【今週の憲法審査会】大震災に便乗した緊急事態条項改憲論
? 五月二二日午後、参議院憲法審査会が一ヶ月半ぶりに今国会で三回目の審査会を開き、ひきつづき「二院制」について参考人を招請して議論。参議院では自公も含め八党が二院制の堅持を主張し、みんなの党、維新の会が「決められない国会」などと二院制を批判、一院制への改憲を主張した。次週は「新しい人権」の議論をするなど、今国会であと数回開催するという。
衆議院憲法審査会は五月二三日午前、「緊急事態と憲法をめぐる諸問題」および「裁判官弾劾裁判所及び裁判官訴追委員会等」について議論した。
前回、「前文」の討議で「諸外国の例」などの調査を衆院法制局に要求した土屋正忠委員(自民)が、法制局の報告時になっても出席しておらず、批判が噴出した。相変わらず自民の委員席は空席が目立つ。
現行憲法にない緊急事態条項の審議というテーマ設定自体が、「憲法のレビュー」をするとして審査会の審議を始めた申し合わせと異なるとして、共産党の笠井亮委員が厳しく抗議した。笠井委員が指摘するように、議論は憲法のレビューではなくて、各党の改憲案の開陳の場になりがちだった。「基本的人権の抑圧につながるおそれ」などを指摘しながら反対した共産、党内に両論とあいまいにした公明を除く自民、民主、維新の会などが東日本大震災を引き合いに出し、憲法に緊急事態条項の創設(改憲)を主張した。
(許すな!憲法改悪・市民連絡会 高田健)