朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)政府は5月25日、2006年10月9日以来、2回目の核実験を行った。私たちは1945年の広島・長崎への原爆投下がもたらしたすさまじい破壊と人間の苦痛を経て生まれた日本国憲法第9条を擁護し、それを生かし、実現するために奮闘している市民団体として、この核実験に怒りを込めて抗議する。
私たちは核兵器と人類はこの地球上において共存できず、核軍拡競争と核による威嚇は、核兵器の廃絶と平和を切望する全世界の民衆の願いに逆行し、世界とアジアの緊張を激化させるだけであると考える。この度の北朝鮮による核実験はいかなる理由によっても正当化できるものではありえない。
いま、求められているのは東北アジアの緊張の緩和と非核・平和の確立であり、そのための真剣な対話と協議である。北朝鮮政府はただちに朝鮮半島の非核化のための「6カ国協議」に復帰し、東北アジアの平和のために各国政府との対話をすすめるべきである。また、日本政府や米国政府はこの機を利用して制裁を強めるなど、いたずらに北朝鮮を敵視し、東北アジアの緊張を激化させる行動をとるべきではない。そして両国政府は2002年の小泉訪朝の際に発表された「日朝平壌宣言」を基礎とした対話による関係の回復のため力を尽くすべきである。
私たちは北朝鮮が危険な瀬戸際政策をあらため、核兵器を放棄し、核実験のための一切の施設を放棄するよう、要求する。同時にすべての核保有国が平和と核廃絶への真剣な努力をつよめるよう要求する。
2009年5月26日