声明・論評

「第14回 許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会in大分&日出生台」決議

2011年2月5~6日、私たちは憲法の改悪に反対し、第9条をはじめとする憲法の3原則を生かし、実現するための市民運動全国交流集会を大分県大分市と日出生台で開催しました。

今回で14回目を数えるこの全国交流集会は、1990年代から今日まで、憲法改悪に反対する全国の草の根の市民運動の連携と共同を形成する上で、重要な役割を果たしてきました。この全国交流集会は、出発当時、各地に分散していた無党派の草の根の市民運動が、緩やかに連携し、改憲の流れに抗していくうえでの貴重な足場となりました。以後、各地の市民運動は共同して、反戦平和、憲法改悪反対の運動を強め、アフガニスタン・イラク戦争反対をはじめとする反戦運動、「九条の会」運動、「9条世界会議」の成功などのために積極的に努力してきました。

これまで、この全国交流集会は東京、大阪、広島、沖縄などで開催してきましたが、今回は米軍の実弾砲撃訓練が行われている日出生台演習場のある大分県ではじめて開催しました。

大分開催にあたっての私たちの問題意識は「沖縄・日出生台から日本のいまが見える」と題した集会のタイトルにはっきりと現れています。

一昨年の政権交代に際して、沖縄の米軍普天間基地を「最低でも県外」と公約した民主党政権は、その後、変節を重ね、名護市の辺野古に移設するという日米合意を結びました。沖縄の人びとの積年の願いを逆手に取り、辺野古に最新鋭の新基地をつくるという暴挙と、沖縄の米海兵隊の県道104号線越え実弾砲撃演習を日出生台、東富士、北富士、王城寺原、矢臼別などに分散移転すると称してはじめた実弾演習を、なし崩し的に拡大強化する手口は極めて似通ったものです。

普天間基地の撤去、米軍基地の縮小・撤去は沖縄の島ぐるみの総意です。ここ日出生台でも長期にわたる住民の皆さんによる米軍訓練の縮小廃止を求める粘り強い運動がつづいています。

にもかかわらず、この住民の願いを無視して、米軍は2月7日から実弾演習を行おうとしています。全国交流集会に参加した私たちは地元の皆さんと共に、この米軍実弾砲撃演習に強く抗議し、中止を求め、以降、実態を全国で報告し、抗議の運動を強めることを決意しました。

この集会を通じて、あらためて、私たちは沖縄や日出生台の置かれている状況と問題が、決して現地だけの問題ではなく、日本に住む私たち全体の問題であり、アジアと世界の平和に直結する問題にほかならないと考えました。私たちは、いまあらためて第9条をはじめとする日本国憲法と日米安保体制のあり方を問い直し、普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対、日出生台演習場のすみやかな縮小廃止を主張し、「基地はどこにもいらない」と叫びたいと思います。

折しも、昨年末には「新防衛大綱」が策定され、北東アジアにおける中国や北朝鮮を仮想敵視した南西重視戦略、米・日・韓の軍事的連携強化の方向がとられようとしています。沖縄や日出生台はそのなかに組み込まれつつあります。菅首相はこの6月にも米国を訪問し、オバマ大統領との間で新たな日米共同宣言を出し、戦争を遂行する「日米同盟」の強化を確認しようとしています。いま始まった国会では、憲法改悪のために「憲法審査会」を始動させる動きも出ています。

今後、私たちはそれぞれの地域で運動を強化しながら全国的な連携を強め、改憲と戦争への動きに抗し、各国の人びととも手をつないで平和と人権のアジアの実現をめざしていくことを、本集会の名において確認します。

2011年2月5日~6日
第14回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会in大分&日出生台参加者一同

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