声明・論評

内閣総理大臣 安倍晋三様
外務大臣 岸田文雄様

安田純平さんの平和的解放のため全力での努力を求めます

埼玉県出身のフリージャーナリスト、安田純平さんは、3月16日の42歳の誕生日に動画上で短いメッセージを発しました。昨年6月に取材のためシリアに入国して行方不明となって以来、初めて消息が明らかになりました。つづいてこの5月29日に、再度、安田さんからのメッセージが公開されました。これらのメッセージの信憑性については政府も確認しているところです。

この動画で安田さんは、「助けてください。これが最後のチャンスです」と書いたボードを掲げ、救出を訴えています。

昨年7月、安田さんがシリアで拘束されているのではとの記者の質問に対し、岸田外相は「少なくとも今現在、邦人が拘束されたという情報には接していない」と否定していました。そして3月の動画公表に際し、岸田外相は「政府にとって日本人の安全確保は重大な責務」と言いましたが、この間、政府は何をしてきたのでしょうか。私たち市民には知らされていません。また、岸田外相は「情報網を駆使して対応している」と語りましたが、以降も進展はまったく見られないまま、今日に至っています。

私たちは2004年4月にイラクで拘束された高遠菜穂子さんら3人のボランティアと安田さんら2人のフリージャーナリストの解放・救出のため、「これらの人びとはアラブの敵ではなく友人だ」と国際的にも働きかけ、イラク攻撃・占領への自衛隊の派遣に強く反対してきました。さいわい、この5人は解放されましたが、10月にはフリージャーナリストの香田証生さんが殺害されてしまいました。そして2015年初めには、中東で拘束されていた後藤健二さんと湯川遥菜さんが殺害されてしまいました。私たちは、このような悲劇を繰り返したくありません。いま拘束されている安田さんが善意のジャーナリストであり、決してアラブの敵ではないことは明らかです。安田さんを拘束している人びとが、この認識に立ち、速やかに安田さんを解放するようこころから求めます。

そして同時に、日本政府が安田さんの平和的な解放に向け、あらゆる努力を行うよう強く求めます。平和的解決のために、拘束者やその関係する組織や人物などへの直接、間接のあらゆるアプローチと、解決策に関する粘り強い交渉を行うべきです。あくまで人命を最優先し、安田さんの命を危機にさらすような、軽率な言動を避け、慎重に対応することを強く求めます。時間は残されていません。こうした努力で安田さんを一日も早く救出すること、それが政府の最も重要な責任です。

6月6日夕刻、首相官邸前に集まった市民有志の名において、この声明を発します。

2016年6月6日
解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会
WORLD PEACE NOW 実行委員会
(連絡先:電03‐3221‐4668 Fax03-3221-2558)

 

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