2008年11月4日
許すな!憲法改悪・市民連終会
東京都千代田区三崎町2-21-6-301
すでに報道されているように田母神俊雄・航空幕僚長は「我が国が侵略国家だったというのは濡れ衣だ」とか「(自衛隊が)集団的自衛権も行使できない(のはおかしい)」などとする論文を公表しました。
この見解は過去の侵略戦争と植民地支配についての明らかな歴史的事実を根本からゆがめ、日本国憲法制定の精神に真っ向から反したものであり、極めて主観的で、いい加減な歴史観にもとづくものです。それは平和を希求する日本とアジア諸国の民衆の願いを踏みにじるものです。
そればかりか、国民に軍事組織の暴走を連想させるような、憲法上、行使が許されない集団的自衛権問題の現状などに不満ものべるなど、重大な問題があります。
これらは日本国憲法の精神に真っ向から反するものであり、現役自衛官の最高幹部としての憲法尊重義務に反する、きわめて重大な憲法違反行為です。
田母神空幕長は、先ごろ、空白のイラクでの戦争協力を違憲と判断した名古屋高裁判決に際して「そんなの関係ねぇ」とちやかした札付きの人物です。それだけでなく、今回の論文の基本的立場が田母神氏によって、従来から幾度も繰り返されていたことは、防衛省の中ではよく知られていたことです。
こういう人物を航空自衛隊の最高幹部にすえていた防衛省と政府の責任も重大です。麻生内閣はこの問題を「不適切な見解、不適切な行為」などとして、田母神氏を更迭し、6000万円の退職金付きで「退職」させましたが、その政治的責任は田母神氏の罷免、退職だけでは終わりません。
これでは、平和憲法と立憲主義の根幹に関わる問題としての、ことの重大さの認識が全く連うといわざるを得ません。浜田防衛大臣と麻生首相は、「トカゲのしっぽ切り」のような対処をやめ、はっきりとこの論文の内容を否定し、シビリアンコントロールを台無しにするような、わが国最大の軍事組織の幹部の憲法違反行為を重視し、再びこのような事件を発生させないよう、全ての国民に対して事実関係を全面的に明らかにし、責任をとるべきです。
政府・防衛省はこの田母神問題を、このところ相次いだ「不祥事」問題などとあわせ、防衛省・自衛隊のあり方を抜本的に再検討する契機としなくてはなりません。
このごに及んで毅然たる態度をとれないでいる浜田防衛大臣は自らの責任を明確にし、辞職すべきです。
以上、心からの憤りをこめて要求します。