて壊滅的な戦争の勃発を招きかねないものだ。この道は日本がかつて歩んだ道だ。これこそがいまウクライナで起きている事態の教訓ではないか。
本日、日本国憲法施行75周年にあたる5月3日、東京都防災公園に集まった私たち市民は、集会の総意において、平和を希求する全世界の民衆に連帯し、なかんずくウクライナとロシアの民衆に連帯して、ロシアの侵略戦争を直ちにやめよ、人を殺すな・即時停戦実現の声をあげる。そしてこれに便乗した日本政府の一切の軍拡策動に反対し、憲法9条を掲げ世界の市民とともに平和をつくり出す闘いに全力を挙げてとりくむことを、宣言する。
2022年5月3日
改憲発議許さない!守ろう 平和といのちとくらし 2022年憲法大集会