沖縄の自治権強化求める 憲法審で参考人4人

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沖縄の自治権強化求める 憲法審で参考人4人全員

2017年4月21日 朝刊


 衆院憲法審査会は二十日、「国と地方の在り方」をテーマに学識者を招いて参考人質疑を行った。国民主権や地方自治を憲法でどう実現するかという議論の中で、四人の参考人全員が、沖縄県に米軍基地負担が集中し、政府と対立する現状を問題視。それぞれ異なる道筋を示しながら、沖縄の自治権強化を求めた。

 沖縄大の小林武客員教授(憲法学、地方自治法)は、選挙で示された民意にかかわらず同県名護市辺野古(へのこ)で米軍基地建設を進める政府について「地方自治をないがしろにするもの。国と地方の対等関係をまっとうに理解しているとは言えない」と批判。地方自治を保障した憲法第八章の「完全実施」こそ求められているとし、根幹的な行政権の自治体への移譲を訴えた。

 明治大の大津浩教授(憲法学)も、沖縄の問題は地方自治でも特に重大と語った上で「沖縄は他地域と違う扱いをすべきだ」と指摘。包括的で幅広い権限を沖縄に移譲するため、憲法九五条が定める住民投票を実施すべきだとした。

 東大大学院の斎藤誠教授(行政法、地方自治法)は、基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」と指摘。「憲法の条項を充実させるのが一つの方策」と、地方自治の権限を強化する改憲が必要とした。

 中央大の佐々木信夫教授(政治学)も「沖縄の民意と国家の意思のずれ」に言及。沖縄を独立した州とし、知事を沖縄担当相とすることで国政に意見を反映させることを提案した。 (金杉貴雄)