解散で、高市早苗首相は、ご祝儀人気の消えないうちにとばかりに、自己都合丸出しの解散・総選挙を強行した。不意打ちにあった立憲と公明の野党はあたふたと「中道改革連合」を結党して選挙にのぞんだ。有権者に政治の選択肢も示さない人気投票で、自民党単独で3分の2以上というかつてない議席を手に入れた。中道改革などの野党の惨敗だった。選挙中、異例の高市支持声明などをだして介入したトランプ米大統領は「私の支持こそ高市勝利の要因だった」と誇った。
2月20日、高市早苗首相が両院本会議で初めての「施政方針演説」をした。首相は時に与党席からの万雷の拍手の嵐のなかで、笑顔を振りまきながら、高揚してアジリまくった。
その過去10年で最も長い、原稿34頁、9章、50分にものぼる長広舌を新聞で読むのは苦痛でもある。そこでお薦めしたいのは演説を後ろから読むことだ。演説は、九 むすび、八 治安・安全の確保、七 人材力、六 情報力、五 防衛力、四 外交力と続いて、冒頭の経済政策になる。こう読んでいくと、高市首相の狙いが鮮明になる。
まず、「むすび」が重要だ。改憲や皇室典範の改定、昭和100年記念式典などがでてくる。後述するが、ここで改憲発議への「期待」と高市流の憲法定義が「どのような国を作り上げたいのか、その理想の姿を語るもの」などという戦後日本の憲法学での知見と全く別の物語がのべられる。
首相が強調する「昭和100年」は、1945年を境にする2つの異質な日本を、裕仁天皇という個人の生涯による元号で融合・一体化して、昭和前期のファシズムを免罪する危険な史観だ。あわせて、ここで「日本古来の文化・伝統」など天皇制史観を当然のごとく述べ、「先人の希望」に学び挑戦すると強調した。これぞ戦前のファシズムへの復帰の首相の願望だ。
髙市施政方針演説はまさに笑顔の仮面をかぶったファシズムの到来を示したものだ。
臨時国会で少数内閣の危機に加えて、「台湾有事=存立危機事態」発言が引き起こした対中問題や円安・物価高など、自らの政策の失敗で、内外ともに抜き差しならない事態になった高市首相は人気の高いうちに、野党の準備が整わないうちに、争点を有権者に明らかにしないいままに「抜き打ち解散」、総選挙をやってしまった。厳冬の異常気象ともいうべき大雪の地方の有権者も無視し、テレビの党首討論から逃げ、選挙公報もまともに配布されないなかで、嘘っぽい「奈良の鹿」の話や「手の怪我」を演出し、史上最短の選挙期間で投票を強行した。このために、どれだけ多くのの有権者が選挙権を奪われたか、許されない。
生活に苦しむ市民への対策もないまま、予算案の審議もせず、初の女性首相を売り物にし、笑顔を振りまき、あらかじめ外務官僚がセットした派手な外交日程で、トランプをはじめ外国首脳と手をつなぎ、派手に飛び跳ねて、高い人気を獲得し、「二分している国論を突破する力をください」「私でいいか」を問うという前代未聞の選挙をやった。
おどろいた立憲民主党は、この前まで26年間、自民党と政権与党を組んでいた公明党と統合して、「中道のおおきな塊をつくる」と一部幹部の独走で合党をやってのけ、自維政権に対抗しようとした。「私たちは右でも左でもない」。「真ん中だ」、「前だ」などとわけのわからない「逃げ」をうちながら合同を正当化した。しかし、政治の軸心が大きく右に偏ったこの時代の「真ん中」は右派ということにほかならない。安保法制、原発、辺野古、憲法などなど、「中道」のリーダーたちが言っていることは高市政権の前(岸田政権までの)までの自民党の主張と変わりがない。新党の政策的には、野党第一党の大きな立憲民主党が、与党からはじき出された小さな公明党に丸呑みされた。選挙を経て出来上がったのは、前よりずっと小さな「かたまり」だった。
立憲野党は極右に「左派だ」といわれることに誇りを持つべきではないか。戦争反対、憲法改悪反対、原発やめよう、辺野古新基地反対をいうことが「左翼」といわれるなら、「左翼で結構だ」と言い返すべきだ。
こうして有権者を脅しつけて、圧倒的多数の高市与党の議席をまんまと手にいれた。しかし、議席の4分の3近くを与党が占めたとはいえ、自民党の比例区の絶対得票率は20%程度だ。
+ 社会には貧困と差別が蔓延している。中国人、韓国・朝鮮人、クルド人、アラブ系諸民族など第3世界由来の外国人に対する民族差別と排外主義が煽られている。「嫌中」派による、根拠のない「媚中」派などの排外主義のキャンペーンが振りまかれた。「中国が攻めてくる」、使い古されたキャンペーンだが、いまだに功を奏する。選挙中にこれらのウソを与党は数億円の資金を使って、ネットで1億6千回も振りまいた。どっかできいたことがある「嘘も100回言えば真実になる」を思い出す。高市首相の笑顔の裏にこうしたものが隠されている。
有権者をあざむいて手に入れた議席を駆使して髙市内閣は何をやりたいのか。高市政権が狙うもの、端的に言えば、それは改憲と戦争準備にほかならない。だが「国論を二分する」課題に取り組むなどと言いながら、この総選挙で高市首相ら与党はほとんど改憲問題を有権者に問うていない。
しかし国会は改憲シフトになった。これまで野党の手にあった衆院憲法審査会の会長は自民党に奪い返され、同党の改憲派の切り札的存在の古屋圭司が就任し、この間の改憲論議を牽引してきた新藤義孝が幹事に復帰し、柔軟対応派の船田元が追い出された。野党筆頭幹事にはこの前まで与党・公明党にいた国重徹が就き、名うての改憲派・玉木雄一郎(国民)と和田政宗(参政)らが委員に入った。これらの古屋と新藤と国重の間で憲法審査会の運営が決められていくことになる。
参院はまだ前のままで野党が強いとはいえ、高市首相の意を継いで衆議院憲法審が暴走し、改憲条文起草委員会の設置にすすむ準備が整った。
古屋は20日、早速、改憲に関し「国民が国民投票に参画する機会が奪われている」「国民の負託に応えられるよう、改憲の国民投票に向けたプロセスをしっかり進めていきたい」と述べ、「改憲の論点はほぼ出尽くしている」「各党はこれからどの項目で進めるかも含め、建設的に議論していく」などとアクセルを踏む決意を述べた。出尽くしていないよ。自民党だって、2012年版改憲草案、4項目改憲、2項目改憲、いろいろある。自民党は2012年版改憲草案で行くのか、九条3項自衛隊加憲でいくのか、九条だけでもまだまだ議論すべきことは盛りだくさんだ。旧公明党の影響の強い「中道」は72条、73条自衛隊加憲論をにおわせている。
ちなみに衆院当選者の8割が憲法9条改正に賛成というが、2月のNHKの世論調査「高市内閣に最も期待する政策」では、〇社会保障・少子化対策25%、 〇物価高対策23%、〇外交・安全保障21%、 〇政治とカネの問題9%、〇外国人に関する政策7%で、憲法改正はわず4%だった。
髙市施政方針演説はこういった。「『強い経済』を基礎として、『強い外交・安全保障』も確立していきます。国家間の競争が激化・複雑化・常態化し、私たちが慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序は、いま、大きく揺らいでいます」と。
誰が大きくゆるがせたのか。「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」というのが正しいとするなら、それを作りだしたのは高市首相、あなたではないか。
そして首相は「そうした中、我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。中国は、東シナ海・南シナ海での力又は威圧による一方的な現状変更の試みを強化するとともに、我が国周辺での軍事活動を拡大・活発化させています。北朝鮮は、核・ミサイル能力の向上を引き続き追求しています。ロシアによるウクライナ侵略は、いまだ継続しています。・・・こうした中、必要なことは、我が国が自ら考えてハンドルを握り、長期的目線をもって、どこに向かっていくのかを決めることです。そして、外交と防衛を車の両輪として、我が国の独立と平和を守り抜くとともに、分断と対立の進む世界を開放と協調に導き、日本と世界が共に繁栄していくよう、積極的に役割を果たさなければなりません」という。
先の台湾有事=存立危機事態の首相発言が、日中関係を壊しているのもかかわらず、首相は発言の撤回をしない。米国のトランプですら、困惑している。首相の「我が国が自ら考えてハンドルを握り、長期的目線をもって、どこに向かっていくのかを決める」という発言は悪いジョークなのか。
髙市首相はいう。高市内閣では、「平和と繁栄を創る『責任ある日本外交』」を展開していきます。今年は、安倍晋三元総理が「自由で開かれたインド太平洋」を提唱してから十年です。日米同盟は、日本の外交・安全保障政策の基軸です。可能であれば、来月にも訪米します。トランプ大統領との信頼関係を一層強固なものとし、安全保障、経済、文化など、あらゆる分野で日米関係を更に強化していきます。加えて、東アジアをはじめとする各地域の課題について、連携しながら取り組みます。『国家安全保障戦略』をはじめとする『三文書』の策定以降、新しい戦い方の顕在化、長期戦への備えの必要性など、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。我が国として、主体的に防衛力の抜本的強化を進めることが必要です。このため、本年中に三文書を前倒しで改定します」と。トランプに追従し、軍事費の対GNP比1%を前倒しして2%へ、そして安保3文書の改定による3.5%~5%へと、際限なく軍拡を進める高市政権が、どの口で「我が国が自ら考えてハンドルを握り」などといえるのか。
そして社会の軍事化のためのインテリジェンス機能の強化という。「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国の国益を守るためには、質が高く、適切なタイミングを捉えた情報の収集・分析を行うとともに、それらをハイレベルで集約し、高度かつ的確な意思決定を行う必要があります。インテリジェンスの司令塔機能を強化すべく、内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚から構成される『国家情報会議』を内閣に設置します。また、内閣情報調査室を『国家情報局』に格上げし、関係機関からの情報を集約し活用します」と。そして次には戦争する国に不可欠の「スパイ防止法」を作り上げる。
高市首相はこういう。「少子化・人口減少は、我が国の活力を蝕(むしば)んでいく『静かな有事』です。少子化傾向を反転させるための対策を強化します」「国力、そして社会経済の活力を維持するためには、生産性向上の効果を加味した上で、将来必要となる労働力人口の規模を考える必要があります。少子化傾向の反転、労働参加率向上、外国人の法令に則った厳正かつ適正な就業などを踏まえ、腰を据えて検討してまいります」「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じていることに配慮しなければなりません。ルールを守り、税や社会保険料を納めながら滞在・居住している大部分の外国人のためにも、問題ある行為に毅然(きぜん)と対応することで、我が国が排外主義に陥らないようにします。それが、『外国人との秩序ある共生社会』の実現です」と。ファシズムは排外主義と手を携えてやってくる。
さらに施政方針の前方に行くと「長年続いてきた過度な緊縮志向も断ち切る」「責任ある積極財政」だとかが語られる。「長年続いてきた」のはどの党の政権だったか。国債費は1131兆円を超す。「成長のスイッチを押して、押して、押しまくる」などの愚か極まりない表現までする。スイッチは何度もおすものではない。「責任ある」をつければ何でも美しい。逆に「責任ある」がないと無責任みたいなおしゃべり。国会があるのに「国民会議」ってなんだ。それも政党を選別して。これぞ無責任の極みだ。
この間、基地反対の市民による「沖縄・西日本ネットワーク」が各地で行動し、声をあげているように、敵基地攻撃のためのミサイル弾薬庫が全国各地に作られており、軍事訓練が重ねられている。
いまは改憲翼賛状況・ファシズム前夜ではないか。1939年、渡辺白泉は「戦争が廊下の奥に立つてゐた」と詠んだ。1978年、一人の市民・石井百代は「徴兵は命かけても阻むべし母・祖母・おみな牢に満つるとも」と詠んだ。
この詩人たちは時代のカナリアだった。カナリアは命を賭けて時代に警鐘を鳴らした。
ファシズムはいつも暗い顔をしてやってくるのではなく、ときに髙市早苗首相のように笑顔でやってくる。かつての日中戦争当時、街には花火があがり、若者たちは浴衣を着て、そぞろあるきをしていた。ファシズムと戦争の経験は、なにもヒトラーとナチスばかりではない。日本の戦前が、まさにそれだった。首相は間もなくトランプ米大統領の支持を取り付けて、強襲的に靖国神社に参拝するだろう。戦争神社参拝は戦争準備には欠かせない通過儀礼だからだ。これを許してはならない。
いよいよそういう時代がきたことを覚悟しておきたい。怖れる必要はない。反撃の足場は街中(まちなか)にこそある。確信をもって街中で人びとに語りかけよう。そして石井百代が呼びかけたように、女も、男も、誰もが声をだし、反戦の民衆の怒りの声で牢獄を溢れさせて、戦争を止めよう。
(共同代表 高田 健)
2月22日午後2時から、市民連合は東京有楽町のイトシア前広場で演説会を行った。会場には次々と参加者が集まり1000人を超えた。休日で賑やかな人通りの人びとも何事かと話しに耳を傾けた。はじめに菱山南帆子共同代表が、「高市軍拡を打開するためには市民運動をひろげよう」と挨拶した。続いて福島みずほさん(社民党党首)、田村智子さん(日本共産党委員長)、岡崎ひろみさん(新社会党委員長)、石垣のりこさん(立憲民主党参議院議員)がスピーチをした。高良さちかさん(沖縄の風幹事長)からのメッセージも紹介された。最後に佐々木寛共同代表(新潟国際情報大学教授)が「歴史の作り手はいつも民衆、市民だ」と訴えて「信じられる未来へ――市民連合」からのメッセージを発表した。(メッセージの詳細はサイト参照)
参加者からは「怒りと危機感で集まって、じゃあまた別の場所で、と分かれてすごくいいなと思いました。」などの感想がSNS上で発信されている。
衆議院選挙投票開票日2日後の2月10日夕方、首相官邸前に400余名の市民が高市政権に反対する声をあげた。「高市政権の改憲と戦争の道に反対する2.10官邸前緊急行動」だ。この行動は、選挙結果を見て官邸前行動を急きょ決め、SNSや知り合いなどに呼びかけられた。SNS上では、初めてで怖いけれど行ってみよう、仕事の後にサクッとデモにいこう、などの声もあった。自前のプラカード持参を呼びかけたので、ネットプリントを作った人も出た。参加者はB5ほどの紙に思い思いのフレーズを書いた。
冒頭から官邸に向けて声を限りのコールが続く。高市改憲絶対反対!改憲発議必ず止めよう!戦争あおる首相はいらない!暮らしを守れ!軍拡止めろ!ミサイル配備今すぐ止めろ!軍備費増額勝手に決めるな!原発いらない!非核三原則必ず守れ!……。
続いて参加者からの発言が続く。はじめに社民党党首の福島みずほさんは次のように話した。
「選挙は残念な結果となったが、戦争のない安心して暮らせる政治と社会を皆さんと一緒につくっていきたい。高市さんは記者会見で憲法改正のための国民投票についての環境整備に言及している。憲法改正の動きが早い時期に起こるように思う。憲法は権力者を縛るもの、憲法を護らなければいけない内閣が何で憲法を踏みにじるのか。台湾有事など絶対に起こさせてはいけない。高市政権は国家情報局、つまり日本版CIAを作ろうとしている。一人でも多くの人とつながって平和で安心して暮らせる世の中を作っていこう」
次に共産党参議院議員の山添拓さんが発言した。
「こう言うときこそ皆で声を上げることが大事だ。高市首相は国論を2分するような政策を訴えたつもりだと言うが、大軍拡も非核三原則の見直しも、9条改憲もまともに街頭では語らず、テレビ討論会からも逃げ続けた。何でも出来るように言うのは民意のはき違いもはなはだしい。憲法改正にも挑戦するというが、憲法の完全実施が憲法尊重擁護義務を負う首相の責任だ。野党は批判ばかりだと言われるが、政治や社会から批判を失ったら権力の暴走を許すことになる。自民党政治を批判しなかったら、自民党政治の枠内でしか政治が動かせなくなる。」
さらに参加者から次々と発言がつづいた。
◇かけつけた若者から
「先の侵略戦争のとき、権力側が暴走できたのは、国民の後押しがあったから。今また私たちがあきらめたら、同じ事が繰り返される。この流れは放置できない。もう一つ、先の大戦では、国債をたくさん発行して亡国の道を歩んだ。今また同じようなことが行われようとしている。無責任な積極財政にも批判的な目をもって声をあげよう」
◇辺野古基地建設に反対する参加者から
「今回の沖縄選挙区の結果は、本土側の立憲民主政党の責任を痛感する。本土側の一人として運動を強めることを決意する。9条の精神を守ってきたことに改めて確信をもちたい。戦争体験はないけれど、戦後社会を生きてきた私たちの世代は、憲法を次の世代に受け継ぐことを決意していこう。孫が標語コンクールに応募して優勝したことばを紹介します。『平和はね 助け合いから生まれるよ』がんばりましょう」
◇女性の参加者から
「選挙の結果を見て、こんなに落ち込んだことはなかった。Xにささやかなつぶやきを続けていたら、ある方のメールで元気づけられた。今日の呼びかけを見つけて、私もXで拡げ、今日ここに来た。何処かで誰かが何かをやっていると、みんなとても元気になる。そうやって拡げていこう」
◇兵庫から、仕事できた青年
「たまたま仕事で東京に来る途中、ネットで官邸前の集会を知って駆けつけた。明日にでも戦争になるのではないかという今回の選挙結果。今、こんなにたくさん集まっていることは心強く思った。絶対に戦争のできるような国にしてはいけない。関西でもがんばります。」
◇誘い合って参加した女性から
「こう言うときは市民が動こう、という呼びかけがあり参加した。プラカードも書いてきた。仲間やラインで知った人が来ている。市民は立ち上がろう。憲法は希望だ。日本国憲法を護っていこう」
◇女性の参加者から
高市はたぶん憲法を読んだことが無く、高市は99条があることを知らないのではないか。高市は労働者がもっと長く働けるように労働時間の規制緩和を指示したが実態も知らないのではないか。長時間働かなければならないのは賃金が低いからだ。ドイツの2年分になる。高市の仕事は労働時間を下げること。高市はジェンダーのジェの字もない。非正規雇用もこの30年間、自民党の政治で進められ、女性たちは貧乏になった。結婚もできない、子どもも産めない状態を作ったのは自民党の責任だ。
最後に行動を呼びかけた高田健さんが、「まる1日の呼びかけで、こんなにたくさんの人たちが官邸前に駆けつけた。高市はこのことの意味を分かるべきだ。 改憲と戦争の準備に断固反対していこう。協力し、団結し、連携して、高市改憲と戦争を阻止しよう。
繰り返し、繰り返し、官邸へのコールが響き渡った。
(土井とみえ)
「私が私を 取り戻すまで」
性暴力被害の その後を生きる
著者:石川優美
新日本出版社(定価2200円+税)
四六版 174頁
石川さんの新刊が出た。
石川さんと初めて会ったのは、コロナ禍が始まったばかりの頃。あるオンライン会議で画面越しに会った。その後、割とすぐにリアルでも会うようになり、東京都が酒の提供の自粛を言い渡していた時も、こっそりお酒を出しているお店を探しては飲みに行っていた。
初めてリアルで会った時は、新宿御苑駅近くにあるお洒落なのにリーズナブルなカフェバーだった。その時の石川さんの様子はよく覚えている。なぜかっていうとめちゃくちゃ酔っぱらって、それが絵に描いたような「ザ・酔っ払い」って感じだった。本人は全く覚えていないというが。当時、石川さんの飲み方を「愉快な酔っ払い」としか思っていなかったのだが、記憶が無くなるまで飲んでしまうことは性被害による後遺症の1つであり本人はそのことにとても苦しみ悩んでいたという事をその時、私は全然わかっていなかった。
石川さんの凄いところはたくさんあるのだが、その中でも特に尊敬と羨望してやまないのは「やろう!」ってなったときの行動力。そして、文章を書くスピードがものすごく早くて的確でグサりとくる言葉選びが上手いということだ。私も行動力はある方だと思うので、何か緊急で行動しよう!って時に石川さんとタッグを組んで活動することは数限りなくある。例えば、小田急線内で「幸せそうな女を殺そうとした」というフェミサイド未遂事件があったときには2人で企画して新宿で抗議行動をした。他にも、ユーチューバーの「ひろゆき」氏が沖縄・辺野古の坐り込み現場に誰もいない時間帯を狙って来て「誰もいない、座り込みゼロ日でいい」などと暴言を吐き長年の反基地闘争を侮辱したことがあった。その時、すぐに私たちはひろゆき氏が出演する生放送の番組時間に合わせてテレビ朝日の路上に坐り込む抗議行動を思いつき呼びかけた。辺野古座り込みへの侮辱を座り込みで抗議したのだ。六本木のど真ん中、ネオン輝く通りで座り込んだ人はおそらく市民運動史上私たちが初めてであろう。
行動力は市民運動だけではない。モーニングを食べて朝活をしたり、身体を動かそう!とラウンドワンに行ったり、高尾山を登ったり、映画を観たり、キャンプをしたり、岩盤浴に行ったり、石川さんの家に泊りがけで遊んだり、とにかくとにかく私たちは市民運動でもプライベートでもかなりの時間を共に過ごし、活発に活動している。
しかし、この登山や、銭湯、映画、モーニングに行くなどの行動の背景には性被害に遭ったことによる精神的なダメージを少しでも自分で何とかしようとするための模索でもあるのだ。朝早起きしてみたら気分よく1日が過ごせた。銭湯で温かいお湯に浸かったらフラッシュバックによる不安が和らいだ。身体を動かしたらすっきりして心のモヤモヤが晴れた気持ちになった。何とか自分で解決して頑張ろうといつももがいている。今回出版した本に綴られている日々の言葉や行動の報告の1つ1つが、性差別や性被害に対する石川さんなりの抵抗運動だと感じながら読み進めた。
前向きになれる日もあれば動けない日もある。ふとしたことで過去の被害を思い出し自暴自棄になってしまうこともある。でも仲間と一緒に会ってまた元気になる。元気になりすぎてまた落ち込むこともある。
夜の時もあれば、光が照らし始める朝の時もある。そしてまた夕暮れになり暗くなる。その繰り返し。それでも一日一日は前に進んでいる。「私が私を取り戻すまで」を読み終えたあと、改めて本の表紙を見てそう感じた。
性被害を受けた人がどんな思いで毎日を過ごしているのかを感じ取ってほしい。楽しいこともあるけれど、いつも苦しみがそばに付きまとっていることを知ってほしい。
石川さん、本を出版してくれてありがとう。書いたものを振り返る作業はとてもしんどかったと思う。
私も石川さんが「無理をするとき」は全力で支持し、一緒に動くよ。
(事務局長 菱山南帆子)
2月7日、「改憲と戦争への流れを止める!大軍拡の流れから考える日鉄呉跡地問題」集会が広島県の呉市、ビューポートくれ大ホールで開かれ、集会は新田秀樹さん(ピースリンク広島呉岩国の世話人)の司会で進められた。以下にその概要を報告する。
皆さんのご案内には、第28回の全国交流会ということでお知らせを出していました。けれどもこの事態です。大半の全国の仲間たちが、選挙に奔走するということで急遽中止しました。けれども、この呉で反対運動を続けていかなければならないなかでの開催です。主催は、許すな!憲法改悪・市民連絡会、日鉄呉跡地問題を考える会、ピースインク広島呉岩国、第九条の会広島の4者の共催です。では開会の挨拶は、市民連絡会共同代表の高田健さんにお願いします。
呉・広島のみなさんの協力で、この厳しい時期に集まれたことに感謝します。いま私たちの前には、28回の歴史の中でも最も深刻な改憲の危機があります。今回の総選挙は、高市首相が「台湾有事=存立危機事態」と発言したことを契機に始まったと見ています。アジア情勢が緊迫する中、日本を最前線に立たせる体制づくりが今回の選挙の狙いの一つだと思います。
選挙後は憲法改悪の動きが一気に強まるでしょう。新しい野党勢力も、自衛隊を憲法に書き込む公明党案と同じ立場を示しており、改憲翼賛体制が形成されつつあります。だからこそ、市民運動が腹を据えて、改憲反対・戦争反対・台湾有事反対・アジアの緊張を高めるな、という声を強める時期が明日から始まります。今日の集会が、これからの闘いの方向を少しでも見いだせる場になることを願っています。
呉市警固屋体育館でのつどいから7週間。400人の参加に励まされ、私たちは希望を持って活動を続けています。今日は「抑止の要」とされる呉基地と、日鉄呉跡地の軍事拠点化について報告します。
跡地には、無人機を含む兵器製造施設、全国の基地と連絡する通信施設、大型艦船が接岸できる岸壁など、三つの大規模機能が計画されています。防衛省は「金字塔」と表現し、全国に例のない複合防衛拠点だと説明しました。さらに米軍施設の移転、宇宙作戦集団の配備、大麗女弾薬庫の整備など、呉湾全体が軍事拠点化し、同時に攻撃対象にもなり得ます。
しかし呉市長は「抑止力で攻撃を防げる」と繰り返します。抑止とは結局「やられたら倍返し」という威嚇であり、軍拡競争を招くだけです。軍事費が膨らめば社会保障は成り立ちません。住民説明会では「呉が攻撃されるのでは」という不安が出ましたが、市は十分に答えませんでした。その裏でミサイル落下時の訓練が進み、まるで戦争前夜のようです。戦争の記憶を持つ呉で、同じ過ちを繰り返してはなりません。
憲法の平和主義は、戦争の反省から生まれた絶対の歯止めです。今、情報統制や国家主義化など、社会を狭い枠に閉じ込める動きが強まっています。呉をガザやキーウのようにしないために、戦争準備への抵抗を続けましょう。
「戦争止めよう沖縄西日本ネットワーク」は昨年2月に鹿児島で結成されました。合言葉は「知り、つながり、止める!」。各地の運動を尊重しながら緩やかにつながり、学び合い、戦争を止める力を広げていく取り組みです。昨年6月には対政府交渉を実施し、会場とオンラインで計1000人が参加。1月の交渉でも440人が参加しましたが、防衛省の回答は不十分で、現在「第3次質問要請」を突きつけています。交渉を通じて、電子戦部隊の配備拡大、特定利用空港・港湾の軍事利用、住民説明会の欠如、避難計画の不備など、多くの問題が明らかになりました。熊本や大分では弾薬庫やミサイル部隊が住宅地や温泉地の近くに建設され、住民の安全が脅かされています。情報公開請求をしても行政は「文書がない」と答え、地方自治の責任放棄が疑われます。
大分では「再び加害者にならない」という歴史的反省を軸に、軍拡に抗う運動を続けています。「主権者は私たち。戦争を止めるのも私たち」。これからも協力し合い、戦争体制づくりに抗っていきます。
私たち「平和を諦めない北九州ネット」は2015年に発足し、19日行動やガザ攻撃への抗議などを続けてきました。福岡県内には福岡・小倉駐屯地、富野弾薬庫、築城基地など多くの自衛隊施設があり、米軍施設も福岡空港内に残っています。
築城基地では滑走路延伸や米軍受け入れ施設の整備が進み、実際に航空ショーで見ても、緊急時対応とは思えない常設的な米軍利用の体制が作られていました。北九州空港も特定利用空港となり、自衛隊機や海保のシーガーディアンが配備され、離着陸訓練が行われています。博多港も特定利用港湾に指定され、護衛艦の接岸や補給が可能になります。
キーンソードなどの大規模訓練では、築城基地に米軍機が多数集結し、給油訓練や救難訓練が行われました。特定利用空港の問題で北九州市に申し入れをしても、市は「国の説明を聞いただけ」と自治体としての姿勢を示さず、九州防衛局もロビー対応のみでした。
また関門港では米軍貨物の輸送が急増し、馬毛島関連の輸送、自衛隊車両の移動も頻繁に行われています。さらに大久野島で毒ガスを砲弾に詰めた工場跡が今も残り、戦争加害の歴史を忘れてはならないと痛感します。こうした軍事強化の現状を直視し、地域から平和を守る取り組みを続けていきたいと思います。
私たちは市民有志として、自衛隊への名簿提供問題に取り組んでいます。福岡市は2020年から18歳・22歳、約3万人分の名簿を紙で自衛隊に提供しており、福岡県内でも提供自治体は42%に増えています。しかし、本人同意も周知もなく個人情報を渡すことは重大な問題です。自衛隊が変質しつつある中で、本当に名簿を渡してよいのかという疑問があります。
市民の働きかけにより、福岡市では京都市に続き「除外申請制度」を導入させることができ、毎年100?200人が申請しています。他自治体にも広がり、提供から閲覧方式に戻した市も出ています。
名簿提供拡大の背景には、2019年の安倍首相の「協力拒否は残念」という発言があり、これを受けて福岡市は翌年から提供を開始しました。その後、総務省・防衛省の通達や閣議決定が相次ぎ、2022年以降、提供自治体が急増しました。しかし国会答弁では「強制ではない」と繰り返され、法的根拠も曖昧なままです。
自治体は国と対等であるはずなのに、国の意向に従うだけで市民の権利を守らない現状があります。私たちは今後も周知活動や市長選での争点化を進め、名簿提供の問題点を市民と共有していきたいと思います。
昨年12月、地元紙が「雲南市に火薬庫・訓練場を誘致」という記事を報じました。山陰には美保基地(KC?46A・C2輸送機配備)と出雲駐屯地がありますが、出雲では2024年に戦車部隊が統合され、新たに16式機動戦闘車を主力とする「第13偵察戦闘大隊」が発足しました。これを受け、雲南市で火薬庫・訓練場の誘致が急浮上した形です。
昨年11月には知事・市長出席で「雲南地区防衛協力会」が結成され、候補地の吉田町では住民説明会も開催。主導したのは防衛大出身の29歳の新人県議で、説明資料には「ウクライナ戦争を踏まえた弾薬の重要性」「過疎地の財政支援」「自衛隊による地域活性化」など、防衛省の文言そのままの内容が並びました。一方で、火災や事故などのリスクには一切触れられていません。反対運動はまだ本格化していませんが、3団体が3月議会に向け陳情を準備中です。
昨日は大阪、今日は岡山を回りましたが、選挙区の空気は後半になるほど重く、立憲は小選挙区でも比例でも極めて厳しい状況です。公明党との協力に期待した人もいましたが、実際には二股で票は伸びず、市民運動は排除され、最後だけ頼られるという構図が繰り返されています。
今回の選挙では、安保法制や原発などで「踏み絵」を迫られ、反共バッシングも強まりました。しかし現場で感じたのは、共産党アレルギーよりも「創価学会と組むのは嫌だ」という声の方が地方では圧倒的に強いということです。比例では護憲・反軍拡を掲げる他勢力に票が流れるでしょう。
中道改革連合の立ち上げも、当事者の多くが知らされず、5人の男性中心の体制が「5G」と揶揄され、ジェンダー感覚の欠如が支持離れを招きました。さらに、彼らが自民党と組んで「改憲の大きな塊」を作ろうとしているという話も内部から聞こえています。
現実的な政策を持つ市民運動こそが未来をつくる力です。振り子は今、極端に右へ振れていますが、必ず戻る。その時に大きな受け皿となれるよう、力を合わせて進んでいきましょう。
飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)
(編集部註)1月17日の講座で飯島滋明さんが講演した内容を編集部の責任で要約したものです。要約の責任はすべて本誌編集部にあります。
去年の10月21日、高市政権が発足しました。一応20日付ですが、「連合政権合意書」ということで、いくつか項目を挙げています。改憲であったり、安保3文書の改定――よく防衛費という言い方をされるけれども、私は軍事費という言い方をさせて頂きます。日本を守るための兵器、武器であれば、それは防衛かもしれません。けれども、外国まで行って外国を攻撃してくる。安保法制に基づけば、日本が攻撃されてもいないのに、先に攻撃することまで可能なわけですね。存立危機事態の話がそうです。これはもう防衛と言えないという観点から軍事費という言い方をしています。この軍事費を大増額させている。高市首相の一つの持論になりますけれども、非核三原則の見直し、持ち込ませずというものに関しては、見直してもいいのではないかと言っている。あるいは高市政権の重要人物の話として、「持たず」というのも変えてもいいのではないかみたいな事を言った人もいる。そこら辺も残念ながら、あまりメディアでは取り上げられず、武器の輸出なんかもやると。
今年の1月9日夜、電子版で、どうも解散を考えていらっしゃる、というのが回ってきました。そこで見ますと、こういったことが書かれています。「選挙戦では憲法改正も争点になるとみられる」と。電子版ではちょっとこれが書いてあるような感じを受けました。
憲法9条との関係について、今までの防衛政策がいかに変わってきているという話をします。
憲法9条の関係で、自衛隊とは何なのかということが議論になってきたのは良くご存じだと思います。自衛隊ができたのが1954年の6月です。その年の7月の朝日新聞の記事を読み上げます。
「北部方面隊直属(北部方面隊というのは北海道の部隊)の特科隊(要するに戦車部隊)には、155ミリの加農砲、りゅう弾砲や、さらに大きな203ミリ(8センチ)りゅう弾砲がずらりと銀色の砲口を並べている。
こうした大きな大砲は昔の陸軍でさえも、「攻城重砲」といって要塞攻撃に使うだけで野戦では使わなかった」
昔の陸軍でさえほとんど持っていないようなものも、1954年の段階で自衛隊は持っています。憲法9条を見ますと、「陸海空軍その他の戦力は・・・これを保持しない」と言っています。じゃあ何だ、自衛隊は、という話に当然なるわけです。昔の陸軍でさえ持っていないようなものを既に1954年の段階で持っている。昔の陸軍というのは軍隊ではないのか。さすがにそれは常識的にありえない話だと思います。憲法9条2項では、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」というふうに定めています。
この憲法9条で禁止されている戦力とは何なのかと言いますと、自衛のための必要最小限度の実力あるいは防衛力、これを超えたら戦力だと。だけど、これを超えないものであれば戦力でない、というのが歴代政府の立場でした。あくまで自衛のための必要最小限度の実力あるいは防衛力に過ぎない。だから自衛隊は憲法違反ではない、というのが歴代政府の言い分だったわけです。
国会の答弁なんかを見てもこう言っています。安保国会と言われる1960年。安倍晋三さんのおじいさんにあたる岸信介さん。こういうことを国会で言っています。「日本の自衛隊が日本の領域外に出て行動することは、これは一切許されない」と。
今度1969年には、岸信介さんの弟である佐藤英作さんは、こう言っています。「我が国の憲法から、日本は外へ出ていく。そんなことは絶対にない」と。こういう事を国会で言っていたわけです。
さらに、兵器あるいは武器に関して言いますと、中曽根康弘さんの言葉です。「我々は、専守防衛を主眼にして防衛政策を推進している。他国に脅威を与えるような、他国に対して壊滅的打撃を与えるような攻撃性を持っているものは持たない。その例示といたしまして、長距離重爆撃機、あるいは航空母艦、あるいは長距離ミサイル……」こういったものは憲法上持たないというのが、歴代政府の立場だったわけです。
中曽根さんと言えば日本を浮沈空母にすると言った。これもアメリカの軍事戦略の一環で、日本を守るために全く関係ない話ですけども、日本を浮沈空母にすると言い切った首相ですら、空母は持てないと言っていたわけです。けれども、どうなったか。戦争できる国に変わってきている。
岸田元首相が表紙になったTIME誌があります。ここにはジャパンズチョイスとあります。日本の選択。その下に英語が書いてあって、岸田文雄首相は、数十年にわたる平和主義を放棄しようとしていると。そして自分の国を、真の軍事大国にしようとしている。私が言っているわけではないですよ。アメリカの雑誌が言っているという意味で、わざとこれも紹介します。
復習してみると、自衛隊は、自衛のための必要最小限度の実力、あるいは防衛力だから、憲法違反ではないというのが、歴代政府の立場です。自衛隊は海外に行きません。外国を攻撃できる兵器、空母や長距離ミサイル、こういったものは持ちません、だから自衛隊は憲法違反じゃないというのが、歴代政府の立場だったわけですけれど、一体どうなっているのか。
去年の9月です。毎日新聞の記事です。北海道の部隊のF15で、千歳です。これが実はドイツとイギリスに行っています。KC767という空中給油兼輸送機という言い方をしています。空中給油機は外国まで行けるので憲法違反だというような議論があったので、空中給油兼輸送機という風に防衛省は言っています。輸送機だから憲法違反ではないと。これを使ってヨーロッパまで行っています。どうですか?海外に行かないはずでは無かったんですかね?日本の自衛隊が海外に行くことは許されない。絶対に無いとまで言っているわけです。けれども、去年の段階でもヨーロッパまで、実は空自のF15が行っているわけです。
中曽根首相の話をもう一回補足します。中曽根首相は航空母艦あるいは長距離ミサイル、これは持てないと国会で言っています。実際どうなのかと言いますと、例えば、東京新聞の去年8月29日と30日の記事で、長距離ミサイルを静岡に配備する。静岡だけでなく、熊本の健軍の方が先になります。海自護衛艦の「空母化」は、横須賀の駅に行って頂ければ分かるかと思います。駅からでっかい船が見えます。空母化もしているわけです。空母は持たないと言っても、空母を持とうとしている。長距離ミサイルも、いろんなところに置かれそうになっているわけです。
弾薬庫の話です。これは2年前の12月16日です。安保3文書、これ2022年の12月に決定されました。これに基づいて2032年までに、全国に130カ所に新たに弾薬庫を作ることになっています。半田滋さんなんか、日本の自衛隊というのは張り子の虎だ、と言っているかと思います。1週間戦えるだけの弾薬というのは持っていなかった。あくまで張り子の虎だから、備えていれば良いと。それが自衛隊だった。この安保3文書では、継戦能力――ずっと戦えるだけの弾薬を持つということも言い出して、その関係で軍事費が大増額している一因になっています。全国130ヵ所、弾薬庫を作るわけです。
それの煽りを、もろに受けている場所がこの南西諸島です。中国があって、台湾があります。台湾から110キロ離れたところに与那国島があって、130キロ離れたところに石垣島があり宮古島がある。沖縄島、奄美大島、馬毛島があって、九州です。2016年まで、これらの宮古島と奄美大島には航空自衛隊の部隊がいました。けれども陸上自衛隊の部隊は一人もいなかった。けれども2016年に、与那国島に沿岸監視部隊が置かれた。ここにミサイル部隊を置くのはさすがに中国を挑発しすぎるということで、ミサイル部隊は置かなかった。台湾から110キロしか離れてない。うまくいけば台湾が見られる、そういった土地です。私は与那国島に25回行ったけれど、ただの一回も見たことはなくて、そんなに頻繁に見えるわけではありません。ただ110キロですので、うまくいけば見られるとき、とくに台風が来る前なんかは見えるそうです。
2019年には、宮古島と奄美大島には、ミサイル部隊を置くとなった。今度、石垣島には2023年にミサイル部隊を置いて、沖縄島には2024年にミサイル部隊を置くという話になっています。ここに置くミサイルは射程200キロのミサイルです。200キロである意味で良かったんですよね。ここにミサイルを置くのはアメリカの軍事戦略の一環で、中国の艦船を太平洋に出させない。その役割を自衛隊に期待されていたわけです。ここを塞いでしまえば、少なくとも、こっちから出られない。フィリピンの方から出るというのはあるけれど、さすがにそれは自衛隊の役割を超えているという風に当時は考えられた訳です。それで200キロで良かったけれども、安保3文書に基づいて射程距離1000キロ以上のミサイルが配備されるようになっていると、それの最終的な司令部が湯布院に置かれます。湯布院の部隊が全部、この辺を指揮監督するという形になっています。一回、沖縄の勝連の部隊で指揮して、そこから指揮するということになっています。
今では200キロですけども、これが1000キロのミサイルに変わる可能性がある。これを中国から見たらどう見えるかですよね。2016年までは、これらの島に陸上自衛隊の部隊は一切無かったわけです。今、馬毛島まではできていないので、もちろんミサイル部隊なんかいません。けれども、もし奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島、与那国島に、射程距離1000kmのミサイルが置かれたらどうなるのか。奄美大島に置いたって中国には届くんですよ。ですから、この辺の島々からは全部中国本土を直接攻撃できるようになる。中国から見たらこれがどう見えるのかというあたりは、やはり考えることが重要だと思います。
アメリカ軍の代わりに、自衛隊がアメリカの戦争で戦うことにされてしまう。こういったことが行われる可能性があります。アメリカは、自国兵士の犠牲を少なくするために、外国兵をアメリカ人の代わりに戦わせてきました。朝鮮戦争の時も、時のアイゼンハワーは何を言ったか。アジアでどうしても流血が避けられないのであれば、アジア人同士で戦わせろと、言ったわけです。ベトナム戦争では、オーストラリアにも、ニュージーランドにも、フィリピンにも、韓国にも兵を出せと言って、これらの国々は実際出したわけです。フィリピンのトップみたいに、真面目に戦うなという風に考えていれば良かったけれども、韓国みたいに朝鮮戦争で助けてもらったから真面目に戦えといった軍隊は、大変なことになったわけです。5000人以上が死んだ。死ぬだけではなくPTSDにかかってしまう。そういった韓国の兵士もたくさんいるわけです。
国レベルではなく、ラオスのモン族という民族の事を紹介します。国防総省の資料はこういうことが書かれています。「モンの兵士の10%が死んだ。彼らがいなかったら、27万人のアメリカ兵が死ぬことになっただろう」と。ベトナム戦争でのアメリカ兵の犠牲者は約5万8千人。だいたい、この多くは未成年です。アメリカは、ラオスのモン族に、ベトナム戦争で戦わせた。だから27万人のアメリカ兵が死ななくて済んだということを述べている。同じことが自衛隊に起きないのかどうか。
去年の3月に、ヘグセス国防長官と中谷元防衛大臣が会談した時の映像です。こういうことをヘグセス国防長官は言っています。「西太平洋でのいかなる有事においても日本は最前線に立つことになります」と。フロントライン(最前線)という言葉を使っていました。自衛隊の機関紙である「朝雲」でも、この発言を紹介しています。西太平洋ですから、オーストラリアの辺りまで行って、そこで自衛隊が真っ先に戦うということを、ヘグセス国防長官を言っているわけです。中谷防衛大臣は隣にいたから、そんなことはしないと言えば良かったんですけれど、一言もそんなこと言わなかった。
昨日も、ヘグセス国防長官はテレビに出ていて、どこかの国の防衛大臣がおなじようなことをやっていたのを見たと思います。その隣でトレーニングしている。アメリカに対して抗議する姿勢なんて見えないのが、日本の防衛大臣の姿です。
アメリカの戦争で、アメリカの代わりに日本が戦わされることになる。その結果、どういうことになるかと言いますと、もう戦死者すら想定するような時代に至っています。右側の写真は、2023年10月29日の琉球新報です。医学の雑誌ですが、ちょっと紹介を頼まれて、そこには書きました。2018年の防衛政策3文書というのがあります。そこでは医療の話なんて、殆ど出ていなかった。もっと言いますと防衛計画の大綱とか、防衛力整備計画という、防衛政策3文書の2013年を見ますと、医療のことなんて殆ど書かれていません。けれども、岸田自公政権の下で制定された安保3文書では、こういったことが書かれています。
緊急外科手術に関する教育課程の新設、要員の増加。要するに医者を増やせ、ということです。自衛隊那覇病院の病床増加、地下等の機能強化。恐ろしいことを言っていることが分かりますね。地下等の機能強化というのは、自衛隊那覇病院が空爆を受けることを想定しているわけです。その後、自衛隊員の身体歴のデータ化。血液型が何で、どういう病気を持っているか、というのをデータ化する。これだけで、自衛隊に入ろうとするは人減るんじゃないかなと思いますけれど、こういったことまで言っている。あるいは、血液製剤や酸素濃縮装置等、こういうものも体制作りをしましょうと。
私は医学の知識ゼロですけれども、自衛隊はどんな血液にも輸血できる血液製剤
というのを導入しかけています。要するに、自衛隊員だけではなく、病院関係者の危険も想定。自衛隊那覇病院に関しては、地下等の機能強化、空爆を受けることまで想定している。こういった形で、戦死者すら想定するという事態になっています。
このように戦争できる国づくりを進めますと、当然、軍事費はうなぎ登りに上がります。学生と喋っていて、総理大臣としての小泉純一郎さんのことは知らないんですね。生まれていないんですよ。沖縄国際大学に米軍機が墜落した時のことを平和学で紹介したんですけれど、その年に生まれました、というレポートがあって、当然1995年の事件なんか知りません。2023年の12月の事件というのは、今の学生よりも年下の女の子ですので、みんな年下の女の子がこういう目に合ってるんだよ、ということは言えますけれども、2007年の沖縄国際大学の事件も、学生たちは知らない。
なんでこんなことを言ったのかと言いますと、実は防衛費10年連続減少と書かれてます。小泉、お父さんの方の話です。彼はろくなことをしてこなかったと思うけれども、ただ軍事費に関しては下げる政治はしてきたんですよね。10年連続で下がってきた。今度は違うものですけども、十何年連続で上がっています。第二次安倍自公政権です。防衛省のホームページにあります。なんで、こんなにギュッと上がっているのか。これは安保3文書で軍事費を大増額するとしているからです。
今年の朝雲も見ると、初の9兆円台という記事が1月4日付けでした。だから14年連続で軍事費は上げられている。物価高、円安で、本当に国民生活大変になっている。そういった中であっても、軍事費は上げられているわけです。
43兆円の軍事費増額と言われるけれども、実際は60兆円なんですね。それは、2023年から2027年、この5年間で払うお金が43兆円というだけであって、2023年から2027年度、買うことは決めたけれども、翌年以降に払うお金というのもあります。それを含めると60兆円です。43兆円だって、とんでもないって思うかもしれませんけども、実際の軍事費は、こういった形で、もっとかかっている。この図は、私は東京新聞から使っていますけども、防衛省のホームページにも、この図が出てます。ですから、防衛省自体もこういった説明に関しては認めている。2023年から2027年度に払うお金が43兆円というだけであって、2028年度以降に払うのが16.5兆円。これもありますので、そうしますと、かなりの額60兆円近くになる。ですから、実際43兆円って額でもないんだってことはですね、認識して頂ければと思います。
高市首相は非核三原則を見直すと言われています。持ち込ませずというのは、持ち込ませてもいいよ、という制度にしようと考えています。1960年代以前の話を紹介します。1960年に安保条約が変えられて、そこで事前協議制度というのが設けられた。核兵器を日本に持ち込む場合は事前協議をしなさい。そこでイエスと言わなければ、持ち込んではダメですよ、というのが一応事前協議制度の建前です。これにも実はたくさんの密約があり、朝鮮有事の時は、日本からアメリカ軍が出撃する。これは認めてあげるという密約もあります。
沖縄には最大1300発の核が置かれていました。フランスが持っている核290発、イギリスは250発。そう考えると、沖縄という島に1300発の核が置かれていたというのは、いかに異常かというのは分かるかと思います。一応、沖縄返還の時に、「核抜き・本土並み」という話になったので、核兵器が撤退したということになっているけれども、もし有事になったら、もう一回核兵器を持ち込んでもいいですよという密約があることも分かっています。
そういった密約は、いろいろあるけれど、建前としては、核兵器は持ち込んではいけない、というのが、今の安保条約の元の制度になっています。1950年代の旧安保条約では、そういった決まりというのはなかったんですね。日本に、自由に核が持ち込まれていました。分かっているだけでも、これだけあります。嘉手納、板付(福岡)、岩国(山口)、小牧(愛知)、入間、横田、三沢、神戸なんかでも実は、朝鮮を攻撃するための、核の軍事訓練をしていたことが分かっています。
ですからこういった形で「持ち込ませず」というのが無くなったら、日本にはずっと居座ることになる。横須賀に原子力空母がいるなんて、いい例ですね。ああいった形で実は核を持った船が、ずっと居座ることになる。果たしてそんな国でいいのかどうか、やはり考える必要があろうかと思います。
去年の8月、沖縄のホワイトビーチでアメリカの艦船が火災を起こしました。沖縄県は、それは何を積んでいるかと聞いたけれど、アメリカ軍は答えません。もし核が積まれていたら、どうですかね。そういったことすら分からなくなる。これが沖縄だけの話ではなく、横須賀なんかにも実はそういったものがいることになるかもしれないということになるわけです。もう日本は、核の攻撃地にされてしまう。本当にそれで良いのかどうかというあたりは、やはり考えて頂く必要があろうかと思います。
武器の輸出を認めても良いのかどうか。1月9日の東京新聞でも、やっぱりこの手のお話が紹介されました。イスラエルに武器を輸出する、あるいはイスラエル製の武器を買う、なんていう話にもなっているわけです。イスラエルに武器を売るのであれば、イスラエル軍による虐殺に加担することですね。これを日本がやってしまっていいのか。イスラエルの企業の武器を買うということは、イスラエルの企業を儲けさせる。その結果、イスラエルの企業はどんどん強くなっていく。結果として、やっぱり虐殺に加担することになります。買うから問題無いという話ではなくて、買っても、やっぱりイスラエルの企業を強くするわけです。
憲法前文には、こういったことが書かれています。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
要するに国際社会が、軍事的に大変な事にならないように、平和的外交をするというのが憲法の基本的な考え方になります。虐殺をしているイスラエルの武器を買う、あるいはイスラエルに武器を輸出する。こんなことが認められてしまっていいのかどうか、やはり考える必要があろうかと思います。
アメリカ軍というのは、日本を守っているのだろうか。もうだいぶ説明するのが楽になりました。トランプが守ると思います?と、一言で済むんですよ。昔は、アメリカ軍は守っているんだと、結構、言ってくる人いたんです。どう考えたって守らないですよね。アメリカ軍は守らないなんて言うと、お花畑だという言い方をしますけれども、どっちがお花畑なんだと。やっぱりそれは言い返してやるべきだと思います。そういった事はずっと言われてきているんですね。例えば、初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントンは、こう言いました。「外国の純粋な行為を期待する程の愚はない」と、「今、日本は愚を犯してないか」と。アメリカが守ってくれています。お花畑ですよね。ですからそこら辺は、どっちが平和ボケかということは、やはり言っていく必要があろうかと思います。
これ、去年の11月に那覇基地で私が撮ってきた03式の地対空誘導弾、通称「中SAM」と言われるものです。実はこれをフィリピンに輸出する話が非公式に進んでいます。武器輸出三原則というのは、国際紛争に加担するという側面が出てきます。これを紹介したのは、去年の11月ですけども小泉防衛大臣は、与那国島にこれを配備する計画が進んでいるということを言ったわけです。それが抑止力になるという言い方もしているけれども、中国はどう言っているか。「地域の緊張を生み出す、軍事的対立を誘発する」と批判しています。
ロシアの外務省も、「アメリカの指示の下、これらの島々を拠点化し、防衛のみならず攻撃の可能性も秘めた兵器を備蓄しようとしている」と批判しています。2016年に与那国島に自衛隊を置くとき、日本でさえも、こんなところにミサイル部隊を置いたら挑発しすぎるということで、ミサイル部隊を置かなかった。台湾から110キロしか離れてないわけです。けれども小泉防衛大臣と高市政権はこう言ったけども、中SAMの配備を進めている。これが、抑止力になることを言っている。けれどもこんなものを置けば、それこそ攻撃対象になる危険性が高くなる。さらに、ロシアあるいは中国に対する軍拡の口実を与えてしまうわけです。そういった意味で、この自衛隊配備・強化というのは、地域の安全を守るどころか、刺激が強すぎるということは認識することが必要だと思います。
実はこの石垣島とか宮古島の人たち、あるいは与那国島の人たちも一番危惧するのが、何かあったら逃げろというふうに言われる。どうやって逃げるのか。12万人という言いを方されますけども、私は与那国で飛行機が飛ばなくて、7時間足止めをくらったことがあります。ですから12万人の人たちが逃げるなんて、逃げようがないんですよね。今、自民党とか防衛省は、この12万人を逃がして九州に逃がす計画を立てます。石垣島にしろ、宮古島にしろ、農業をやっている方たちが、たくさんいます。牛や馬をどうするのか。置いてはいけないものが、やっぱり一番の懸念の一つです。東京にいる人には、そこはピンと来ないです。石垣とか宮古から5万人ずつ逃げるのは、まず逃げられません。防衛省とか自民党の政治家たちは12万人を逃がして、九州や山口県に逃がすと言っている。私は現代のインパール作戦という言い方をしています。本当に変わっていないですね。
自民党は、憲法9条に自衛隊を明記するとしています。日本維新の会は、国防軍の明記を主張しています。参政党の憲法構想案の5条2項を見ますと、こういった条文になっています。「国民は、子孫のために日本を守る義務を負う」。参政党の改憲草案は、言い訳が多いですね。子孫のためとか言えば何とかなるだろうと。こういう、いかにもとってつけたような言い訳をします。これらの改憲をされると「徴兵制」あるいは「民間人の戦地派遣」も憲法上可能になります。
仮に自衛隊が憲法に明記されたらどうなるか。例えば憲法上の組織である自衛隊の維持は、政府の憲法上の責務となり、そのために徴兵制を実施すると政府が主張したとき、憲法違反と言えなくなります。憲法に自衛隊あるいは国防軍が書かれている以上、これは憲法上の組織となり、それを維持するのは政府の役割だ。従って徴兵制を実施すると言われたときには、これは憲法違反と言えなくなります。あるいは、「憲法上の組織である自衛隊の円滑な活用、これを確保するというのも政府の役割」だといった主張をすることによって、医師、看護師、薬剤師、建築土木、運送、通信業者、こういった業者を戦場に連れていくことも憲法違反ではなくなります。自衛隊が憲法に書かれるということは、実は徴兵制だったり、民間人の戦地派遣の根拠になるということも指摘したいと思います。
徴兵制を非現実的だという人います。けれども、読売新聞も徴兵は危惧しています。読売新聞でさえもですよ。実際、非現実的でもなんでもないんですね。戦争になれば、兵士は必要になります。私は自衛隊の人に聞き取りをした時にも言われましたが、訓練した自衛隊員は死ぬような任務に絶対就かせたくないんです。廊下で爆弾があるかもしれないというところを、訓練した自衛隊を通さないんですよ。そこで爆発すれば、そこには爆弾がないということになって、その後に自衛隊が通ればいいわけです。素人が戦えないなんて分かります。戦場では必ず犬死になる可能性があるので、そういったところをやっぱり使うんですよ。自衛隊は自衛隊なりにやっぱり合理的に、ものを考えるんですよ。
2016年に安保法制に基づいて、南スーダンに自衛隊が派遣されました。駆けつけ警護、宿営地の共同防護の任務が命じられました。命じられたのが青森の第9師団です。私は12月に那覇駐屯地に行った時、防弾チョッキをわざと着てきました。その写真は持っています。あれ重たいんですよね。何故かというと全身を覆ってしまうと重くて動けない。だから手足は、防弾チョッキでカバーできません。手が飛ばされる、足が地雷とかでやられる可能性とはあります。ですから青森の第9師団は、手足が無事で済みますように言いながら南スーダンに行ったわけです。
南スーダンで戦うこと、日本防衛に関係ありますかね。関係無いです。これが安保法制の実態です。足が飛ばされました。痛がって死になさいでは、納得なんかしないですね。医師、看護師は間違いなく戦場に行かされます。海外で戦争をするようになれば、医師、看護師も、それこそ海外に行かされる。その可能性があります。自衛隊を憲法に書き込めば、実は、こういった形で戦地派遣がなされる可能性がある、ということです。
徴兵なんて話になれば、ふざけるな、徴兵反対という議論になるかもしれませんけれども、それを封じ込める法というのが、スパイ防止法です。
第一次世界大戦の時、アメリカは1917年にスパイ防止法を制定しています。徴兵反対、反戦運動を弾圧すると、あからさまに言っています。当然、第一次世界大戦の時でも、徴兵に対する反対運動は起こりました。それを弾圧するために、実はスパイ防止法が作られています。要するに、徴兵反対というのは外国に対して利益になる。これはスパイだという理屈で、スパイ防止法を制定している。さすがに、これだけではダメだということで、翌年に改正されています。治安維持法という訳し方をしますけれども、例えば、英米法判例百選の先生は、反政府的活動弾圧みたいな訳をしています。
政府に背く人間は、全部スパイだといって取り締まる。こういったことを、アメリカでもされてきました。スパイ防止法が改正された、(Sedition Act of 1918)なんですけども、取締り対象が、軍事機密保護、徴兵妨害から、政府を批判したら全部スパイにされてしまう。最高刑も懲役20年から死刑にされてしまった。スパイ防止法というと、日本の機密を盗み出そうとするだけだと思うかもしれませんが、そうではなく、反政府的な言動、それこそ憲法なんかが万が一変えられて、懲兵するという、その時反対だとやると、これで弾圧されます。その危険性がアメリカの実例からも出てくるということです。
スパイ防止法の怖いところの2つ目です。それは権力者あるいは軍によって、恣意的に国民が排除、あるいは弾圧されてしまう危険性があることです。
歴史的に典型的なのが沖縄戦です。去年5月19日の琉球新報の記事ですけれども、日本兵、泣く子を虐殺――スパイ容疑ですね。こういった形でスパイだということで虐殺してしまう。これとは別に7月10日の琉球新報の記事です。5月10日に青森で、神谷宗幣さんが、日本軍というのは沖縄の人たちなんか殺してない。沖縄の人を助けに行った、ということを言った。ただ、さすがにまずいと思ったのでしょうか、例外的だと、その後言い直してます。分かっているだけでも289人、直接殺しています。間接死、要するに、ガマ・洞窟の中で赤ちゃんが泣いている。それに対して、母親に対して殺せ、というふうに命令をする。母親も仕方なく殺した。それは日本の軍人が殺したわけではないから、間接なんですね。そういったものを含めると、分かっているだけでも4766人が死んでいます。これに関しても、沖縄の人たちをスパイとして扱ってしまう。こういった虐殺なんかが行われています。
久米島での住民虐殺の事例もあります。軍人たちが女性を殴り殺したりしている。アメリカに投降しようとする、アメリカの軍人と接触しているというだけで、スパイだって疑って殴り殺してしまっています。仲村渠(なかんだかり)明勇さんと、その子供は1歳です。1歳の子供がスパイできますかね。谷川さんは、実は朝鮮人の方です。その妻ウタさん、夫妻の次女は2歳、幼児は生後数ヶ月です。この子たちをスパイだと言って、殺している。こういった虐殺を日本兵はしている。また、8月20日に殺されたりしています。沖縄では8月15日に終わっていないんですよ。例えばアメリカの軍人とやり取りしただけで、スパイとして扱われて殺されてしまう。こういった事例が沖縄ではありました。
日本軍性奴隷あるいは従軍慰安婦というものを設けられた4つの理由が、いろいろなところで紹介されているかと思います。一つは強姦防止です。強姦が悪いなんて思っているわけではなく、たくさんの強姦をしたなんてことが分かってしまうと日本に対する評判が悪くなる。それを阻止したいからだけであって、強姦はさせない。
性病の防止もそうです。兵士が性病にかかってしまえば、軍隊は弱くなる。かといって、軍人に、真面目にしろというだけではさすがに軍人も戦えない。この日本軍姓奴隷の話、初めに日本の女性を外国に連れて行った。そうすると、日本の軍人さんたちがカッコつけたがって、次どこ行くとかベラベラ喋って秘密が漏れる。そうさせないためだというのがスパイ防止の意味になります。
外国の女性を連れてきて、日本兵の性の相手をさせる。実はこの4つの目的から日本軍性奴隷は設けられたという風に紹介されているかと思います。これは宮古島にある碑ですけども、沖縄には130カ所、宮古島には少なくとも16カ所と書かれています。2007年から2008年に作られた碑なので、こういう数字ですけれども、実はもっと多いことが分かっています。宮古島というのは平らな地形なので、隠しようがない。ですから、あそこに確か朝鮮の方がいたな、というのは、残っています。5万人しかいないところに、3万の軍隊が入ってきたこともあり、日本兵は食料の強奪なんかもたくさんしています。
沖縄全体では140箇所の慰安所を作っています。強姦防止というのは、ここでも実は生きています。実は中国の部隊が沖縄に引き返してきました。ですから、日本の兵隊が沖縄の女性を強姦してしまうかもしれない。それを防ぐために慰安所を作れと命令した。沖縄の女性は500人、慰安婦にされています。九州とかの女性も慰安婦にされています。目的の一つがスパイ防止になります。
去年の10月、イギリスの帝国戦争博物館に行ってきました。セクシュアル・スレイブリー、性奴隷という言葉が使われています。オーストラリアのキャンベラにある戦争博物館でも、やっぱりセックススレイブ、性奴隷という言葉が使われています。日本の政府あるいは産経新聞なんかは、性奴隷というのは間違っているという言い方をしていますが、どうも1日40人、こういう扱いを受けた女性もいることまでイギリスで紹介されています。1日数回、場合によっては40回、日本兵への性の相手をさせられる。まさに性奴隷ですよね。イギリスの国立の博物館でも、セックススレイプという言葉がちゃんと使われています。
イギリスの帝国戦争博物館で、少女たちがこういう目にあっているので、実際その助けられた女性たちの写真もありました。小学生か中学生くらいにしか見えない子供たちが、こういった目にあっていることがイギリスでは紹介されていました。5万人から20万人の女性と少女たちが、慰安婦にさせられている。彼女たちは物理的、精神的な虐待を受け、1日数回レイプされ、性病に感染し、その結果死んだというふうに紹介されています。国際社会の認識はこうだということを認識することは重要だと思います
沖縄戦で多くの沖縄の人たちが殺された。その口実は実はスパイだった、あるいは日本軍性奴隷というシステム自体が実はスパイ防止ということを一つの目的にしていたということなのです。
こういった話をしますと、過去の話ではないかと思われるかもしれませんけれども、例えば、参政党の神谷代表はこういうことを言っています。昨年の7月ですけれども、公務員を対象に、「極端な思想の人たちは辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法です」と。公務員の中には、まあ、左翼的な思想の人間がいる。これを洗い出すのがスパイ防止法だという風に言っています。
神谷さんは、さらに「反日の日本人と戦っている」。多分、ここにいるのはみんな反日の日本人です。自分たちに背けば、反日、スパイなんですね
こういう扱いをされると、では権力者が言う反日とは何なのか。例えば検察庁法。検察庁法の改正に反対する芸能人あるいは著名人に対して、反日とかの中傷をしているとか、あるいは、「 #検察庁法改正案に抗議しますを訴えた反日くんたち」、「スパイ防止法に反対する反日国会議員」みたいなリストがツイッターで出回っています。今もあります。
先の東京オリンピックについて、東京オリンピックに反対する理由です。多くの人は、別に安倍さんを倒そうとか、そういう話ではなかったと思います。子供たちは運動会ができないのに、オリンピックやるんだという話もあったでしょうし、海外から人が来れば、また感染が広がるだろうという議論もあったと思います。それに反対したら、反日にされてしまうんですよね。こういった形で権力者が進めようとすることに反対すれば、全部、反日、スパイにされてしまう。その危険性がスパイ防止法にあるということです。
罪刑法定主義、人を逮捕あるいは処罰するのであれば、あらかじめ、こういったことをしたら犯罪になるということを、国民の代表である国会議員が作った法律で定めなければいけない。これが罪刑法定主義の内容になります。こういうことをしたら犯罪ですというのが分かってなければ、自由に行動できない。何をしたら捕まるのか、あるいは捕まってしまう可能性があるのかというのが分かっていなければ自由に行動できないというのが、罪刑法定主義の元の考え方にはあります。スパイ防止法の危険性は、何をしたからだったのかも分からない点にあります。
例えばベラルーシあるいは中国では、日本人がスパイだという風な口実をつけられて逮捕されている。裁判にかけられ懲役刑にかけられている事例があります。ベラルーシの事例は12月に釈放されました。おそらく、本当にスパイだったら釈放されないですよ。ベラルーシというのは、ロシアと仲が良い。ロシアに対して日本が敵対的な姿勢を取っているから捕まったのだろうということが言われています。こういった形で、実は権力者にとって目障りの人たちは、スパイという口実で、逮捕あるいは刑事裁判にかけられてしまう。有罪にされてしまう。その時、国家機密だからということで理由すら言わなくていい。そういったことにもなりかねない。ですから、罪刑法定主義、これに反するということですね。
よくスパイ防止法について、スパイだけが監視されるという言い方をしますけれども、スパイかどうかなんて分からないんですね。明らかにスパイっぽい顔をしている人なんていないけれど、逆にそういう人はスパイには使いません。ですから、外国の人と付き合っているだけで、全部スパイの疑いがかけられる、ずっと監視されるということになる訳です。国民全体が監視対象になる、その危険性があるということです。今の学生の状況なんかでは、ゼミ生なんかがいますと、一人や二人は必ず外国の学生がいます。日本というのは多国籍化していると思わざるを得ないと思います。名前からしても日本人ではないというのが分かる名前の学生もたくさんいます。そういった人たちと付き合っているだけで、スパイの疑いがかけられてしまうわけです。ですから、国民全体が監視対象にされるというあたりも、やはり指摘したいと思います。
このスパイ防止法は、インテリジェンスと言われるものの一つです。インテリジェンスは、機能×領域です。・機能は①諜報・②防諜・③非公然活動の3つです。
このインテリジェンスのうちの一つに、スパイ防止法があります。参政党の資料から紹介させて頂きますけれども、インテリジェンスというのは、機能と領域の話だということが言われています。機能ということで言いますと、①諜報です。要するに、スパイをする方です。②防諜というのがスパイをされない方。スパイ防止法というのは、この防諜の話になります。で、③非公然活動ということになります。
領域に関しては、非軍事的な領域と軍事的領域、場所に関しては対外的インテリジェンスと対内インテリジェンスというのがあるということです。
日本維新の会の10月の文書を見ますと、インテリジェンスに関する機能というのが殆ど無いので、完全な法定化が必要です。
現在の特定秘密保護法では刑罰が軽微、厳罰化が必要。ということがあります。ですから、よく反対する人として、立法事実が無いという言い方をしますけども、向こうからすれば立法事実があるんです。特定秘密保護法では生ぬるい。だからスパイ防止法が必要だという言い方をしています。
土地利用規制法があります。あれも実はやっぱり生ぬるいんですよ、この人たちにとってみれば。どういうことかと言いますと土地利用規制法っていうのは、重要な施設の1キロのあたりで何かやったらという話です。1キロっていうのも、正直言って1キロを超えてしまえば手が出せない。その中で何か変なことをしても、1回やめろという指示を出す。それでもやめない場合やめろと命令を出して、そこでやめない場合に逮捕しかできない。だから手続きを3回踏まなければいけない。けれども、スパイ防止であれば、こいつはスパイだと疑いをかけてしまえば、一気に逮捕できる。そういった意味で土地利用規制法でも生ぬるいというのが、自民党や日本維新にもあります。
それから、対外情報機関。外国でスパイをする機関が存在しない。情報要員が身分偽装を行う際の要件及び要員の保護等に関する法定化がなされていない。すごいこと言っていますよね。パスポートでも偽造をする。外国でやるのでしたら、たぶんそういうことになるんですね。そこら辺は、あからさまに言えない。手の内を明かすな、なんて言い方をするのかもしれませんが、要するに身分も偽装するわけです。外国に行って外国のスパイをする。実はこれをやろうというのがインテリジェンスの話です。
インテリジェンス機構改革に関する論点では、「特定秘密保護法等の秘密情報が争点となる裁判については、非公開とする」です。さっきも言ったかと思いますけれども、スパイ防止法で逮捕しても、何で逮捕したかなんて言わないってことになります。国家機密です、言えませんってことになる。ですから、本当に逮捕された方も、なんで逮捕されたのかよくわからないということになりかねない。逆に言えば、政府からすれば、こいつはスパイだって言ってしまえば、何でもスパイにできてしまう。権力者にとって都合の悪い人は弾圧できるということを、やはり認識すべきだと思います。
どうです?日本もスパイを作るべきですかね。まさにこの点が、インテリジェンスに関しては戦争できる国づくりの一環になるということを申し上げたいと思います。例えば1月3日、ベネズエラに対する攻撃がありました。大統領の敷地であるとか、どういう行動しているとか、ペットが何匹いるか全部把握していたわけです。当然、そこまで把握してないと、ああいうことはできない。スパイを作るということは、こういうことをやるのかと。ですから、戦争ができる国づくりの一環になるということは、まさにこういうことだということを認識して頂ければと思います。
外国のあそこら辺に、実はこういう部隊がいるということを全部把握する。そこを攻撃してしまえということになるわけですので、このインテリジェンスに関する法整備、外国をスパイすることは、まさに戦争する国づくりの一環だったということです。万が一、この任務なんかがバレたらどうなりますかね。捕まったら、かなりの確率で死刑になる可能性があります。日本維新の会の、要員の保護等に関する法定化ですが、保護なんかできないですね。捕まってしまえば、かなりの確率で間違いなく処刑です。国家の任務としてこんなものを作るべきなのかどうか、というあたりも問題とすべきことかと思います。
このスパイ防止法というのは、実はいろんな議論があります。神谷宗幣さん、去年の7月15日、Xで、こういうことを言っています。「外国勢力からの選挙介入は許してはいけません。早期にスパイ防止を作り、介入できない状態にしましょう」と。外国勢力からの選挙介入は許してはいけない。これは全くその通りです。国民主権から、こんなものは正当化できません。私もずっとこれは言い続けたことの一つになります。今の憲法改正手続き法・改憲手続き法と呼ばれるものには、『金で買われた憲法改正』、あるいは『外国の影響を受けた憲法改正』、『デマから生まれた憲法改正』、これを生み出す危険性があることはずっと指摘してきました。ですから外国勢力からの選挙介入を許してはいけない。ここは逆手にとって、その通りだ。では、そういったことを法定化するまでは国民投票なんか絶対やるなということは、やはり言って行くことが必要だと思います。
2021年6月に、改憲手続法は改正されています。その付則の4条で、ちゃんとした手続きをするまでは検討しなくてはいけないということが書かれています。ですから、実は外国勢力あるいは外国の政府の介入を受けない制度ができるまでは、国民投票なんかやるなということは言っていくことが必要だと思います。これに関しては、国会で共産党もずっと言ってきています。今の改憲手続法ですと、外国の団体からお金をもらった団体が憲法改正の運動できる。おかしいだろう。自民党は、そこはいいですみたいな言い方してきました。外国の勢力云々と言うのであれば、外国の介入ができないような状態を作るまでは、それこそ憲法改正、国民投票なんか絶対許さないということも言い続ける必要があります。
『スパイ防止法に反対するのは「スパイ」だけ!』、このこのチラシを見たことがあるかと思います。統一教会がずっと、40年以上これを配っています。これは弁護士会館の前で配っていたらしく、これは弁護士の先生からもらいました。日本共産党、旧社会党、ということが書かれていますけれど、外国の集団が、スパイ防止法に反対するのはスパイだけと言っています。これはおかしい。むしろスパイ防止法に賛成する人たちの中には、たくさんのスパイがいるということこそ、言っていくべきです。自民党も実は統一協会と共同でスパイ防止法の制定を訴えてきたわけです。
例えば、いろんなところで、自民党と統一協会というのは濃厚接触の関係にあります。これはわざと、フジテレビの系統の記事から紹介しています。憲法改正のため政権の座につくことを望んだ安倍晋三氏は、統一協会のつながりを深めてきました。産経新聞系がこういうことを言っています。いま衆議院議員の有田芳生さんによれば、2022年の参議院選挙でも3分の2の議席を得るために、統一協会は、自民党、日本維新の会、国民民主党を支援してきた。こういう政党こそスパイではないのかと言っていく必要があると。
憲法改正運動でも、統一協会は支援しています。2015年の時に、シールズという団体が安保法制に反対しましたが、それに対抗するユナイトというのができています。このユナイトは統一協会が作っている。こうやって、安倍さんのことを支持している、あるいは憲法改正賛成だと言っていたりする。こういった形で統一協会、韓国の団体が、実は日本の政治に入り込んで日本の憲法を変えるとか言っています。まさにスパイだろ。やっぱり、そこは言っていく必要があると思います。一緒につるんでいるのが自民党です。ですから、スパイ防止法を制定しようとしている人たちの中には、たっぷりスパイがいる。そこは、言っていく必要があると思います。
自民党とスパイと言いますと、CIAもいるかと思います。いろんなことでアメリカは拳を返していますから。明らかになっていることだと思いますけど。
1950年代、岸さんは自分が総理大臣になるために、CIAの資金援助を受けている。CIAもいろんな工作をしています。社会党を勝たせないために、社会党のネガティブな情報を流したりする。こういった形で、岸のような政治家を支援したことが明らかになっています。この時に一つ約束しているのは、自民党が政権の座についたら、アメリカの外交政策にはいい形でしかタテ突かないということまで言っている。地位協定を変えろと言っても、何も言わないのはそういうあたりにあります。こういった形で自民党は当時、統一協会ともたっぷり濃厚接触し、CIAからも支援を受けている。CIAから支援を受けているのではないですかということに関しては、去年11月、参議院の予算委員会で神谷宗幣さんも言っています。ですから、誰がスパイなのかということは、こうしたこと言い続けるのは重要かと思います。
ネットで憲法守れとか言いますと、よく平和ボケ、お花畑という言い方をされます。けれども、“戦う”なんてことを考える方が、よっぽど平和ボケだということは、言っていく必要があるかと思います。核兵器を一番持っている国は、アメリカではなくロシアですね。ロシアは広島型の2000倍の威力を持っている核兵器を、今も実戦配備しています。そんな国と戦おうと思っているのですかね。どっちがお花畑なのか、という感じですね。もし本当に北朝鮮が脅威だと言うのであれば、日本海側に原発を置くなんてことはありえない話ですよ。お腹を出して、刺してくれと言ってるようなものです。けれども、右翼の人たちって不思議ですよね。いやいや、北朝鮮のミサイルは精度が悪くて当たらない。本当に都合が良いというか、旧陸軍と全く変わってないですよね。ですから、本当に戦争をするなんてことを考えることは、よっぽど平和ぼけだってことは言っていく必要があろうかと思います。
けれども、こういったネットに関しては、ネット工作の影響もある。で、これも最近言われていることの一つですけれど、前橋市長選挙、あるいは伊東市の選挙なんかでも、SNSよりも、やっぱり身近にいろんな人たちがいる、仲の良い人たちがいる場合には、そっちの人たちの影響を受ける。これはメディア学でずっと言われてきています。ですから、近くの人たちにいろんなことを言っていく。無駄なようで無駄じゃない。今回の選挙でも、高市さんや自民党には入れない、だけでいいです。今の若い人たちは、ずっと説明するともういいよとなります。結論だけまず言って、関心があれば聞いてくると思いますので、その時、小出しに回答していく。そういった形の対応をして頂ければと思います。
ちょっと話を戻しますけれども、小泉さん総裁選で、やらせメール作ったっていうのは、よく分かるかと思います。自民党の常套手段ですよね。「ビジネスエセ保守に負けるな」自民党の総裁選で小泉陣営が、こういうのを流している。これ、誰のことですかね。高市さんしかいないですね。同じ自民党がこういうことをやるわけですよ。
永田浩三編『フェイクと憎悪 歪むメディアと民主主義』という本があります。当然、これ野党になんかやっていますよね。2017年でが、ソウル市内で日本人の女の子を強姦した韓国人男性に無罪判決が下されたっていうSNSのニュースが流れました。当然、これ日本の右翼は怒りました。ただ、この事件は無かったんですね。書いた人たちも、これが無いって分かっている訳です。けども、こういった記事を出すと、みんなが見るので収入が上がる。わざと嘘を書くと。これに乗っけられてしまう人がいるというあたりのことが、この本で紹介されています。
ここで言っていることでは、ヘイトを煽る記事というのは、やっぱり拡散のスピードが速いそうです。残念ながら日本にも、そういった土壌があります。こういった形で、倫理観の無い人たちは嘘でも平気で流します。自民党なんかは倫理観がない。小泉さんなんかも、相手の嘘を流していたわけです。ですから、やはりこちらから、身近な人たちに丁寧に紹介していくことが重要だということです。
憲法を変えろということを言うのであれば、あるいは外国人犯罪が問題だってことを言うのであれば、まず地位協定を変えろということをぶつけていくことが必要だと思います。
去年の5月7日と10月21日、琉球新報がこの記事を出しています。2012年10月から2020年9月、この8年間で、日本にいるアメリカ兵の性暴力事件が、2070件です。本当にこれで済んでいるのかどうかですね。もっとあるかもしれません。そのうち949件は沖縄と書かれています。だとしたら、残りの1000件は沖縄ではないんですよね。性犯罪の問題というのは、実は沖縄だけの問題じゃない、日本全土の問題だということを認識することが必要だと思います。
私が平和学の授業でこれを紹介していた時、そうかと思ったのは、米軍の性犯罪というのは昔の話だと思っていたというレポートを学生は結構書いてきます。こういった話がやっぱり知られていない。沖縄の学生でも、それを言います。こういったあたりのことも広めていく必要があります。加えて、外国人差別、外国人の犯罪を許さない、川口のクルド人を言うのなら、どっちが多いのか。それこそアメリカ人の犯罪を裁けない。
東京新聞の9月27日付記事で紹介していますけれども、3389人のうち531人は公務中という理由で、裁判にかけられていません。例えば、交通事故。酒を飲んで、人を轢いておきながら、実はそれが公務中にされて裁かれないなんて事例があるわけです。外国人の犯罪が問題だと言うのであれば、日米地位協定は変える。1953年にアメリカの軍人に対しては、できるだけ裁判権を行使しないという密約があるのも分かっていますけれど、こうしたことを放棄、廃棄しろということも言っていくことが必要です。
去年の2月4日の記事です。2023年、16歳未満の女子にアメリカ兵が強姦した事件。実は日本政府は抗議していません。小泉防衛大臣は、コメントは差し控える。差し控えないで怒るべきでしょ。なんですか、この人。こういった形で、高市さんとか小泉さんは、一体どこの国の総理大臣、どっかのスパイじゃないですか、というあたりも含めて言っていくことが必要だと思います。
こうしたことを広めていくに当たって、やはり市民運動が重要です。
2024年5月3日、金沢で講演をしたので、その後2日かけて珠洲とか輪島に行ってきました。1月1日に地震があって、まだこんな状況なんですね。食事がなくて、弁当が配給されるとも言っていました。憲法に緊急事態条項を入れろと言う前に、こういうことをちゃんとしろと言うことが先だと思います。これは珠洲の写真です。ここに筒みたいなのが出ていますね。マンホールですか。これ地面から突き出している。4メートルの地面が動いています。この珠洲に、もし原発が作られたらどうなったか。
この珠洲ですけれども、実は原発が作られようとするたびに市長選で負けたこともある、町長選で負けたこともある。住民の人たちは、いろいろ大変な思いをしながら28年間闘争して、止めたわけです。万が一、この時、原発かがあったらどうなっていたか。やはり推して知るべしだと思います。市民の運動の重要性というのは、こういったところでも表れています。結果に一喜一憂するのではなく、私たちが運動を続けていくこと。
以前、高田さんが、こういうことを言ったので、私もなんとなく一つの糧にしていますけれど、もし私たちが運動をしていなかったら、もうとっくに憲法なんか変えられていたと思います、20年前に。そういった形で抵抗してきたってことがあって、改憲を阻止してるわけです。憲法12条による不断の努力、こういったことも私たちに求められていることになります。
その運動としてやるべきことの一つが、衆議院選挙になります。よく解散は総理の専権事項と政治家あるいは一部のメディアが言っています。けれど、どこに書いてあるんですか。憲法7条3項に基づいて、内閣の助言と承認によって解散するとなっています。内閣総理大臣とは書いていない。内閣ですから、全ての大臣がOKを出して、そこで天皇に言うというのが憲法上の規定です。内閣総理大臣ではないんですよね。これは学会でも相当議論がありまして、衆議院の解散は衆議院でしかできないという議論もかつてはありました。内閣ができるわけではない。だから首相の専権事項、総理大臣が好き勝手やっていいなどということにはなっていません。これについて最近「壊憲・改憲ウオッチ(63)」というホームページに書いたのでご覧頂ければ、と思います。まさにこれ私利私欲、保身、党利党略の解散と言わざるを得ません。恐らく憲法学者は10人いたら9人は、正当化できないと反対すると思います。
教員の立場から一つ言わせて頂きたいのが、2月8日投票の選挙です。大学の入試が恐らくかかります。うちの大学は1月30、31、2月1日です。その期間中に選挙カーが走り回って、受験生はどうですかね。学校の周りだけでいいという話ではないんですよ。受験生はどこで勉強しているか分かりません。2月8日まで、選挙カーの音を聞かなきゃいけない。大学は実は今テスト期間にもなっています。受験生だけではなく、勉強せざるを得ない学生がいます。卒業がかかって、危ないという学生たちっているわけです。そういった学生たちが勉強したいと思っても、でっかい声で走り回っている。こういった状況を作るのが、本当に学生たち、未来の子どもたちのためになるのか。やっぱり教員としては、そこら辺が一番怒りたいところの一つです。
円安あるいは物価高対策であれば、少なくとも予算を通してからでないと、4月以降の対策が遅れます。物価高と円安の対策なんかも考えてない。今やれば自民党が勝てる。さてなんという口実をつけるかということで、動いている。衆議院解散に関しては、ネットでも実は批判的な意見が多いです。統一協会隠しだろ、裏金問題隠しだろと。外国人問題とかそういったあたりの問題点をこちらからもついて勝たせない取り組みが必要だということも申し上げさせて頂きます。