2001年5月3日憲法集会

高校生

和光高校の三年生です。東京高校生平和のつどい、世界の子どもの平和像を東京につくる会の実行委員長をしています。

私は平和像をつくる活動をする中で、過去の歴史や戦争の真実を知り、そして日本国憲法に込められた思いを学んできました。多くの戦争体験者の方々のお話を聞き、戦時中、天皇のため、お国のためと信じこまされ侵略をしたこと、その結果、たくさんの子どもたちが自殺させられていったことを知りました。決して忘れられません。そして第二次世界大戦では六千万人の人々の犠牲がうまれ、世界中の人々が深く反省し、二度とこんな戦争を繰り返すまいと誓い、とうとう日本国憲法をつくることができたということも知りました。

けれど今、その日本国憲法にたいして、小泉首相は自衛隊を尊敬されるものにしようと改憲をいいだしています。また、さいきん登場した日本の侵略戦争を美化する歴史の教科書を政府が認めてしまうなど、私たち子どもには、歴史の真実がしっかり伝えられなくなっているように感じます。私はこのことにたいして、たいへん腹がたっています。世界中のほんとうにたくさんの人々の戦争の苦しみや、平和をつくっていこうという決意のこもった日本国憲法を変えること、それは歴史の真実にフタをすることであり、またそれは私たち子どもの未来や希望、人間らしい生き方を潰すことになるのではないでしょうか。

私たち、この会場にいる人たちもみんな歴史を切り開くリレーランナーです。平和な、ほんとうに一人ひとりが大事にされる未来をめざす、人間の人間らしい生き方の方向を私たちに指し示してくれる、大事な大事な日本国憲法のバトンを手に、いま私たち子ども自身が立ち上がるべきときだと思います。そして過去の真実を学び、いっしょに悩みながらいまの社会について考え、仲間と力をあわせて走り、過去から受け取った憲法のバトンを未来に向けて、もっと大きくもっと豊かにして次の世代に手渡す、それが子どもたちが作ろうとする世界の子どもの平和像です。募金額も、たくさんの人たちの協力で目標額の一千万円を超えて、いよいよ五月五日には除幕式をおこなうことになりました。

私たち子どもに平和や命の尊さ、未来への明るい希望、そして決意と励ましを与えつづけてくれる日本国憲法のバトンを、決して途絶えさせてはいけません。みなさん、平和を願い、憲法を守る輪をもっともっと大きく広げていきましょう。

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