声明・論評

2011年11月30日

内閣総理大臣 野田 佳彦様
防衛大臣 一川 保夫様
内閣府特命沖縄担当大臣 川端 達夫様

田中聡沖縄防衛局長の差別的暴言に対する緊急抗議文

許すな!憲法改悪・市民連絡会
東京都千代田区三崎町2-21-6-301
電話 03-3221-4668

 11月28日、沖縄防衛局の田中聡局長が報道陣との懇談会の席で、米軍普天間飛行場の移転にかかわる環境影響評価書の年内提出に関連し「(女性を)これから犯す前に犯しますよと言いますか」と発言したと報道されました。この報道を聞いたとき私たちは耳を疑いました。あまりの発言に驚き、怒りにふるえました。この発言は沖縄差別と人権への無理解が暴露されたものであり、許すことができません。

また、沖縄のひとびとは戦後一貫して米軍基地の撤去を願い、たたかってきました。なかでも普天間飛行場の撤去問題は、1995年の米兵による少女暴行事件がきっかけになって動き出した事を思えば、今回の発言はあまりにも酷く、沖縄県民を侮辱し、女性の人権を貶めるものにほかなりません。

さらに、田中局長は「400年前の薩摩藩の侵攻のときは、琉球に軍がいなかったから攻められた。『基地のない、平和な島』はあり得ない」と語ったとも報じられています。これは日本国憲法の平和主義をまっこうから否定するもので、憲法遵守義務のある国家公務員として不適切きわまりないものです。

このような発言は決して田中氏個人の偶発的なものとは考えられません。防衛省や沖縄防衛局内の日常の活動の産物であると疑わざるをえません。それゆえ、ひとり田中局長の更迭で問題が解決する事ではありません。事は日本国憲法の基本理念の冒涜にかかわる重大問題です。政府・防衛省は一川防衛相の引責辞任を含めその責任を明らかにし、問題発言の根源を徹底的にえぐり出して再発防止の措置を講じ、沖縄の人びとと全ての女性に謝罪する必要があります。そして普天間基地の即時撤去と、辺野古新基地建設および環境影響評価書の年内提出を断念しなければなりません。

以上、抗議し、要求します。

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