超憲的悪法の有事(戦時)法制阻止の運動を、改憲反対、改憲の国民投票法案反対の声と結合し、5.3憲法集会を大成功させよう4月17日、政府は有事(戦時)3法案(「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」「安保会議設置法改正案」「自衛隊法改正案」)を国会に提出した。
閣議決定された16日の昼には私たちの市民連絡会を含む「テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動」「日本山妙法寺」「キリスト者平和ネット」の三者の呼びかけで緊急の国会行動が行なわれ、500名の人びとが抗議の国会前路上集会を開いた。これには、もし法案が通ってしまえば真っ先に「従事命令」が出されるといわれる航空労組連絡会、海員組合、港湾労組、医療関係の労組などの人びとも参加した。
夜は「市民緊急行動」や「平和フォーラム」などの呼びかけで「異議あり!有事法制」の集会が日比谷野外音楽堂で開かれ、3000名が参加した。集まった市民や労組の人びとは有事法制抗議の声をあげながら、銀座をパレードした。
全国各地で同様の運動が起こっているが、東京では、このあと4・19集会(日比谷野外音楽堂)、4.20集会(芝公園23号地)と大集会が続き、法案の衆議院本会議での趣旨説明の日の国会行動も計画されている。さらに5月24日には明治公園で5万人規模の集会も計画中だ。許すな!憲法改悪・市民連絡会はいずれの行動も事務局の一翼を担って、共同の努力をしている。
政府は連休前にも衆議院本会議で主旨説明をして、連休明けから審議を開始し、この第154通常国会の大幅延長も含めて、なんとしてもこの悪法を強行しようとしているようだ。この法案の内容の問題点はこれまで指摘してきたので、ごく簡単にのべる。
(1)「武力攻撃事態」に「武力攻撃の恐れのある場合」を含め、事実上、先の周辺事態法とのリンクが可能にされている。
(2)対策本部長を兼ねる首相の権限が強大になり、対策本部長は「指定行政機関、関係する地方公共団体及び関係する指定公共機関が実施する対処措置に関する総合調整を行うことができる」「内閣総理大臣は……総合調整に基づく所要の対処措置が実施されないときは……当該地方公共団体または指定公共機関が実施すべき対処措置を実施し、または実施させることができる」と規定された。
(3)基本的人権の制限が公然とうたわれたこと。「国民の自由と権利……に制限が加えられる場合、その制限は武力攻撃事態に対処するため必要最小限のものであり、かつ、公正かつ適正な手続きの下に行われなければならない」として制限可能にした。
(4)「国民は…協力をするよう努める」など国民に協力を強要し、非協力者には「非国民」よばわりが復活する可能性。
(5)「立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、または同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金」「取扱物資の保管命令に違反して当該物資を隠匿し、毀棄し、または搬出した者は六月以下の懲役または三十万円以下の罰金」など。
憲法の平和原則と真っ向から対立する悪法「有事(戦時)法制」を許すことはできない。そのためには国会に対する要請・抗議の行動とあわせて、地域や職場で宣伝を強め、大きな世論を起こさなくてはならない。憲法改悪のための国民投票法案の国会提出の危険な動きもある。今年の5.3憲法集会はこの有事(戦時)法制阻止、「国民投票法案」阻止の運動と固く結合してすすめよう。(事務局・高田 健)