最後の審査会「改憲」の結論には至らず
第一八三通常国会中最後となる憲法審査会が、十二日の参院、十三日の衆院で開かれた。閉会中審査もできるとはいえ、事実上、終了した形だ。
参院はこの国会で「二院制」と「新しい人権」についての参考人質疑などを行なったが、二院制は「維新の会」「みんなの党」以外は大方、維持で「改憲」の結論にはならなかった。「新しい人権」も参考人の意見は「立法で解決できる」というのが大勢だった。
十二日も自民や維新の会の委員は「新しい人権」を憲法に書き込むべきと主張。民主、みどりの風、共産、社民は十一条、十三条などの具体化こそ必要と述べた。
憲法のレビューを一通り終えた十三日の衆院憲法審では隣席の土屋正忠委員が「憲法は権力制限だけじゃなくて国民の義務規定がある」という趣旨の発言をしたのに対し、自民党の河野太郎委員は、自民草案を批判、「憲法の義務規定を今以上に拡大すべきでない。家族が助け合うのは大事だが憲法にわざわざ書くことではない」とした。
自民の中谷元幹事は今後の運営に関し「改憲はシングルイシューになる。各党協議で合意ができたところからやりたい」とし、船田元筆頭幹事は「今後、審査会で各党の改憲案を出し合い、幹事会や審査会で議論し、衆参合同審議をやることもあるかもしれない。九六条先行改憲でなく他の条項と併せてやるべきだ」などと発言した。
(許すな!憲法改悪・市民連絡会 高田健)