声明・論評

東日本大震災にともなう福島第一原発事故についてのWORLD PEACE NOWの声明

3月11日、東日本を襲った大地震と大津波は、東電福島第1原発の冷却システムを麻痺させ、少なくとも4基の原発から大量の放射性物質が大気と大地、海に広がっています。その1ヵ月後、政府の原子力安全・保安院は、この原発危機をチェルノブイリと同じ最悪の「レベル7」と認めました。

「原発には5重の防護システムがあり、絶対安全」という政府・電力会社・多くの原子力学者らの「安全神話」は、自然の威力の前にあっけなく崩れ去りました。しかし、このことは良心的な学者・研究者、原発が立地される地域の住民、心ある市民などが長年にわたって指摘してきたことでした。東電は津波対策も手抜きし、政府もそれを黙認してきました。現在進行中の原発震災は、まさに人災にほかなりません。

 福島原発から放出される放射性物質は、今なお風に乗り雨に混じって私たちの上に降り続けています。放出された核生成物には半減期がとてつもなく長いものもあり、体外被曝だけでなく、体内被曝も私たちを襲ってくることが危惧されます。

放射能に最も弱いのは子どもたちです。そして若者も大人たちも、何年か何十年かをかけて蝕まれていくでしょう。また大気と海に放出された放射性物質は、世界中に広がり、海に棲む生命に取り込まれることで、食物連鎖の末にやがて私たちの体にも影響を与えます。「核はあらゆる<いのち>と共存できない」ということの正しさが、冷厳に現出し、その事実が私たちに「それでも原発を使うのか」と問いかけているのです。

私たち WORLD PEACE NOW は、「武力で平和はつくれない」という信念を共有する人びとのネットワークとして行動してきました。平和の大切さは、それがなければ生命も人権も失われ損なわれるからです。原発も、生命と人権を奪い損なうものです。私たちは、改めて求めます。

1、放射能被害の拡大をくいとめ、生命、健康、地域社会の保全を最優先させるべきです。
2、日本政府は脱原発のエネルギー政策に転換し、エネルギーの浪費をやめ、再生可能エネルギ
ーを開発・普及すべきです。
3、原発推進を主導、加担した責任者を明らかにし、その責任を追及すべきです。
4、今回の原発事故により被害を受けた人びとに十分な補償を行うべきです。

私たちはこの立場から、「原発はSTOP」「被害者を救おう」という運動に参加し、協力していきます。

2011年4月14日
WORLD PEACE NOW

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