2005年5月3日憲法集会

各界からの発言(4) 基地問題

呉東正彦(原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会)

あと3年後の2008年に横須賀基地を母港としている通常型のキティホークが退役した後に、原発よりもさらに危険な原子力空母が横須賀に配備されるという計画が、日米両国政府間で協議されようとしています。原子力空母が横須賀を母港にすれば空母の大型の原子炉が、東京から50キロしか離れていない横須賀で修理されることになり、万一、原子炉事故が起これば、風上100キロ以内に首都圏3千万の住民が死の灰による放射能汚染の危険にさらされて、何十万もの犠牲者が出ることになってしまいます。まさに東京湾岸に大型原発ができるのよりはるかに危険な事態となって、絶対にうけいれることができない計画です。

私たちはこの原子力空母の母港化計画をストップするために昨年の4月から、原子力空母ストップの署名をはじめ、ほんとうに多くのみなさんのご協力によって、30万人をこえる署名をこの3月に横須賀市長と神奈川県知事に出しました。横須賀市長も神奈川県知事も、キティホークの次の空母も原子力空母ではなく、通常型空母しか認められない、日本人は再び核や放射能被害を望まない、という事実上の反対声明をしています。しかし、米軍の本音は原子力空母を配備したいということにあります。小泉首相も、地元の関係者と協議したうえで判断したいといいながら非常に意味深な発言をしています。

平和的生存権は憲法が保障するもっとも基本的な人権であります。それを守ることこそが自治体、政府の役目なのです。しかし、この憲法、そして平和的生存権が今まさに、危機にあります。私たちはこの問題を日本国民全体のものにし、政府やアメリカにたいして危険な原子力空母の母港ストップを強く迫っていきたいと思います。

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