声明・論評

緊急声明:ソマリア沖海賊対策に名を借りた海自艦の派兵に反対する

麻生内閣は年明け早々にも、アフリカ東部ソマリア沖での海賊対策を口実に海上自衛艦を派兵しようとしている。

政府はこの間、ソマリア沖海賊対策特措法や、海賊対策恒久法の制定などを模索してきたが、米国などの要求のもと、派兵を急ぐために、新法制定を待たず、自衛隊法82条の海上警備行動を適用して派兵したいとの意向である。

この背景にはイラク、アフガニスタン情勢の変化のもとで、「なにはともあれ自衛隊を派遣したい」との日本政府の強い願望がある。国連安保理では08年6月と10月に、日本政府が共同提案国になった「海賊対策決議」が行われ、12月にはソマリア領土内で「あらゆる必要な措置をとる」ことを求める決議がだされた。政府はこれを根拠に国際社会の要求に応えるとしているが、この国連決議には重大な疑義がある。国連憲章第7章を「海賊」に適用すること自体に無理があるし、日本政府が2度にわたる安保理決議の共同提案国になっていることも、憲法上重大な疑義がある。

またいま、政府が自衛隊法82条を適用して、海自艦を領海内からはるかに遠いソマリア沖に派兵するようなことは、「専守防衛」を前提にしてきた自衛隊法を逸脱しており、政府の一方的な「解釈」で派兵を「合法」とするのはあまりにも法の軽視、議会制民主主義の軽視である。また、小型の火器しか持っていない漁民などの「海賊」に重武装した自衛艦による軍事行動を対置するのは憲法第9条の精神に真っ向から反するものと言わなければならない。麻生内閣の立場は「まず派兵ありき」の極めて危険な動きである。

そもそもソマリアの海賊問題は欧米各国の介入がつくり出したソマリアの内戦による無政府状態と漁民など住民の貧困と大国の海洋支配への反発が根本原因であり、この解決なくして「海賊問題」の解決はない。いまソマリアの近隣諸国は海賊対策で海上での警察力を強化しようとしている。憲法第9条をもつ日本の政府がまずなすべき事は、アフガン戦争以来、極めて安易になった列強の軍事介入に加担することではなく、アフリカ諸国の和平努力に協力し、沿岸諸国の海上警察活動など自主的な努力に協力し、この地域の貧困と破壊を食い止めるためのあらゆる可能な平和的援助の努力である。

麻生内閣の「まず派兵ありき」の「ソマリア海賊対策」に反対する。
自衛隊法82条適用の海上警備活動派兵は違法であり、中止すべきだ。
海賊対策に名を借りた「ソマリア派兵特措法」にも、「一般法」(恒久法)にも反対する。
武力で平和はつくれない。軍艦の派兵ではなく、平和的な民生支援を。

2008年12月28日
許すな!憲法改悪・市民連絡会

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