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許すな!憲法改悪・市民連絡会
任期中の改憲を標榜する安倍内閣の下での初の国会である第165臨時国会が終わった。この国会では与党が重視したいくつかの法案のうち、「共謀罪新設法」案と「改憲手続き法」案は院内外のさまざまな闘いによって採決を強行することはできず、継続審議となった。しかし、防衛庁の権限を拡大し、自衛隊の海外派兵を本務化する「防衛省昇格法」と、日本国憲法と表裏一体をなすと言われてきた「教育基本法の改悪」が強行成立させられた。海上自衛隊のアフガン戦線派兵と航空自衛隊のイラク戦線派兵も期間延長された。不戦非武装をうたう9条を持つ日本国憲法公布60周年にあたるこの国会で、この国は「戦争のできる国」に向かって、また一歩大きく歩みを進めたのだ。
私たち市民連絡会は微力ではあったが、全国各地の志を同じくする多くの人びとと共に、この危険な戦争への流れに対して力いっぱい抵抗し、たたかった。とりわけ教育基本法の改悪に反対する「ヒューマン・チェーン」はかつてない規模の運動を国会前で展開し、全国各地でも多くの人々がこれに呼応した。今後の「改悪教育基本法」の具体化に際しては憲法の基本的人権をはじめとする諸原則を対置し、あきらめることなく毅然としてたたかいぬく決意でいる。教育基本法の改悪によって、まさに平和憲法の「外堀」が埋められた感はあるが、私たちのたたかいは終わっていない。それどころか、私たちはこの間の闘いの中でより拡がり、成長した市民たちの共同の力をもって、9条改憲阻止をめざして、さらにたたかいぬく決意を固めている。
07年の166通常国会では、「改憲手続き法」案に反対するたたかいはいよいよ正念場を迎える。「共謀罪新設」の動きは予断を許さない。「米軍再編関連法」案も出てくる。「海外派兵恒久法」案の動きや「集団的自衛権行使の容認」の動きも強まるにちがいない。この時期、イラク開戦からまる4年の3月を迎える。平和のためにゆるがせにできない課題が山積している。
「改憲手続き法」は165国会の最終局面で自公民などの賛成で継続審議が決められ、自民・民主両党は双方の「修正案」要綱を憲法調査特別委員会に報告した。自民党の船田元筆頭理事は「両案の隔たりはごく僅か、次期国会では衆院で議決、参院で結論が出るようにしたい」といい、民主党の枝野幸男憲法調査会長は「憲法記念日までの成立に期待する」と述べた。しかし、これらの修正案では集団的自衛権の行使とグローバルな規模で日米軍事共同作戦が展開をめざし、憲法9条の改悪をねらった与党の改憲手続き法案のねらいは変わっていない。それどころか、国会の審議経過をみても、同法案が抱える危険性はますます暴露されつつある。これらの問題点の徹底審議をしないままに、次期国会で与党の党利党略で法案を強行することは断じて許されないし、野党第1党の民主党がこれに協力するようなことは絶対に許されない。
私たちは改憲阻止の運動の全国的連携をいっそう強化し、改憲手続き法案のねらいを暴露し、廃案を求めてたたかう。憲法施行60周年の07年5月3日を全国的な、共同した改憲反対の大規模なキャンペーンとするために奮闘する。その過程で、「九条の会」など9条改憲阻止で共同する市民のネットワークを全国津々浦々の草の根につくりだし、発展させるため奮闘する。07年の統一自治体選挙や国政選挙で、改憲反対、9条改憲反対の候補を勝利させるために協力し、たたかう。アジア、世界の人々ともに不戦・9条擁護の国際的な運動の連帯をつくり出すために奮闘する。
共同して、壮大な9条改憲阻止の流れをつくり出し、安倍政権がすすめる戦争への道を絶対に阻止しよう。
2006年12月19日
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