2001年5月3日憲法集会

航空安全推進連絡会議 大野 則行

航空安全推進連絡会議は、航空管制官、パイロット、客室乗務員、整備士など航空の現場で働く六十二組合、二万二千人が参加している団体です。航空の事故を絶滅し、安全を守るために各方面で活動いたしております。

日米新ガイドラインおよびその関連法の問題いらい、陸上、海上、航空、港湾の交通運輸関係の二〇の労働団体が集まりました。周辺事態がおこれば、われわれのような労働者がまっさきに動員される。十五年戦争はいうに及ばず、朝鮮戦争、それから湾岸地域における戦争においても貴重な仲間の命が奪われたという苦い経験があります。すなわち、命と安全の問題であるということで、新ガイドライン反対で一致し、取り組みをおこなっております。

航空の立場からいえば、民間航空機によって兵員を輸送したり、武器・弾薬を輸送したりすることは、紛争相手国からみれば、自分たちを傷つけるものを運んでいるわけですから、それが前線であれ後方であれ、直接攻撃の目標となることは明白です。そればかりではなく、日本の民間航空機はいま世界中に飛んでおります。それがテロやハイジャックの危険にさらされるという問題もあるわけです。事実、スコットランド上空ではパンナム機が爆破されましたし、八七年のベンガル湾上空では大韓航空機が爆破されています。

このようなことから、国際民間航空条約では民間航空機の軍事利用を明確に禁止しています。もちろん、日本もこの条約を批准しております。しかし政府は、九九年に周辺事態法を強行して後、アメリカ兵や自衛隊員を戦闘服着用のまま民間航空機に乗り込ませたり、アメリカ軍の船や飛行機を日本国内の港や空港に出入りさせる、といったことを意図的に増加させている傾向があります。

その中で、今年の一月、防衛施設庁は、日本の航空会社にたいしてアメリカの国防総省の定める輸送資格を取得するように要請してきました。まさに民間航空機の軍事態勢への組み込みです。有事になれば、輸送は米軍機だけでは足りないということで、敏速に対応できるように、あらかじめ日本の航空会社にその資格を取得しておけということです。

これには労働組合がいっせいに反発しました。防衛施設庁に抗議するとともに、企業経営側と団体交渉をおこなって、資格取得要請を拒否するように要求しました。現時点では、企業側から要請は拒否したとの回答を得ていますが、今後またどのような圧力が強まるか予断は許しません。民間航空の安全を守るために、今後とも利用者国民とともに運動を広げていきたいと思います。

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