声明・論評

共同声明 2011年12月27日

違法な辺野古アセス評価書の提出に強く抗議する

政府・防衛省は、辺野古アセス(普天間飛行場代替施設建設に係わる環境影響評価)の評価書を、沖縄県に提出する方針を固めたが、2011年11月17日にWWFジャパンを含む11団体での共同声明に記したとおり、辺野古アセスは、以下の点で、適切な環境アセスメント手続きに値しない違法なものである。

方法書を公開する前に、自衛艦を導入して事前調査(環境現況調査)を強行したことは、環境アセスの手続きを定めた環境影響評価法および沖縄県環境影響評価条例に違反している。

事前調査で、水中ビデオカメラ、パッシブ・ソナー(音響探知機)、サンゴ幼生着床板などを112カ所に設置し運用したことにより、自然環境と野生生物に悪影響を与えてから環境アセスの現地調査を行ったため、環境アセス自体が非科学的なものになっている。

方法書における事業内容の記述が不十分なだけでなく、その後で、弾薬装弾場、洗機場、ヘリパッドなど環境影響が大きいと考えられる新たな事業内容を後出し追加しているため、法に従って方法書段階に戻るべきである。また、これらの追加に関しては、住民意見を述べる機会が奪われている。

準備書の結論は「事業実施区域周辺におよぼす影響は総じて少ない」となっているが、これは先に結論があり、それに向けて調査結果を羅列し、影響は少ないと強引にこじつけただけで、まったく非科学的で正当性のないものである。

辺野古アセスでは、環境影響の大きい垂直離着陸機MV22オスプレイの配備を隠蔽してきた。米国では、オスプレイ配備については、それだけで環境アセスが義務づけられている。たびたび墜落事故を起こしているこの機種の配備が、環境アセスに含められていないのは問題であり、環境アセスとしては大きな欠陥である。

以上のことから、今回提出する政府・防衛省の辺野古アセス評価書は、環境影響をできるだけ正当に予測・評価し、充分な環境保全の措置を検討するものとして不適当である。よって同評価書に基づく手続きを即時停止するよう要請する。

JUCON(沖縄のための日米市民ネットワーク)
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
日本環境法律家連盟(JELF)
ジュゴン弁護団
辺野古への基地建設をゆるさない実行委員会
沖縄意見公告運動
許すな!憲法改悪・市民連絡会
WWFジャパン

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