声明・論評

第12回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会アピール

反戦平和を願い、憲法の改悪に反対して、活動をしている全国のみなさん。

私たちは2月13日から15日に沖縄に集い、「憲法9条を燦々と!沖縄から基地・安保体制を問う 第12回 許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会」を開きました。

昨今の憲法をめぐる情勢は、安倍内閣の崩壊以降、9条明文改憲の動きは下火になりましたが、先の田母神空幕長の論文に見られるように、その動きは止んでおりませんし、憲法審査会始動の動きも予断を許しません。憲法のでたらめな解釈をもてあそび、さまざまな戦争法をつくり、戦争の出来る体制を強めようとする解釈改憲の動きがむしろ強まっています。日本政府は、昨年末に強行された「インド洋派兵給油新法」の延長につづいて、ソマリア沖海賊問題に名を借りて現行自衛隊法を拡大解釈して海外派兵を準備し、あわせて「海賊取締派兵新法」を準備しています。また、イラクからアフガンに戦争のシフトを変えた米国オバマ政権に追従して、復興援助を口実にしたアフガニスタン本土への武装した自衛隊の派兵を画策し、「自衛隊海外派兵恒久法」の制定や、「集団的自衛権」の行使の合憲化をめざす動きをみせるなど、事実上憲法第9条を破壊するような策動を進めています。

さらに見逃せないことは、米軍再編を機に急速に強化されつつある在日米軍と自衛隊の作戦能力の強化が具体的にすすんでいることです。沖縄の辺野古の新基地建設、高江のヘリパッド基地の建設の動きをはじめとして、全国で軍事基地の再編強化と、 グローバルな規模での作戦に対応できる 日米共同作戦体制が急速に強化されています。在日米軍基地の75%が集中する沖縄はそれがもっとも顕著にあらわれています。

2010年は日米安保条約50周年にあたりますが、こうして日米安保体制と平和憲法の乖離がますます進んでおります。

このような時に日本国憲法第9条の価値を大切に思い、それを生かすために努力してきた全国各地の市民運動が沖縄に集い、「沖縄から基地・安保体制を問う」全国交流集会を開催したことは、今後の全国の市民運動、憲法運動にとって極めて重要な試みでした。

この「市民運動全国交流集会」は06年の広島集会で「9条と24条」をテーマにし、07年大阪集会では「9条と25条」をテーマに議論し、08年には「9条を世界へ、世界から」を掲げて9条世界会議を準備してきました。これらの全国交流集会はその後の憲法改悪に反対する運動を強める上で、それぞれ重要な役割を果たしてきました。

昨年、世論調査では「護憲」が「改憲」を上回り、「9条擁護」の声が圧倒的多数になりました。私たちは全国各地の草の根に急速に形成されつつある「九条の会」をはじめとする市民運動の強化に協力して、9条擁護の世論をいっそう強めていきます。私たちはその広範な運動を背景にして、反戦・反安保・基地撤去の運動を強め、その連携をすすめます。

私たちはお隣韓国の民衆をはじめ、2008年5月「9条世界会議」に集まった多くの国々の人々と共に、9条の価値を大切にする運動を全世界に広げ、戦争に反対し、戦争のない世界を創るために努力します。

今年は総選挙の年です。私たちは政党と市民運動の間の緊張関係を保ちながらも、憲法を破壊し、戦争のできる国づくりをすすめてきた自民党を中心とする与党を打ち破り、野党、とりわけ「護憲」を掲げる野党と候補者を支持して衆議院でも与野党逆転の実現をめざします。

私たちは本年の沖縄集会を契機に、反基地、反安保の運動と憲法改悪反対の運動をいっそうしっかりと結びつけ、憲法第9条を生かし、実現するための運動を草の根から強化したいと思います。

以上、決議します。

2009年2月15日
『第12回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会in沖縄』参加者一同

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