私と憲法22号(2003年1月発行)


2003年を反戦平和、憲法改悪阻止の年に

21世紀の3年目に入っても、私たちは米国のユニラテラリズムによる横暴な単独世界支配体制と暴力的風潮の横行を見せつけられています。ブッシュ政権は自らの指揮棒に従わない国々を「悪の枢軸国」と規定し、その圧倒的な軍事力を背景にして徹底して追い詰め、降伏か、打倒かの道の二者択一を迫っています。もはやこの米帝国の前には国連も国際法も存在しないがごとくです。これは経済的にはグローバリズムという名の新自由主義的な世界収奪の強化の動きと軌を一にしたものです。この米国にたいして、とりわけイギリスのブレア政権と日本の小泉政権が後を追っている国際政治の構図には恐ろしさをおぼえます。

しかし、昨年後半からの欧米やアジア諸国における民衆の反戦運動の高揚は目覚ましいものがありました。とりわけ9・11の遺族たちによるピースフル・トゥモローズや、10月26日の全米での反戦行動を組織したANSWERを生み出したアメリカ民衆の反戦運動は、ベトナム反戦闘争以来の高まりをみせています。ANSWERはブッシュのイラク攻撃を前に、かつて湾岸戦争が開始された1月18日、全世界に再度の統一行動を呼びかけました。

日本でも「WORLD PEACE NOW もう戦争はいらない 1・18私たちはイラク攻撃に反対します」行動が呼び掛けられ、かつてない広範な人びとが結集しつつあります。

昨年は有事関連3法案の阻止闘争が大きく前進し、継続審議とはいえ、すでに1年にわたって国会での採決を阻止しています。このようなことが過去10年来、あったでしょうか。

新年はこの有事関連3法案をめぐる闘いの最後の決戦の年です。そして新年早々にも始まるかもしれないといわれるイラク戦争を阻止し、これ以上の殺戮と破壊を許さない闘いが緊急の課題になります。いずれもが勝利するのは容易なことではありません。しかし、この1年の運動が示したように、困難はあきらめずに闘ってこそ切り開かれます。共同と連帯こそ力です。

強気一点張りに見えるアメリカが抱えるもろさも、圧倒的な支持率にささえられてきた小泉内閣の足元の危うさも、私たちは見抜くことができます。その確信をエネルギーにかえることができます。2003年を反戦平和、憲法改悪反対運動の前進の年に。(高田健)

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憲法調査会地方公聴会のあり方について

去る12月9日に第6回めの衆議院憲法調査会地方公聴会が福岡市で開かれた。6人の陳述人のうち5人が明確に「9条改憲反対」の立場で意見を述べ、これまでに開かれた仙台、神戸、名古屋、那覇、札幌の公聴会同様、現憲法支持の声が圧倒的に強いことが示された。

当日、自ら座長席で発する総括質疑の案として、中山会長は「中間報告書の評価」を公聴会直前に陳述人に示した。憲法の専門家ではない、一人の主婦の立場から、「中間報告はわかりにくい、ふつうの人々に寄り添った憲法論議にしてほしい」と述べた大分の宮崎優子さんが、公聴会終了後、限られた時間の中で言い尽くせなかった思いを、以下の手紙にまとめ、国会議員などに送った。福岡市の花房恵美子さんの傍聴記とあわせて、現地からの報告として紹介する。(編集部)

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