私と憲法26号(2003年5月発行)

共同で3回目の5・3憲法集会(日比谷)
有事3法案の廃案と憲法の実現を訴えて
2500人の市民がパレード

有事法制をめぐる国会の情勢が緊迫するなか、今年で3回目になる「生かそう憲法、高くかかげよう第9条 5・3憲法集会」が5月3日午後、東京の日比谷公会堂に超満員の2500人の市民を集めて開催された。会場前には大型スクリーンが用意され、さわやかな5月の風の中で座り込んで集会を観る人びとの姿もあった。参加者は集会後、銀座をデモ行進した。右翼はこの日、約40台の街宣車を会場周辺に繰りだして、集会の妨害をはかった。

この日、全国各地でも憲法改悪に反対する集会や街頭リレートーク、デモなどが行なわれた。

日比谷公会堂の集会を主催したのは、許すな!憲法改悪・市民連絡会、憲法改悪阻止各界連絡会議、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、女性の憲法年連絡会、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネットの8団体で構成される超党派の実行委員会。

集会では、日本YWCAで市民連絡会の俣野尚子さんの主催者挨拶につづいて、特別発言として、おりから改憲策動と対になってすすめられている教育基本法の改悪の動きについて、法政大学名誉教授の永井憲一さんが報告。教育基本法の前文が、日本国憲法の理想の実現は教育の力に待つとしていることを改憲派が攻撃していると指摘した。

また日本婦人有権者同盟の紀平悌子さん、全労連議長の熊谷金道さん、新社会党委員長の小森龍邦さん、沖縄社会大衆党委員長で参議院議員の島袋宗康さん、日本青年団協議会会長の東和文さん、全労協議長の藤崎良三さん、衆議院議員で民主党の横路孝弘さんからとどけられたメッセージが紹介された。

つづいて各界から「5・4全国高校生大集会実行委員会」、西之原恵美子さん(私のピースアクション)、石川勇吉さん(真宗大谷派僧侶)、朴慶南さん(エッセイスト)、内田雅敏さん(弁護士)などが発言、ピースボートのダンシングチームのダンス・パフォーマンスも披露された。

後半のスピーチでは4人のスピーカーが登場。池田香代子さん(翻訳家、『世界がもし100人の村だったら』再話者)は憲法は戦争の死者が次代に生きる者に託した夢、大切なのは誰がつくったかではなく、私たちが夢を託されたことを理解することですとのべ、山内徳信さん(平和憲法・地方自治問題研究所長)は沖縄の基地撤去闘争で平和憲法が有効だったことを強調し、憲法を守りぬくためにさらに奮闘するよう呼びかけた。そして、土井たか子さん(社民党党首) は小泉内閣がイラクの軍事占領参加を進めていることを批判、有事法制阻止のために広範な運動を起そうとアピールし、志位和夫さん(日本共産党委員長) は立場の違いを超えて、有事法制阻止の共同の輪をさらに広げようとうったえた(発言詳報は本誌別掲=文責は編集部)。

集会は「米国の無法な戦争に加担する有事3法案を廃案に、2003年5・3憲法集会アピール」を採択した。

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