声明・論評

WPN声明

自衛隊はいかなる形でもアフガン戦争に加担・参戦してはならない

――テロ特措法の失効を歓迎します――

 今日11月1日、テロ特措法が失効します。これは私たちWORLD PEACE NOW実行委員会を含む全世界の平和を求める人びとの願いの反映であり、心から歓迎する立場を表明するものです。私たちは自衛艦による給油の継続のくわだても含めて、今後いかなる形でも自衛隊がアフガン戦争に参加・協力することがないよう強く求めます。

日本政府は、テロ特措法の度重なる延長により、6年にわたってインド洋北部に自衛艦を派遣し、有志国連合艦艇の海上阻止作戦に無償で給油・給水を続けてきました。これに費やされた私たちの税金はすでに燃料費だけでも220億円を超えています。

とくにその80%以上の給油を受けた米空母や戦闘艦は、アフガン全土に爆弾とミサイルの雨を降らせ、多くの住民を殺傷してきました。また、「アフガンのテロ対策」といいながら、自衛艦はイラク戦争におもむく米空母などにも給油していた事実が明らかになりました。これはテロ特措法にすら違反したもので、政府・自衛隊は私たちを欺いていたのです。

いま国会では、給油を継続するための「インド洋派兵・給油新法案」が審議されています。しかし現在のアフガニスタンの状況は、「武力によっては平和はつくれない」ことが誰の目にも明らかになっています。自衛隊はこれ以上、アフガン戦争に加担・協力すべきではありません。私たちは、平和を求めるアフガン民衆の願いを反映し、アフガン内部にも「話し合いによる平和解決」の動きが確実にあることに注目します。米英を中心とする多国籍軍はただちに民衆の抵抗に対する掃討作戦をやめ、和平への努力に転換すべきであり、日本政府もそのための環境づくりに力を注ぐべきです。

現在アフガニスタンには、別の目的をもった2つの軍事組織が派遣されています。1つは米軍の「不朽の自由作戦」と称する「テロとの戦い」であり、海上自衛隊はこの米軍の「テロとの戦争」を支援しています。もう1つは国連安保理決議で承認したISAF(国際治安支援部隊)です。

一部に、ISAF(国際治安支援部隊)なら国連安保理決議によるから自衛隊が参加してもいいとか、PRT(地域復興チーム)は住民に役立つから自衛隊を派遣してはどうか、などの議論があります。私たちはこれらにも重大な疑問を持っています。

ISAFは現在、NATOが主導し、米軍とともにアフガン全土で掃討作戦を行っており、多くのアフガン人の犠牲者を出し、ISAF兵士も700人もの死者を出しています。これへの自衛隊の参加は、自衛隊が地上戦に参加し、アフガン人に対して「殺し、殺される」立場に立つことを意味します。またPRTは、軍隊が住民に対し掃討作戦への協力とひきかえに医療品や食糧を配布するという活動を行っており、住民の分断と混乱を生み出しているだけでなく、良心的な国際NGOの信頼や中立性をも損なう危険なものです。私たちは、ISAFやPRTへの自衛隊の参加にも強く反対します。

テロ特措法の失効は、日本にとって、アフガン戦争やイラク戦争への加担政策を見直す重要な機会です。私たちは、これを歓迎すると同時に、世界中の市民とともに「武力では平和はつくれない」という声をさらに大きくし、これ以上の住民の犠牲をくいとめ、紛争の平和解決の実現のために行動することを表明します。

私たちは給油継続にも、新たな派兵にも反対します!
私たちは航空自衛隊のイラクからの即時撤退を求めます!

WORLD PEACE NOW!

2007年11月1日
WORLD PEACE NOW実行委員会

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