私と憲法27号(2003年6月発行)

民主党参議院議員の皆様

許すな!憲法改悪・市民連絡会
共同代表・新崎盛暉、奥平康弘、暉峻淑子
事務局長・内田雅敏、同次長・高田健

有事(戦争)3法案の本会議採決に際し、良心に従い、毅然として反対票を投じてください。

民主党の参議院議員の皆さんに訴えます。

昨年1年間、皆さんは私たちと一緒にこの法案の採択に反対してきました。私たちは民主党の国会議員の皆さんから多くの激励をいただきました。ところが今回、衆議院で民主党は法案に賛成しました。しかし、今回の与党と民主党の修正で有事3法案の本質が、反対から賛成に変わるほどに大きく変わったのでしょうか。私たちにはどうしてもそうは思えません。

多くの市民も今回の民主党の態度の大きな転換に疑問を持っています。

東アジアでいま一番戦争を引き起こす可能性があるのが米軍であることは多くの市民が知っています。韓国をはじめ東アジア各国の世論をみてもそうです。今回の法案はその米軍の戦争を押し止めることにならないだけでなく、反対にいっそう加速させる危険性があります。米国が発動するかもしれない北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への先制攻撃に自衛隊と労働者・市民を協力させることにならないでしょうか。

あくまでも「戦争ではなく、対話による平和を!」、これは多くの市民の願いです。

もはや多くの言を要しません。

有事3法案はこの国の前途を危うくする戦争法案です。皆さんには党の決定という重石がのしかかっていることを知っています。「反対を」という私たちの要請がどれだけ重大なことかもわかっているつもりです。しかし、ここは正念場です。民主党の立党の精神に沿って、市民の政党をめざした国会議員として、勇気を出して、良心に従って行動してください。

皆さんは参議院議員です。本来、参議院には「党議拘束」は必要ありません。民主党の「党議拘束」が「良識の府」としての参議院の役割の発揮に反するものなら、毅然としてその拘束を脱するべきです。

わたしたちは全国の市民と共に、明日の皆さんの行動を注目しています。

21世紀に生きる若者や子どもたちのために、この国の進路を絶対に誤らせてはなりません。

以上

(編集部より)この文書はFAXで民主党の全参議院議員に届けました。翌日、参議院本会議では民主党の神本美恵子議員が投票の際、賛否のボタンを押さずに棄権しました。6月17日に神本議員はこの問題で、厳重注意の処分を受けました。

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