先のイラク戦争によって、破壊と殺戮が繰り返されました。想像してみましょう。もし日本に憲法9条がなく、自衛隊が米国のイラク戦争に参戦していたとすればどうなっていたでしょうか。自衛隊はアメリカの強力な同盟軍としてイラクの人びとを大量に殺戮し、自衛隊員もまた多くの命を失ったことでしょう。武力では、平和はつくれません。憲法9条を活かし、紛争をすべて話し合いで解決する勇気と不断の努力が求められています。
ところが、橋下市長は、最近、「がれき処理が問題になったら一斉に拒絶。すべては憲法9条が原因」「9条の価値は自分の嫌いなことはやりませんという風にずっと思っています。」などと、憲法9条敵視の発言をくりかえし、また9条の改憲を唱えています。こうした突拍子もない発言は、個人的な発言にとどまらず、憲法第99条で定められた「公務員の憲法を尊重し擁護する義務」を踏みにじるものであり許されるものではありません。また、橋下市長は、憲法9条は、「自己犠牲はしません」という意味であるとも語っています。
これは、9条を冒涜するだけでなく、平和憲法を体現し、イラクやアフガニスタンで懸命に活動するNGOなどを冒涜する発言であり断じて許すことはできません。
私たちは、橋下市長に対し、一連の憲法9条敵視・改憲発言をすみやかに撤回することを強く求めます。
また、橋下市長は、先のダブル選挙で勝利して以降、市民から「全権白紙委任」されたといった傲慢な認識に立って、強権的な政治手法をとり続けています。その一環として、大阪市職員に対して憲法違反の職員アンケートなる「思想調査」を業務命令で行っています。
私たちは、橋下市長に対し、データの速やかな廃棄と謝罪を求めるものです。
そればかりか、橋下市長は、「日の丸・君が代」起立強制条例につづき、大阪市議会に、「職員基本条例案」「教育基本条例案」を提出しています。これら条例案は、明らかに、思想及び良心の自由をうたった憲法第19条に違反しています。
私たちは、橋下市長に対し、両条例案の撤回を求めます。
私たちは、橋下市長が、9条敵視の改憲発言を撤回し、憲法にのっとった政治を行うよう強く要請するものです。
2012年3月25日
とめよう改憲!おおさかネットワーク第6回総会参加者一同