私と憲法

地域からの声

2003年12月6日夜~7日午前、全国各地から集まった仲間が、各地での行動の報告・展望、提案を話し合いました。
発言中の今年、来年などの表記はすべて2003年時のものです。
ここでは紙面の都合上、発言の要旨のみ紹介します。(文責=事務局)

【東京・杉並憲法集会連絡会 T】
杉並に点在している29の市民団体で、憲法を日常のなかに取り込んでいこうという活動をしている。地域では憲法というと左翼にみられるが、身の丈で普通に憲法が語れるような社会にしたい。11月には教育委員会の後援をとって集会をした。区報を見て沢山参加した。「人を殺さない社会を作っていきたい」というアンケートをたくさんいただいた。これをひろげ、重ねていくこと、そして大急ぎで手を結んでいきたい。

【大分・赤とんぼの会 M】
昨日、東京にいる子どもとその友達と食事をした。その友達は選挙のことを全く知らず説明したが、親が子どもと話し合っているのか、改めて責任を感じた。「赤とんぼの会」は、3千数百人から一人、千円をいただき、毎年8月15日に県下5紙に意見広告を載せてきた。千円いただくことで憲法の話ができる。カンパを集めてもその意味がピンときていない場合がある。改めて一人ひとりに憲法を分かりやすい言葉でアピールできる手段が何なのかを考えて日頃活動している。若い人につながっていきたい。

【内田雅敏弁護士】
弁護士会では有事法制の問題で初めて運動が活発になった。各地の単位弁護士会は3つを除いて対策本部をつくり、今も解散していないので、ぜひ皆さんも活用していただきたい。弁護士会も市民といっしょに活動したくてうずうずしている。例えば、意見広告を出した人たちが、憲法破壊の状況と因果関係があるとしてかかった費用の裁判を全国で起こしていくなどの連携を工夫してほしい。これに応える若手の弁護士はたくさんいる。平和行進も裁判などと関連させ、運動を創造的に連携・発展させてほしい。

【東京 O】
 核問題で署名を沢山集めたが、政府のおかげで反故になった。意見広告も効果がない。今やりたいのは平和行進。平和憲法はもう瀕死の状態だから紙とペンではだめで、体をはってやらなければだめだ。集会とスピリットと署名とをごったに煮ながら、いろんなところに止まりながら、大変なんだけれど楽しくて、沸き立つような、心のつながる、憲法の燃える行進をしよう。

【守ろう憲法と平和 きょうとネット】
 99年に宗教者の方が呼びかけて環境・平和やさまざまな市民運動が集まった。月一回の情報交換や時々の話題を学習してきた。5月3日に地方新聞に意見広告を出し、1500人規模の集会をしてきた。憲法が大変だというときには一致団結してやろうという態勢ができている。いよいよ憲法問題が煮詰まってきたいま、京都の有権者の半数の104万の署名を集めようと話し合っている。全国の動きに連帯していきたい。

【大阪・関西共同行動 T】

 市民団体の活動家の集団としていろんな活動をしている。イラク派兵反対では各自治体に請願をした。枚方市、高槻市、吹田市で採択された。吹田では市長までがイラク派兵反対を表明した。請願はラッキーなことも起こるし、簡単にできるので皆さんもやろう。伊丹に陸上自衛隊があるので、ホットラインをしたり、官舎にビラを入れた(家宅侵入をとわれる場合もあるので気をつけて)。1月にはイラク派兵反対で伊丹の自衛隊基地を人間の鎖で包囲する計画がある。自衛隊は各県に1カ所はあるので全国に呼び掛けている。

【千葉・自由大好き市民の会 K】
今なにが出来るかを話しあい、憲法改悪阻止のための行動提案をあげた。それは、 1.署名運動、 2.アイラブ憲法のバッチをつくる、 3.ホームページをつくる、 4.元旦に意見広告を出す、 5.(自・公を含め)護憲の国会議員の連帯をつくらせる、 6.改憲派議員(特に民主党議員)を勉強会に呼ぶ、各県でもしつこく働きかける、 7.アイラブ憲法グッズ、 8.護憲キャンペーンを全国規模で繰り広げる、たとえば各地で宣伝カーを出しパンフを配る、街頭で憲法を分かりやすく、訴えるのではなく話し掛ける、 9.わかりやすい1枚のビラを作り、各市民団体が買い上げる。

生協で憲法を読みたい人と毎月1条ずつ読む会を開いていて、81条まできた。今年になって毎月新しい人が5~6名きている。来年5月には憲法改正の項までいくので、その時には生協全体にチラシを配りたいと思っている。

【兵庫 憲法9条の会・関西 K】
大阪では憲法5団体でおおきな集会をするようになった。5月3日は、関西共同行動さんと毎年やっている。

私個人は、今年2月にイラク現地に行き開戦前に戻った。どの国民も戦争は欲していないことを知らせていきたい。ローカル紙にも記事がでたり、報告会をしたのがきっかけで「ラブ&ピース」という会ができた。以来、毎月集会や行動をしている。若い人は、戦争中の体験を聞きたいというので、そうした催しをしたり、署名活動にとりくんでいる。

【長野ピースサイクル O】
自転車でピースメッセージをつなごう、という運動が大阪で20年ほど前に始まり、長野でもとりくんでいる。スローガンに「憲法の前文と9条を世界に」を基本として入れてきた。夏の暑い時期が活動期だが、長野では夏だけではなくやってきた。周辺事態法の時は街頭でビラを配ったり、春や秋の行楽シーズンに自転車を走らせながら平和の問題にとりくんできた。地元の新聞記者とも仲良くなり、平和運動として認知され、憲法9条などを訴えてきた。また、「憲法を生かす会」をつくって学習会などをしている。社民党系の「長野県護憲ネット」も2年ほど前にできた。5月3日と11月3日には、それぞれ100名ぐらい集まる集会をしてきた。

【東京 H】
いくつもの平和団体に属しているが、私自身は「国民学校一年生の会」というのをつくっている。有事法制下での国民の暮らしがどうなるか、という質をうけ、当時の暮らしについて本を出版し、各地で話している。この会は各地でも作られ始めた。平和行進については、宗教者は靖国法案のときに、全国縦断キャラバンの経験がある。こうしたものも生かしたい。

【広島・第九条の会ヒロシマ K】
11月4日にシロタ・ベアテ・ゴードンさんを呼んで300名の集会をした。12月にもジェームス三木さんの脚本の「真珠の首飾り」を超党派でにとりくむ。来年くるであろう憲法調査会の広島公聴会に対抗する改憲阻止の統一戦線、連絡会にしたい。第九条の会ヒロシマは有事立法反対で他団体とともに行動したが、街頭では非常に反応がいい。ただ訴えるのではなく、今なら閣議決定を止められます、と言うと若い人などでも署名してくれる。10名ぐらいで机を並べて目立つようにするといい。来年の2月の自衛隊イラク派兵に向けて呉、小牧、北海道の陸海空の3軍の出動に対して抗議行動を起こす。被爆60年で原爆投下を問う民衆法廷も計画している。また、「行くな、行かすな、殺すな」ということで自衛隊基地をつないだ全国キャラバンも是非やりたい。

【兵庫・市民発/九条を世界へ尼崎市民の会 M】
尼崎市議会は48名の議員のうち市民派が3名で一つの勢力をなしている。県会議員ももっている。15年前に、朝日新聞の阪神支局が襲われ、記者が殺された。それ以来「言論の自由を守れ」を中心とした憲法の集会を開催、昨年からこの会をたちあげた。私たちは「尼崎市を変えよう!」をスローガンに40歳の女性市長を作ってきた。市政や民主主義については詳しい市長だが、反戦平和については弱いところがある。この面でもリーダーシップを発揮するように市長交渉をしているが、もう一歩踏み込めていない。

【高知・平和資料館草の家 K】
韓国から来て草の家で学習している学生です。イラク戦争が始まった日から1カ月ほど毎日2回、12時と夕方6時に市の中心でデモを続けた。学生を中心に映画会も計画している。街頭に大きな紙をおき、それぞれの声を書いてもらうこともしているが、若者はよく書いてくれる.冷たいのは大人で、平和を若者につなぐかが課題なのに、これは若者への罪だ。草の家では土佐弁で日本国憲法を分かりやすく訴えている。拉致問題は日本だけでなく東アジア全体の問題だ。イラク問題では、自衛隊の派遣もあるが韓国からはすでに軍隊が出ている。イラク派兵反対の一点で大きなアジアの連帯をつくれればいい。自分も架け橋になりたい。

【市民ピースネットワーク山梨 H】
 湾岸戦争の時以来取り組み始めた。政治的なものだけでなく写真展など文化的なものもとりあげ、運動に参加することでハッピーになれるにはどうしたらいいか、団塊の世代ばかりだがこれを変えるためにも違ったことをやろうと思っている。

イラク戦争が始まった3月には県下の全市町村に請願書を出したが、20の地方議会で採択された。12月にも取り組んでいる。どんな良い意見でも、共産党から出ると取りあげてくれない。では自民党的な立場かというとそうでもなく、隣の村のことだけを気にしている。徐々にビデオをみせたりしていくと、村長さんも「これはヒドイ」となり「議会に出します」ということになる。1月には劣化ウラン問題で講演会に取り組む。

【秋田 O】
誰でもが参加できる憲法の会をやっていて、講演会や県民集会を3回ほどやった。イラク戦争が始まってからは5月まで毎週日曜デモを秋田市の中心地で行った。11月30日からはイラク派兵反対の日曜デモを始め、今日は2回目をやっている。運動に参加することを通して現状を知ってもらおうとしている。有事法制反対ではナマハゲワッペンを5000個作って広げた。7月にはイージス艦が秋田に来たので、自衛隊に公開質問状を出したが回答はない。寄港反対の声明を会に参加している各団体で出した。今、一般市民が参加しやすいように知恵をしぼっている。

【東京・平和憲法を広める狛江連絡会O】
3年前に発足した。7月には「市民発平和フェスタ」で映画と講演をした。これまでは講演会が中心で、映画は初めて。市と教育委員会の後援をとったので、学校でビラを配ってもらい、市の広報板にポスターを貼ってもらった。夏休みの勉強ということで中学生が前の列にずらっと並ぶような状態になった。社会教育団体として市に登録しているので、平和の思いをじわじわと広げていく活動をしていきたい。近く市民共同条例ができるので、来年は市と共同して平和フェスタをしてはどうかという話し合いをもつことになっている。これとは別に超党派での行動も昨年6月に発足し、4回の屋内集会や講演会をしている。社民党系から共産党系、無党派などが一緒だが、ちょっと気を抜くと党に飲み込まれそうな気がして、すごく難しい。主催を参加団体の持ち回りにするなど、工夫していきたい。

【ピース佐賀 O】  
組合や党に関係なく、外に開かれた、憲法9条を中心に考える、地域に密着した会をつくりたい者が集まって2000年に会を立ち上げた。教科書問題や有事法制についての市や県との交渉、同じく有事法制やイラク攻撃に関する市民学習会を行ってきたが、アジアの視点から留学生との交流も考えている。他団体とのつながりを大切に、いろいろな運動をやっていきたい。

【東京・平和憲法を生かす新宿の会 W】
99年の周辺事態法のときに平和憲法が危なくなるとの思いで会をたちあげた。学習と都民に憲法が危ないことを知らせようと街宣もやってきた。1回だが新宿区にある防衛庁へのデモもやった。他区の生かす会との連携を深めるため昨年5月には「憲法を生かす会・東京連絡会」を作った。しかし首都圏では集会が頻繁でそこに出向くのが主な活動になっている。独自には2回講演会をした。中高年が多いので、若い人への呼びかけに力をいれている。

【「憲法」を愛する女性ネット I】
国会の憲法調査会の監視を活動の中心にしているが、通信を出したり、年1回の交流会もしている。世界の憲法についても学習し、女性関係と平和関係の関連項目をまとめ、本にした。学習してみると日本の憲法は分かりやすいしいいものだということが理解される。年齢を問わず新しい人にどう広げていくかが今後の課題。憲法改正のための国民投票法への対応を検討している。

【茨城・ネットワーク500 S】
以前から5・3集会をしていたが、3年ほど前に運動を見直し発足した。会員は550名ぐらい。全県に広がっているが市町村レベルでは3地域ぐらいにすぎない。県内各地で憲法だけではなくいろいろな課題にとりくんでいる人たちがゆるやかにつながっている。緊急の時にはなかなか動きにくい面もあるが、来年の5・3に向けた署名や、その後の「5000万」署名などもやっていきたい。現在は沖縄問題にとりくんでいて、そのなかで沖縄戦やいまの情勢などにも話をつないでいる。

【大阪・北摂市民ネットワーク M】
来年の5・3集会は、こういう状況なので、大阪では街頭に出てピース・ウォークと決めている。北摂市民ネットワークで、いろんな市民運動と社民党の応援をやってきたが、選挙の結果はがっかりした。しかし一方ではやってよかった。互いに全く知らなかった市民のつながりができた。そのネットワークを残し、何とか憲法の問題で繋がろうとしている。

【沖縄 Y】
全国の国土の0.6%の土地に米軍基地の75%が集中して58年もたっているということを、沖縄の問題としてでは なく、日本の全国の、日本人の問題として意識してほしいということが沖縄の人の願いだ。日本の権力者によって沖縄を黙らせようと不当なお金が、防衛施設庁を通して降ってくる。沖縄で目立つのはベースばかりで、外にはパチンコとサラリーローンだ。麻薬を打たれ続けてきた。

今、問題なのは北限のジュゴンの住む東海岸の過疎地に基地建設がすすんでいること。この地域は人間関係がこわれてしまい、物が言えない状態になっている。安保条約の下で税金を使って米軍基地を作り、銃剣とブルドーザーで取り上げられた土地に基地が58年も居座っている。今は、ボーリング調査といって調査の口実で63本もの櫓を建ててたので、もうジュゴンの藻場もダメになっている。ジュゴンのアセスメントとカリフォルニア州で裁判を起こすという2つを計画をしている。その資金のために絵はがきをひろげている。

私は本土の人として沖縄に行き、この沖縄の状況を何とかしたいと思う。多くの皆さんに考えてもらいたい。これを訴えるのが私の役割かとおもうので、全国からきているみなさんに各地に持って帰って欲しい。

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