ブッシュ米大統領のアジテーションと小泉首相の絶叫を聞いていると、事態の深刻さをいよいよ痛切に感じる。9月11日の米国での無差別テロを契機に、21世紀最初の国際的規模での大規模な「戦争」と殺戮が迫っている。
ブッシュは「報復だ」「戦争だ」「クルセード(十字軍)だ」と叫んで、アメリカのナショナリズムを煽りたて、アフガンや他のアラブ諸国への攻撃を正当化しつつ、世界各国政府に米軍の戦争につき従うように強要している。いまだに無差別テロの犯人もわからず、その理由も背景も不明な段階にあるにもかかわらず、一方的に犯人を決めつけ、「報復戦争」を強行しようとしている。それは無法そのもので、国家的規模の無差別テロで、覇権主義の論理だ。
これに対して小泉首相は「人類全体に対する攻撃で、毅然として対処する」「なんでも協力する」「武力行使はしないが、その他あらゆる手段で協力する」「それもしないでわが国の責任が果たせるか」と叫ぶ。そして「テロ対策特別措置法案」(仮称)と、自衛隊による米軍基地の警護などに道を開く自衛隊法改定案を臨時国会に提出する。次の通常国会では「有事法制」や「集団的自衛権の行使の合憲確認」の法律などの提出も準備する予定だ。
改憲阻止闘争はいよいよ正念場だ。もしこれらの法案が国会を通過してしまえば、「大阪城の外堀が埋められた」状態になろう。しかし、各種の世論調査をみれば、日本の参戦の動きに多くが批判的だ。全国各地で市民の行動も起っている。運動の展開次第では、大きな世論を形成することは不可能ではない。いまこそ可能なかぎりの力を結集して、市民運動の波を起こそう。アメリカの市民やアラブの市民と連帯して、国際的な運動を起こそう。
10.21国際反戦デーの共同行動に全国で取り組み、その力で超党派の大規模な民衆の統一行動を組織しよう。