声明・論評

第15回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会in広島アピール

私たちは2012年2月18日から20日まで、広島市を中心に山口県上関と岩国などで「第15回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会」を開催しました。

昨年の第14回集会は米軍日出生台演習場のある大分県において開催され、「憲法と安保と基地」などの問題を考えました。しかし、その熱気も冷めやらないうちに3月11日の東日本大震災と東電福島第一原子力発電所の未曾有の大事故が起こりました。

それ以来、私たちは憲法と、基地、原発の問題、第9条や25条の問題をいっそう深刻に考え、とらえ直しつつ、運動の現場に身を置いてきました。この1年、東京の明治公園での「9・19さようなら原発6万人集会」をはじめ、脱原発の運動は原発立地周辺の自治体や地域住民などをはじめ全国各地で大きく高揚しました。

今日なお、憲法を活かし、前文と9条が保障する平和的生存権、25条が保障する生存権を実現する課題は緊急です。

今回の全国交流集会は、福島から、長年、脱原発運動に取り組んできたハイロアクション福島の武藤類子さんと政治学者の渡辺治さんを招きました。また20日からのフィールドワークでは、上関原発の立地予定地や米軍岩国基地の周辺を訪ねて住民のみなさんのお話を聞き、私たちはあらためて憲法を活かし、基地や原発のない社会を実現し、それを次の世代の人びとに手渡すために奮闘することを誓い合いました。

しかしながら、こうした中で国会では改憲のための憲法審査会を始動させ、非常事態条項の導入や、96条の改憲規定の緩和などを目指す動きがあります。そしてこの間、平和憲法を掲げる国是ともなってきた武器輸出3原則の緩和や、PKO5原則の緩和、沖縄の基地の強化など、実質的な改憲の動きが絶えません。そして、原発再稼働の動きがあります。政権奪回をめざす自民党はサンフランシスコ条約発効60周年にあたるこの4月28日を期して、同党の改憲草案を改定し、いっそう復古主義的な装いをこらした改憲への動きを強めようとしています。与党民主党のなかにもこれらの動きに呼応しようとしている人びとが少なくありません。平沼・石原らの古手と、維新新党の橋下らの、なにやらきな臭い改憲派新党の動きもあります。

私たちは、いま、憲法を活かして、いっそう3・11の被災地への支援を強め、原発震災をくり返さないための体制を確立すべき時に、震災に便乗して自衛隊の明記や非常事態条項の挿入などの姑息な改憲論議を進める人びとの策動を許しません。

明文改憲をめざした安倍内閣の崩壊以降、ともすると停滞気味と言われた改憲阻止の運動を再度、活性化させ、力強く巻き返さなければなりません。私たちは脱原発をはじめ、さまざまな課題で奮闘する全国各地の市民運動のひとびとと大きく手をつなぎ、憲法改悪に反対し、第9条や25条をはじめとする憲法3原則を活かす運動を強めることを決意します。

輝け、憲法9条、25条! 憲法審査会を足場にした改憲策動反対! 被災地をはじめ、すべての人びとに生存権の保障を! 原発いらない、すべての原発を廃炉に! 基地をなくして平和なアジアを!

2012年2月19日
第15回 許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会in広島

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