衆院憲法審査会自民草案、撤回要求 民進「立憲主義踏まえず」

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http://mainichi.jp/articles/20161124/dde/001/010/058000c

衆院憲法審査会自民草案、撤回要求 民進「立憲主義踏まえず」

毎日新聞2016年11月24日 東京夕刊

 衆院憲法審査会(森英介会長)は24日午前、各党が立憲主義などをテーマに議論を交わした。民進党は、2012年の自民党憲法改正草案について「立憲主義に反し、憲法を統治の道具のごとく考えている」と批判し、改めて撤回を求めた。「立憲主義の認識が(各党で)違うままでは審査会で議論が困難」とも指摘した。

 民進党の枝野幸男氏は、国防軍の創設などを規定した12年草案について「立憲主義を踏まえず、(平和主義などの)3原則を大きく変更する」と批判。自民は草案を事実上棚上げしたが、「本当は草案のような改正をしたいが、議論が進まないから二枚舌を使っているのでは」と警戒し、今後の草案の扱いをただした。憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法については違憲性を指摘し、「立憲主義との関係を明確に説明してほしい」と迫った。

 自民党の上川陽子氏は「党は近代立憲主義に基づき、個人が人間らしく生きられる社会を構築する努力をしてきた」と強調。現行憲法に地方自治の規定が少ないことなどを指摘し、「『立憲主義に反する』といった言葉だけで憲法論議が閉ざされてはならない」と訴えた。中谷元氏も「草案は立憲主義を否定していない」と説明。安保関連法も合憲として「立憲主義に反すると称する人は、本来の意味を超え、政権の好き嫌いで使っている」とけん制した。

 立憲主義は国家権力の恣意(しい)的な行使を憲法で抑える考え方とされる。自民党にとっては因縁のテーマで、昨年6月の審査会では、憲法学者3人がいずれも安保関連法案を「違憲」と表明。審議が1年5カ月止まった経緯がある。【飼手勇介】

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016112402000244.html

「自民は草案を撤回していない」 民進批判、見解を要求 衆院憲法審

2016年11月24日 夕刊

 衆院憲法審査会は二十四日午前、国家権力を憲法が制約する立憲主義などをテーマに議論した。意見表明で、民進党の枝野幸男氏は、自民党改憲草案を「立憲主義に反し憲法を統治の道具であるかのごとく考えている」と批判。「自民党は立憲主義を守ると発言しているが、草案を撤回していない」として、草案が立憲主義を踏まえた内容と認識しているならば、建設的な改憲論議はできないと指摘し、草案の扱いに関する党見解を出すよう求めた。

 枝野氏は、安倍政権が成立させた安全保障関連法についても「集団的自衛権の解釈を一方的に変更した。立憲主義や保守思想との関係を明確に説明してほしい」と述べた。

 これに対し、自民党の中谷元氏は「改憲草案は人権を保障するために権力を制限する立憲主義の考え方を何ら否定するものではない」と反論。同じく自民党の上川陽子氏は、平和主義など憲法三原則を維持する考えを示し「国民目線で建設的な憲法改正論議を進めることが肝要だ」と述べた。

 公明党の斉藤鉄夫氏は、立憲主義で保障される基本的人権に環境権を加えるべきだとの考えを示した。

 自由討議では、自民党の複数の委員が改憲の具体的項目として自衛権を明記するなど九条改憲の必要性を指摘。民進党の細野豪志氏は、大災害などの緊急事態での国会議員の選挙延期を議論すべきだとの考えを示した。

 衆院憲法審は今月十七日、実質的な論議を約一年五カ月ぶりに再開した。