市民連絡会事務局 高田健
今回の全国交流集会は7回目ですが、風邪の流行で、残念なことに、この間の常連だったような仲間の幾人かの顔が見えません。しかし、イラク派兵に反対するための全道の会議をしている北海道の仲間を除いて、沖縄・九州から東北ブロックまでの地域から(のべ20都府県127人)参加している。
いま日本の自衛隊が重装備でイラクの戦場に、戦時派兵されようとしている。アフガン特措法のレベルをはるかに超えた事態が進んでいる。日本の戦後が拒否してきた「普通の国」、欧米並みの戦争のできる国になろうとしている。かつての明治国家が目指した「坂の上の雲」、欧米列強に伍していく国、この「普通の国」の道が大破産した結果、現在の憲法を制定し、「普通の国」を目指すことを拒否した。しかし、いままた政府によってこれが否定されようとしている。
これに私たちは立ち向かおうとしている。今回の会議は、そのための「戦略」的な方針を確認する会議だ。国会の状況は決して容易ではない。通常国会には、国民保護法案など「有事法制」がだされる。改憲のための手続き法案も用意されている。派兵のための恒久法まで作ろうとしている。防衛庁の「省」昇格案もある。悪法が山積している。
しかし、憲法9条をかえるべきではないというのは、この社会では依然として多数派だ。イラク戦争を始めたのは間違いだったという人も大多数だ。自衛隊のイラク派兵に反対する人も圧倒的多数だ。これと運動の形成、国会の議席が比例していない。これを解決しなくてはならない。だから社共は一緒にやれという声がある。統一戦線がなぜ作れないのかというお叱りの声まである。しかし、こういうことはただ言っていればできるというものではないと思う。今日の状況ができたのはできたなりの経過と根拠がある。それを克服して広範なネットワークをつくるためには、膨大なエネルギーと細心の注意を払った努力が要る。
こうした方向を実現していくための長期的な方向を出していきたい。市民運動に課せられた期待と課題は大きい。この全国交流集会の課題も大きいものがある。
先日、11月3日に東京で憲法集会をやって、そこで当面の活動課題を提起した。(1)憲法改悪に反対する署名運動をやりたい。8団体が呼びかけているものです。これは来年の5月3日までの期間限定の署名運動だ。(2)しかし、いまの国会状況ではいずれ憲法改悪のための国民投票ということになりそうだ。私たちはこれを座して待っていることはできない。どこかでもっとも広範なネットワークを組織して、有権者の過半数から集めるような憲法9条改悪に反対する署名運動にも取り組みたい。(3)当面はイラク派兵を阻止する運動に全力をあげたい。これは小泉政権に大きな打撃を与えるような運動になる。いま、時をあらそって街頭に出て、訴えるべきだ。(4)たしかに今のマスコミはよくない。その責任は重い。しかしマスコミが私たちの運動を報道しないと嘆いていても仕方がない。取り上げさせるような努力も懸命にやるべきだ。(5)この全国交流集会にはさまざまな皆さんからメッセージが寄せられている。共産党系といわれる憲法会議のみなさんや、連合系といわれる平和フォーラムのみなさんからメッセージをいただいたことは重要だと思う。これからも連携していきたい。
今日、明日、討議時間は少ないが、実りある会議としたい。