2005年5月3日憲法集会

各界からの発言(2)ビラ入れと言論の自由

荒川庸生(葛飾ビラ配布事件)

私が逮捕されましたのは12月23日のことでございました。通常いろんな人が出入りするマンションのことでございます。配布いたしましたのは、共産党の都議会だより、それから区民アンケートとかそういったビラでございました。私は静かに、いわゆる開放廊下を1軒1軒のドアポストに入れて、読んでくださいという思いを込めて、配っていたわけであります。その後23日間、年末年始をはさんで亀有警察署に勾留されまして、そして起訴され、今は被疑者という身になっています。

私の逮捕された日の1週間前には立川事件、イラクへの自衛隊派兵反対の立川事件の無罪判決があった日でございます。立川事件、それから私の葛飾でのビラ配布弾圧事件、その後東京では多くのいわゆる表現活動に対する弾圧事件が発生していますが、これらすべては警察、検察によります表現の自由への挑戦だと思っております。表現の自由、すなわち憲法21条、これは憲法第三章の国民の義務と権利の中にございますけれども、第21条に「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と明確に規定されております。これに対する歴然とした挑戦であり、憲法に対する違反であると思うわけでございます。私が逮捕されましたときにまず思い浮びましたのは、私は年齢的に戦後生まれでございますから知らないのですが、治安維持法というものを思い浮かべました。歴史の教科書やいろんな本で学んだあの時代のすべての表現が弾圧され、知る権利も抑圧された時代のことを思い浮かべ、こういったことできっとたくさんの人が逮捕され投獄されていったのかしらと思ったわけであります。しかしながら今はその時代ではないわけでありますけれども、またそういったことが起こりうる時代になってしまったかと慄然とした思いがあります。

今、憲法がいろいろな形で変えられようとしております。今の日本国憲法58歳の誕生日が今日でありますが、日本国憲法の基本原則、絶対的な平和主義、それから民主主義、基本的人権の保障といいますのが、それぞれの人がものをいえるということによって始めて保障されるということであると思います。憲法を変えるということは、保障がなくなるということです。表現の自由が奪われるということは、根本であるところの絶対平和主義や民主主義、基本的人権へ順々に波及してくるということであろうかと思います。

多くのみなさんの熱い憲法を守ろうという思いと連帯いたしまして、表現の自由、言論の自由を守るために裁判勝利めざしてたたかっていきたいと思います。

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