声明・論評

安倍内閣による集団的自衛権の政府解釈の変更の企てに反撃し、阻止しよう

安倍首相は内外の多くの人々の反対を押し切って強行した昨年の靖国神社参拝や尖閣諸島・竹島などをめぐる領土問題での東アジアの緊張を口実にして、集団的自衛権の政府解釈を企て、「戦争をする国」にむけての体制づくりにひた走っています。

いま第9条をはじめとする日本国憲法の平和主義はかつてない危機に直面しています。
2月13日、安倍首相は国会で「政府の(憲法解釈の)答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない」などと発言しました。これは選挙で多数派になれば、その時々の内閣が勝手に憲法解釈を変更できるというもので、憲法の立憲主義の精神を真っ向から否定するものです。

安倍首相はこうした乱暴な憲法観に基づいて、4月にも出されるという首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の答申を受けて、歴代政権による集団的自衛権の解釈の変更の閣議決定を強行し、そのうえでただちに自衛隊法の改定など、関連法の整備に着手する構えです。平和を願う多くの人々の反撃を受けて、第一次安倍内閣で9条明文改憲に失敗し、第二次安倍内閣で96条改憲にも失敗した安倍晋三首相は、国家安全保障基本法による自衛権の解釈の変更を検討してきましたが、これも容易でないとみるや、閣議決定で解釈を変更するという最も乱暴な手段に出てきたのです。「そのための布石として,昨年8月には内閣法制局の人事に介入し,第一次安倍内閣時の安保法制懇で集団的自衛権容認の4類型取りまとめの事務方の中心人物だった小松一郎駐仏大使を新長官に据えています。

「積極的平和主義」を看板にしたこの道は、日本国憲法の平和主義の精神とは真逆の、「積極的」に武力によって国際問題を「解決する」という極めて危険な道に他なりません。

すでに安倍政権は昨年秋の臨時国会で「国家安全保障会議設置法」と「特定秘密保護法」という事実上の戦争準備法を成立させました。しかし、昨年末の秘密保護法反対の運動はかつてない高まりをつくり出しました。広範な市民団体、労働団体、学者・文化人らの協働の運動は多様な形態の行動をつくり出し、大衆行動で安倍内閣を追いつめました。

いま、集団的自衛権の政府解釈変更の企てを前にして、再び広範な人々が協働して立ち上がることが求められています。憲法9条改憲に反対してたたかってきた人々はもとより、米軍基地・自衛隊の拡張強化や統合運用に反対してきた人々、貧困や差別のない社会をめざし平和に生きる権利を求めてたたかう人々、脱原発をめざし行動してきた人々、秘密保護法廃止に立ち上がった人々など全ての人々はいま、それぞれの課題に足場を置きながら、この安倍政権が企てる「戦争する国」への道に協働して反撃するときだと思います。いまこそ共に立ち上がって、可能なあらゆる形態での運動を起こし、世論を変え、安倍内閣を包囲しましょう。再び戦火が起こることに反対するアジアの人々とも一層連帯を強め、全力を挙げて集団的自衛権行使容認の企てを阻止しましょう。

2014年2月16日
第17回 許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会

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