声明・論評

緊急共同アピール
国会議員の比例定数削減は民意を無視する民主主義の破壊です

菅首相は7月30日の記者会見で、「衆議院の比例定数80削減、参院定数40削減」を「8月中に党内の意見をとりまとめ、12月までに与野党で合意をはかる」よう、枝野幹事長と輿石参院議員会長に期限を区切って指示したことを公表しました。

これは議会制民主主義の根幹に関わる重大な問題で、私たちは容認できません。
参院選挙に際して、菅首相は「財政再建」を口実にして消費税の増税を主張し、世論の反発を受けましたが、そのためにも「まず国会議員自ら身を切ることが必要だ」というもっともらしい理由で、比例区定数削減を主張しています。

試算では比例区を80人削減すると改憲反対を主張する社民党も共産党も国会から消えかねないといわれています。小選挙区制を中心にして2大政党をめざすといいますが、2大政党制では多様な民意の選択肢が失われ、多くの民意が無視されることは明らかで、民主党が手本としてきた英国においてすら選挙制度を含めた見直しが始まり、連立政権が成立しています。また世界各国の国会議員数を有権者数と比較しても日本は少ない方に属します。

そして菅首相らがいうように衆院議員を80人減らしたところで、秘書給与などを合わせても年間56億円、参院の40人を加えても84億円減にしかなりません。

例えば自衛隊の装備の新規契約費は2010年度で6800億円にものぼり、いま自衛隊はさらに新型超音速機や、新型対艦ミサイルなどまで導入しようとしています。米軍への「思いやり予算」も年間2000億円に達しており、駐留軍関係費は6000億円を超えています。また米海兵隊のグアム移転費を日本は5000億円以上も負担しようとしています。政府がいうように辺野古に新基地がつくられれば、さらに巨額の税金が投入されることになります。その一方で消費税増税は法人税引き下げとセットになっていることも見逃せません。菅首相と民主党のマニフェストは明らかに論理のすり変えです。

多数の民意を政治から排除し、2大政党制という非民主主義的な国会につながる国会議員の比例定数削減と小選挙区制への純化という暴挙を許さないための声を、思想や政治的立場の違いを超えて、今こそ大きく広げましょう。

私たちは共同でこの声明に対する諸団体・個人の賛同を呼びかけます。第一次締め切りは民主党が集約するといっている8月末に合わせて、8月25日とし、国会議員に届けます。その後もひきつづき集めたいと思います。団体・個人とも連絡先を明記して下さい。発表は団体名と、個人は在住する都道府県名のみを付した個人名とに致します。インターネットでは個人名は公表しません。

【呼びかけ団体】
キリスト者政治連盟、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、全国労働組合連絡協議会、日本キリスト教協議会、日本山妙法寺、VAWW-NETジャパン、ふぇみん婦人民主クラブ、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネット、平和をつくり出す宗教者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会(8月4日現在)

賛同連絡先
FAX:03-3221-2558
email:kenpou@annie.ne.jp

以下、団体賛同のみ公表。
I女性会議(あいじょせいかいぎ)、I女性会議東京都本部、アイヌとシサムのウコチャランケを実現させる会、アジア女性資料センター事務局、アジア連帯講座、あだち憲法懇談会、厚木市民九条の会、アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会、岡山宗教者九条の会(岡山県)、沖縄県憲法普及協議会、核のごみキャンペーン・中部、学校事務職員労働組合神奈川、樹花舎、教育・人権を考える品川の会、キリスト者政治連盟、9条でつなごう!めぐろネット、憲法9条を広める女たちの会、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、憲法を生かす千代田の会、憲法を生かす東京連絡会、神戸YWCA平和活動部、国連・憲法問題研究会、子どもの未来を望み見る会、品川・憲法を生かす会、市民憲法調査会、STOP!改憲・市民ネットワーク、世田谷市民運動いち、選挙供託金制度廃止運動、全国労働組合連絡協議会(全労協)、戦争への道を許さない北・板橋・豊島の女たちの会、第九条の会ヒロシマ、たんぽぽ舎、ティナラク織の会「カフティ」、盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会、盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会、日本キリスト教協議会、日本山妙法寺、日本YWCA、念仏者九条の会・北海道、NO!レイプNO!ベース女たちの会、VAWW-NETジャパン、ピースサイクル埼玉ネット、ビデオプレス、ふぇみん婦人民主クラブ、平和憲法とともに歩む中野の会、平和憲法21世紀の会、平和憲法を生かす新宿の会、平和を実現するキリスト者ネット、平和憲法を広める狛江連絡会、平和憲法を守り安保と基地をなくす会・東京、「平和への結集」をめざす市民の風、「平和・スポーツ愛好家9条の会」(北海道・会長 岩崎 正)、へいわとふくしを見つめる会(事務局・神奈川県)、元町憲法9条の会(京都府)、平和をつくり出す宗教者ネット、ユーゴネット、郵政労働者ユニオン中央本部、郵政ユニオン近畿地方本部、郵政労働者ユニオン大阪北部支部、 許すな!憲法改悪・市民連絡会、許すな!憲法改悪・北部市民連絡会、竜ヶ崎・有事法制反対・市民の会、労学舎、(8月27日現在 67団体、697個人)

このページのトップに戻る
「声明・論評」のトップページに戻る